犬の皮膚病の症状・原因から治療・予防法まで

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犬の皮膚病の症状・原因から治療・予防法まで

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犬の皮膚病はさまざまな原因があり、またその症状もさまざまなため、なるべく皮膚の状態を把握することが大切です。ここでは3つの皮膚病の症状にスポットをあて、その症状に関連する犬の皮膚病について解説いたします。

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の皮膚病について

犬の皮膚病で元気の無い子

犬の皮膚病は、動物病院に来院するもっとも多い病気です。それだけ犬にとっては身近な病気なのですが、皮膚病には様々な原因があり、それによって様々な症状を引き起こします。例えば、皮膚は摂取した栄養の実に30%を消費する体で最大の臓器ですから、その分栄養の過不足による影響が非常に強く出てきます。それ以外にもアレルギーやホルモンなど様々な病気などでも皮膚に症状を認められるようになります。
ここで一つ厄介な問題があります。それは一つの病気が複数の皮膚症状を示すこともあれば、同じ症状を複数の病気が示すこともあり、簡単な症状からは原因の病気を突き止めるのは非常に難しいのです。ですので、皮膚病の診断はその症状の経過だけでなく、様々な検査と組み合わせて行うことが大切です。しかし、その難しい診断の第一歩も、まずは症状を正しく認識することから始まります。
以下、代表的な皮膚の症状について、お伝えします。

犬の皮膚病で表れる症状と考えられる病気

かゆがる・体を掻く

痒がる犬と猫

細菌性皮膚炎

細菌性皮膚炎は、皮膚に細菌が感染し、炎症を起こすことで、かゆみや発赤、発疹を引き起こす病気です。ひどくなると化膿することもあります。この皮膚炎で感染する細菌は、そのほとんどが皮膚の常在菌、すなわち普段から皮膚に存在している細菌です。普段は犬にとって無害な細菌が、なんらかの原因で皮膚のバリア機能が破綻すると、一気に皮膚で増殖してしまい、その結果増えた細菌がかゆみを引き起こしてしまうのです。通常の細菌性皮膚炎は、抗生物質を投与することで改善させることが可能です。しかし、アレルギー性皮膚炎などの基礎疾患がある場合は、その基礎疾患を管理しないと、なかなか細菌性皮膚炎も完治しないことが多いです。

真菌性皮膚炎

真菌性皮膚炎はいわゆる「カビ」の感染による皮膚炎です。通常、皮膚のバリア機能が正常であれば、カビの感染を抑える力があるのですが、なんらかの原因でバリア機能が破綻することで、容易にカビの感染が起こります。一度カビの感染が生じると、治療は数ヶ月単位で行われますので、根気よく治療していく必要があります。

ノミ寄生

その名の通り、ノミの寄生により、かゆみや発疹を引き起こす皮膚炎です。ノミは皮膚炎を引き起こすだけでなく、犬の皮膚から吸血する際に病原体を感染させることがあるので注意が必要です。また伝染力が非常に強く、ほかの犬や猫、あるいは人間にも寄生しますので注意が必要です。ノミ寄生が疑われる場合、犬の皮膚からノミを発見することで診断できますが、ノミが見つからなくても、ノミの糞が大量に見られることで診断がつくこともあります。今ではノミ寄生は予防薬で容易に感染を予防することができます。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、ハウスダストや牧草などの環境因子や食べ物による食物因子などが原因でかゆみや発赤、発疹を引き起こす皮膚病です。皮膚病が見られる場所は、目の周りや口周り、耳、足先、脇や腹部、お尻周りなどが多く、中には背中に病変が見られることがあります。アレルギー性皮膚炎は一般的に完治が難しく、様々な治療を組み合わせて管理していきます。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎は、皮膚に刺激作用のある物質に触れることで、かゆみや発赤、発疹を引き起こします。原因としては薬品、草花、シャンプー、食器、マットなどがあり、特にアレルギー性皮膚炎など皮膚の基礎疾患を持っているワンちゃんでは、より症状が強く出ることがあります。

疥癬症

犬に寄生しているダニ

ヒゼンダニというダニの寄生による皮膚炎です。疥癬は、皮膚病の中でも特にかゆみが強い皮膚病ですので、寄生されると、掻きすぎて皮膚の状態がさらに悪化してしまいます。また、伝染力も強く、他の犬にも容易に感染しますので注意が必要です。さらには人間にも寄生し、同じように強いかゆみを引き起こします。ただし人間に寄生しても繁殖はできないため、犬のヒゼンダニを駆虫できていれば、3~7日ほどで人間の症状も改善が見込まれますが、必ず皮膚科を受診するようにしてください。治療は特殊な駆虫剤を使用しますが、種類によってはコリーやシェルティに強い副作用を示すものもありますので、注意が必要です。

脂漏症

脂漏症は、いわゆる「ベタベタ肌」になってしまうものであり、皮脂の分泌異常によって引き起こされます。皮脂が過剰に分泌されると、空気に触れた脂は酸化してしまい、それが炎症を引き起こし、かゆみ、さらには二次的な細菌感染や発疹などが見られるようになります。皮脂の分泌は体質的なところもありますが、食事の影響もありますので、食事管理により、改善することがあります。また、シャンプー等スキンケア製品によってベタベタがひどくなることもありますので、セレクトには注意が必要です。

乾性脂漏症

いわゆるカサカサ肌のことで、主に細かなフケがたくさんみられ、かゆみを伴うこともあります。普段は何ともない犬でも、冬場にファンヒーターの前にずっといたりすると、乾性脂漏になりやすくなります。乾性脂漏は皮膚のバリア機能が低下している状態で、そこから二次的な細菌感染を起こすこともありますので、注意が必要です。乾性脂漏も体質的なものなので、スキンケア(保湿系)や食事で管理します。

毛包虫症

アカラス症、ニキビダニ症とも呼ばれる寄生虫感染症です。ただし毛包虫自体は、9割以上の犬に常在しているダニで、普段は犬に害を及ぼすことはありません。しかし、抵抗力がまだ弱い子犬や成犬でも何らかの原因で犬の免疫力が低下すると、毛包虫が増殖し、さらに細菌感染が起こると強いかゆみを持った皮膚炎を引き起こします。治療は疥癬症と同じ駆虫剤を使用しますが、高齢犬やほかの基礎疾患がある犬の毛包虫の場合は、免疫力低下の原因となっている病気の治療も必要になります。

心因性皮膚炎

犬は精神的なストレスを受けると、それを解消するために体を舐めてしまうことが多くあります。中には過度に舐めてしまうことで皮膚炎が引き起こされ、さらにその皮膚炎によるかゆみで舐めてしまう、という悪循環に陥ることがありますので、場合によっては重症化することもあります。治療は皮膚炎を治療しながら、ストレスの原因を特定し、環境を改善させる必要があります。

膿が出ている

細菌性皮膚炎

炎症を起こす細菌

症状1のところでも登場した細菌性皮膚炎です。「膿」は体内に侵入した細菌に対する免疫反応の結果生じるものです。ですので細菌感染が関係する皮膚炎では膿を持つことがあります。

外傷

皮膚が何らかの原因で傷つくと、そこに細菌が繁殖し感染症を引き起こします。感染した細菌を排除するため、体に免疫反応が起こり、その結果、膿が生じます。感染した細菌は適切な抗生物質で治療しますが、それと同時に外傷の治療も同時に行う必要があります。

赤くなっている、発疹がある

皮膚が赤くなるということは、すなわち皮膚に炎症が起きている証拠。つまりすべての皮膚炎で、皮膚は赤くなります。さらに炎症が起こると皮膚のバリア機能が低下し、そこに細菌感染などにより強い炎症が生じると発疹となります。動物病院に皮膚の炎症で来院される犬のうち、多くが下記の原因で引き起こされています。

  • 細菌性皮膚炎
  • アレルギー性皮膚炎
  • 真菌性皮膚炎

犬の皮膚病対策

これら犬の皮膚病の対策で最も重要なのが、わんちゃんの肌を清潔に保つことです。犬の皮膚は沢山の毛に覆われ守られていますが、お肌自体はとてもデリケート。日頃から清潔に保つことを心がけましょう。もちろん、お風呂(シャンプー)で清潔なお肌を保つことが効果的ですが、シャンプーをやり過ぎると皮膚に必要な皮脂が不足したり、乾燥肌のもとになってしまいます。わんちゃんの肌を逆に傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
そこでおすすめしたいのが、適度なシャンプーに加え、化粧水などの肌ケア用品を使った対策です。現在、わんちゃん用の肌ケア用品も少しずつ増えてきていますが、その中でもオススメなのが、ペット専用化粧水『AVANCE』という商品。『AVANCE』は、温泉の成分から生まれた100%天然成分で「ノンアルコール」「無添加」「防腐剤フリー」の安心安全な肌ケア用品なので、特に肌の弱いわんちゃんにはおすすめです。AVANCEの詳しい内容は、下のページでご確認ください。

まとめ

犬の皮膚病対策のブラッシング

犬の皮膚は人間の皮膚よりも薄く、非常にデリケートです。また、たくさんの毛で覆われており、日頃のチェックが難しいものではありますが、皮膚は犬の健康状態を繁栄する非常に大切な臓器ですので、ブラッシングの際、シャンプーの際にこまめにしっかりとチェックすることをお勧めします。

▼犬の病気を症状や病名から調べる▼
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識

ユーザーのコメント

  • 30代 女性 いおり

    以前は我が家のワンコもアレルギーの皮膚病に悩まされていたので、大変興味深い記事内容でした。今は症状は落ち着いていますが、皮膚病の仕組み等が詳しく書かれていてとても参考になったので症状が再発しないように役立てようと思いました。
  • 20代 女性 すず

    わたしの愛犬のミニチュアダックスフンドも以前皮膚病にかかったことがありました。
    わんちゃんなら時々痒がったりしてるのでいつものことだろうと最初は気にしていなかったのですが、やたら痒がっていたので気になり動物病院へ連れて行き診察してもらったら、細菌性皮膚炎だと言われました。
    幸い軽い方であったので薬を処方していただきおさまりましたが、なるべくかかないようになど気を使い治るまで大変でした。
  • 10代 女性 のんのん

    皮膚病になってしまう原因や、種類も様々です。なかには犬種によって、なりやすなりにくいなどもあるので、その子に合ったケアや予防が必要とされてきます。
    やたらと痒がるなど不思議な点を見つけたら早めに動物病院を受診しましょう。
  • 30代 女性 TIKI

    記事をみてあらためて犬の皮膚病の種類の多さにビックリしました。
    我が家の愛犬もここ1~2年足の肉球の舐めによる皮膚炎<舐性皮膚炎>になってしまい、今も治療中です。口が届く場所は舐めるのを止めさせるのが大変で、薬を塗ってから靴下を履かせてガードしたり試行錯誤しています。
    皮膚病は症状が悪化する前に適切な処置を獣医さんの指示のもと行った方がいいと思います。
  • 40代 女性 meg

    我が家に初めてのワンコを迎えて1週間経った頃にふと後ろ足の一部にカサブタらしきものができていることに気づきました。
    慌てて動物病院を受診しカサブタ部分を検査したところカビが生えている、いわゆる真菌性皮膚炎との診断でした。カビなので水虫と同じ人間にも感染します。

    人間にもワンコの体の他の部分にも感染しないようにエリザベスカラーを常に装着してカビの部分を触ったら必ず手洗いをよくして下さいと言われペットショップから来て1週間でまさかのエリカラ生活に。
    動物病院で指示されたことをしているのになかなか良くならなかったので先生に、相談し今までのエリカラ、ノルバサンシャンプーに加えて消毒液と飲み薬、人間が水虫の治療に使う塗り薬ニトラゼンを処方されました。最初のエリカラとシャンプーだけでは治るように感じませんでしたが飲み薬と塗り薬が処方されると目に見えて治ってきたのを実感できました。

    我が家の場合完治まで約4ヶ月ぐらいかかりました。費用はワンコを迎えて1週間での発病だったので保証制度が適用され無料でしたが通院も2週間に一度ぐらいのペースで行くことになり大変でした。
    ようやくカビが治った時に先生から「カビが生えていた部分は もしかしたら毛が薄いままかもしれない」と言われましたが現在カビが生えていた部分は全く分からないぐらい無事に毛も生えて再発もしていません。

    皮膚病にも色々な種類があります。皆さんもワンコの体をよーく触ったり見たりして いつもと違うところはないか確認してあげて下さいね。特にカサブタはカビかもしれませんので要注意ですよ!
  • 50代以上 女性 あっこ

    生後4ヶ月のミックス(トイプードル、マルチーズ)です。我が家に来てから10日で下痢血便、あわてて病院へ、それから4日後、耳が腫れて痛がってるので、再度病院へ、外耳炎かと思われたが、日に日に悪くなり再再度病院へ、結局、大きな病院で検査することを進められこれから行きます。獣医師によると、初めての見たことのない症状だと言ってました。命は助けてほしいです。
  • 30代 女性 Rie

    皮膚病ってなんていうか、対応も治療もむずかしいですよね。うちの場合は原因がはっきりしないけどアレルギー性っぽい皮膚炎を起こすことがあるので、対処療法するしかない状態でどうにか付き合っている感じです。最近はドッグフードから手作り食に変えて、体質改善に励んでいるところです。
  • 女性 昆布

    うちのもたまにやります。毛が抜けてるなと思ったらそこに炎症が、というのを。たいてい気が付くときは執拗にそこを舐めまくっていて、そこが毛玉になっているので、毛玉が先で気になって舐めすぎて炎症を起こしたのか、炎症があって気になって舐めまくって毛玉になっているのか、どちらが原因なのか分かりません。かゆみ止めの薬を塗って、かわいそうだけどエリザベスカラーをして傷口をそれ以上広げないようにします。
  • 女性 そらまめ

    うちの犬は1年に1回あるかないかですが、忘れたころにシッポにホットスポットが出来て毛を刈られてしまいます。いつもシッポをくるんと巻いているちょうど内側の部分で気が付くのが遅れます。犬が尻尾をやたらと舐めているな、と思うと皮膚炎が先なのか、舐めすぎてなのかわかりませんが皮膚が破れて炎症を起こしてしまっています。動物病院で処方されるかゆみ止めが入ったステロイド剤を3日ほど塗ってすぐに治りますが、エリカラ生活になるのでかわいそうです。
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