犬と一緒に楽しめるアウトドアの種類
登山(トレッキングやハイキング、トレイルランニングなど)
犬と一緒に楽しめる山へ出かけるアウトドアで登山や、山の周辺を歩くトレッキング、外の自然綺麗な景色を楽しむハイキングなどがあります。
活発で運動量が多いアウトドア派の犬種が適しておりボーダーコリーやビーグル、ダルメシアン、バーニーズマウンテンドッグ、ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバーなどがあげられます。
また陸上競技の種目でトレイルランニングという競技があり、中長距離走の一種目で登山道や森林など舗装されていない自然の中を走りぬけるアウトドアスポーツがあります。このトレイルランニングを犬と一緒に走り楽しむアウトドアスポーツを「ドッグトレイルランニング」と呼びヨーロッパでは大規模なレースも開催しています。
水遊び(川遊びや海水浴、カヤック、サーフィンなど)
アウトドアに向いている犬種の中でもラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバー、スタンダードプードル、ニューファンドランドなどは水の泳ぎが得意な犬なので川遊びや海水浴などにピッタリです。
またこれらの犬種は元々、鴨などを狩る水鳥猟の狩猟犬として活躍してきたため泳ぐこと自体が大好きな犬です。夏の季節では犬と一緒にカヤックに乗るアウトドアや、他にもサーフィンや川を歩くアウトドアアクティビティーであるリバーウォークも犬と共にできることから人気があります。
雪遊び(犬ぞりなど)
冬の季節でのアウトドアは雪遊びではないでしょうか。特に雪が多くふる北海道や新潟、東北地方では犬が自ら雪が積もっているところに飛びこむ光景がみられたり、また冬の季節でしか味わえないアウトドアで犬ぞりを体験することができます。
冬の寒さに強い犬種としてはサモエドやシベリアンハスキー、秋田犬、バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリーバー、アラスカン・マラミュートなどがあげられ、シベリアなど極寒の地域が原産国の犬が基本的に寒さに強いです。
自然の中を歩く森林浴やキャンプなど
山登りや犬と一緒に走るトレイルランニングなどのアウトドアは犬の運動量が必要になってきます。しかし体力がそれほどない犬でも自然を楽しむアウトドアでは森林浴や最近ではキャンプに犬を連れていくアウトドアも多くみられます。
普段の散歩コースやお花見、バーベキューなど
普段の散歩のように家の近くの公園や近隣の河川敷まで歩くことなどもアウトドアに含まれます。この程度のアウトドアならばチワワなどの小型犬や足腰が弱くなった高齢犬でも負担が少なく済むことができます。また暖かい季節になる春頃ではお花見や夏のバーベキューなども犬と一緒に連れていって楽しんでいる方も増えてきています。
犬とアウトドアに行くメリット
運動不足解消
最近ではペット飼育可能なマンションなどの物件も増えたり衛生面などのことから昔と比べて犬の室内飼いが主流となっています。そのため室内飼いだとどうしても運動不足になりがちになります。その結果太りやすくなり肥満体型に陥りやすくなります。
実際に私が勤務している動物病院に来院する犬の多くは、理想体重より重く、肥満体型です。肥満になると足腰に負担がかかりやすくなったり心臓などの循環器にも影響をあたえてしまいます。
犬は人間のように汗をかいて体温を調節することができないため気温が高い真夏に状態が急変し命を落とす危険性があります。運動不足になるとボーダーコリーやビーグルなど運動量が多く必要な犬種にとってはストレスとなり問題行動を起こしてしまうことがあります。
認知症予防
獣医療の発達に伴い犬をはじめ多くの動物達の寿命が年々伸び続けてきています。約20年程前では犬の平均寿命が10才未満だったのに対して現在は小型犬〜大型犬を含めても約15歳程と長生きしています。
実際に勤務先の動物病院に来院してくる犬の多くは高齢犬ですがほとんどは10歳以上や、中には15歳以上の子もいます。犬も高齢化となり長生きするようになったため人だけではなく犬も高齢に伴い認知症にかかるようになりました。
犬が認知症になると朝や夜の感覚が分からなくなり夜中も起きたり、夜鳴き、徘徊、ご飯を食べたのに欲しいと催促する、人の区別がつかなくなるなどがみられます。犬種によって認知症を発症する年齢に差はあるようですが、アウトドア有無などの飼育環境が大きく影響しているといわれており日に日に認知症の症状が進行していきます。
そのため何よりも認知症にならないように予防することが大事になります。外へ出かけるアウトドアすることで音や匂い、風にあたる感触など様々な刺激をあたえることができるので認知症予防に効果が期待できます。普段の散歩などのアウトドアも脳に大きな刺激となるので認知症予防につながります。
社会化性を身につける
犬を様々な場所へアウトドア行くことで外の社会化性を身につけ学習することができます。しかし現在ほとんどの犬の飼育環境が室内飼いで散歩すら行く頻度が低くなっています。
社会化性を身につけずに成長すると外の世界に馴染めなかったり、警戒心が異常に強く飼い主以外の人に対して攻撃的になるなど様々な問題行動が出てくるようになり改善することは極めて難しいのが現状です。
そのため外の社会に慣れさせるためにも、子犬のうちから色んなところにアウトドアへ出かけることが今後の性格にも大きく影響をあたえます。
一般的に犬の社会化期は生後4週齢〜生後13週齢の間といわれており、この時期は特に外からの様々な刺激を受けて対応するように身につけて学習する大事な時期です。社会化期から犬をアウトドアへ出かけることでたくさんの人や動物達、外の様々な音や景色、匂いなどの刺激をあたえて外の社会化性を身につけましょう。
犬とアウトドアに出かける前の準備
アウトドア計画の計画を立てる
まず犬をアウトドアへ出かける際はいきなり決めていくのではなく計画を立てておこなうことが大事です。目的の場所やそれまでの移動手段方法(車などや徒歩など)、目的地までの時間や距離など犬の負担をかからないように最小限におさえることが大事です。
例えば長距離の場合は自家用車あれば問題ありませんがレンタカーを借りる際は事前に予約が必要になりますよね。また長時間車に乗っていると犬の中でも酔いやすい子もいますし、飲水やトイレなどさせれるように移動途中に休憩スポットが取りやすいように移動ルートを考えなくてはいけません。
また行楽シーズンや連休などは車の渋滞がおきることも予想されますので、時間や犬の体調に合わせて余裕をもったスケジュールを立てることが大事です。
アウトドアに必要な犬のしつけをおこなう
犬と一緒にアウトドアする場合は飼い主との信頼関係を築き、適切なしつけが出来ている必要があります。しつけが出来ていないと飼い主が犬をコントロールできないので犬とはぐれてしまったり怪我する恐れもあります。また現地に来ていた他の飼い主や犬に対して迷惑をかけてしまうので、しっかりとしつけしてからアウトドアへ出かけましょう。
離す
日常生活でも犬がオモチャを口にくわえたままにし「離して」といっても一向に離そうとしないことがあると思います。しかしアウトドアに外へ出たら気になるものを口に何で入れようとします。くわえるならまだしも拾い食いの習慣を身についてしまい物によっては危険な場合があるため「離せ」というコマンドをしっかり教えることはアウトドアする際に非常に大事です。
呼び
犬の名前を呼び飼い主の元へと戻るしつけもアウトドアに行く際は覚えてもらいたいしつけです。呼び戻す訓練をすることで山登りなどハードなアウトドアでも飼い主とはぐれる心配がなくなります。
犬が飼い主との距離が離れたところにいた場合はその都度、犬の名前を呼んで呼び戻しましょう。また本能的に犬は野生動物を追いかけてしまうことがありますのでどんな状況でも対応できるように日頃から呼び戻しができるようにするとよいです。
おすわり
おすわりは誰もが知っている代表的なコマンドでもありますがアウトドアへ出かける際はこの「おすわり」のコマンドが出来ていると非常に良いです。おすわりは興奮している犬を落ち着かせることができる効果もあります。アウトドアへ出かけると普段体験したことがない刺激をたくさん受けることで犬は興奮しやすくなります。そのため、おすわりさせることで犬を落ち着かせるようにしましょう。
マテ
特に犬と一緒にアウトドアへ連れていくと食事やトイレなど犬を一時的に待ってもらう必要が出てきます。大人しくマテができるように覚えておきましょう。マテのコマンドは日常生活でも重要でもありますので日頃からできるように訓練しておくとよいです。
犬用アウトドアグッズを準備する
排泄物処理用の袋
犬の排泄物の処理は飼い主の当たり前の義務です。そのため必ずトイレ袋は必ずもっておく必要があり、念のため多めにあるとよいでしょう。普通のビニール袋でも構いませんが最近では臭いに配慮した専用のウンチ袋が販売させています。
リード
犬を外へアウトドアする際もリードを繋いでおくことが必要です。リードの中にはロングタイプのリードがありますので犬を繋いだまま思う存分走らせることができます。
係留
一時的に犬を待ってもらうことがアウトドアする際に出てくると思います。リードを何かにくくりつける方法もありますが周りに何もないところでは、どうすることもできませんのでペグを打ち込んで使ったり、安全を考慮してカラビナでリードを止めるグッズもよくアウトドアでは使用されているそうです。
水やフード入れ容器
犬に水や食事をあたえる際に欠かせないグッズです。普段使用している容器でもよいですが最近では持ち運びに便利な折りたたみ式の容器などが販売されています。
タオル
天気予報で晴れでも時には急変で雨が降ってくることがあります。犬が雨に濡れてしまうと体温が下がってしまうためタオルを多めに用意すると安心です。
特に川遊びや海水浴など水辺のアウトドアに行く際はタオルは必須です。吸収性に優れたタオルもありますので被毛の密度が濃いダブルコートをもっているラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバーなどの犬種には使ってあげると非常にいいと思います。
ライフジャケット
アウトドアでも川や海など水辺に行く際は犬用専用のライフジャケットを着用する必要があります。
暑さ・寒さ対策
犬は人のように汗をかいて体温を下げることはできないため気温が高い夏の季節は熱中症にならないように暑さ対策が必要です。体全身でハァハァと息をしている場合は危険な状態なのですぐに体を冷やさないといけません。
首筋や股(脇)のところは太い血管が通っているためそこを重点的に保冷剤をタオルでくるんだものを挟むと効果的です。ですが犬が熱中症や体温の急激な上昇を防ぐために適度な飲水をあたえたり直射日光を避ける、風通しをよくするなど配慮することが大事です。
暑さ対策だけではなく体温が低下した時にでも対処できるように心構えることも必要です。犬種の中には寒さに強いダブルコートの被毛をもっている犬もいますが雨に濡れたりなどで体温が下がってしまうことがあります。犬の低体温症も命に関わってくるため暖かい毛布を用意したり、洋服を着せてあげるなど常に用意しておくと良いです。
犬とアウトドアに行く際の注意点
アウトドア中の事故
リードをしっかり犬と繋がれていなかったり、ノーリード状態にしてしまうと失踪してしまい迷子になることがあります。また十分なしつけをしていないことも犬が飼い主の元に戻ってこないので犬を見失うことにつながります。
不十分なしつけだと拾い食いで食べていけないものを食べてしまい中毒事故をおこしたり、飼い主の指示を無視して川や海で溺れてしまう危険性も出てきます。
ケガ・病気
アウトドアの中には動きが激しく大量がいるものがあります。無計画で立ててしまうと元々もっている病気や怪我を悪化させてしまいますし、無理な動きで足を捻挫したり場合によっては骨折してしまうことさえ可能性があります。
他にも真夏に多くみられる熱中症も場合によっては命に関わってきます。天気の確認も疎かにしてしまうと万が一天候が悪化した際に雨に濡れて低体温症など体調を崩してしまうこともあります。犬自身だけではなく飼い主のコマンドに従わなければ他の人や犬を怪我させてしまうこともあります。
野生動物、寄生虫、毒虫
山登りやハイキングなど山へ行くアウトドアは特に野生動物との接触に注意する必要があります。クマやイノシシなど大型動物もいればマムシやムカデなど毒をもっている危険な生物もいます。
他にも野生動物の排泄物などから回虫などの内部寄生虫に感染することもあったり、ノミやマダニなどの外部寄生虫に感染することがあります。その中には人にうつる感染症もあるので感染させないためにも事前にアウトドアへ行く前に駆虫薬の投与が必ず必要です。
犬とアウトドアに行く時のマナー
犬と一緒にアウトドアへ出かける際は必ずマナーを守って行うようにしましょう。ノーリードにしたり排泄物の処理を怠ったことなど、マナーや注意事項を守らない事が原因で犬連れを禁止した場所が実際に存在しています。
これはアウトドア以外でも普段の日常生活でもいえることですが、犬と共に生活するのならば周囲に迷惑をかけないようにルールやマナーをしっかり守ることです。また山や川など環境自然やそこにいる野生動物にも影響あたえないように配慮することも大事です。
まとめ
犬と一緒に楽しめるアウトドアは山登りやハイキングなどの山に関わるものや、川遊びや海水浴など水辺に関するアウトドアなどとても幅広くあります。中には犬と一緒に参加できるドッグトレイルランニングなどのアウトドアスポーツさえもあったり地域によっては犬ぞりを体験することもできます。
幅広いためアウトドアの中には激しい運動量が必要なものもあるため、それぞれ犬種に合ったアウトドアを選ぶ必要があります。アウトドアは運動不足解消だけではなく認知症予防や社会性を身につけることができるため、可能な範囲から少しずつ色々な場所へ連れて行ってあげましょう。
アウトドアする際は余裕もった計画を立てたり犬に負担がかからないように配慮することを忘れないでください。また当たり前である適切なしつけやマナー、感染症予防対策も怠らずに事前にしておきましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 グーグルぽち
他に犬を連れてきてる人も見かけますが、それぞれのマナーに目が行ってしまいます。
犬が必要なものを用意してきていない人もいれば、炎天下の中犬を繋いでいる人、リードで繋いでるためトイレにいけずその場でしてしまう子など様々です。
たまに喉が渇いているだろうなという犬を見ると可哀そうになって、こちらが水をあげたりしてしまいますが、これらはすべて飼い主がしっかりしないといけない部分だと思います。
わたしは犬用グッズを犬専用のバッグパックに入れて持って行くようにしてます。アウトドアのときは同じバッグなので忘れものもなく、またバッグのサイドポケットにはすぐ使うもの(ビニール袋や水など)を入れることができて便利です。
今では犬用スリーピングバッグやベッド、フードキャリーバッグ、ブーツなど色々な可愛いグッズが出ています。わたしの一押しはアメリカ西海岸発のラフウェア(RUFFWEAR)というブランドです。ここのブランドの商品は災害救助犬の現場でも使われているとのことで、良質の安心感があります。また車で行く飼い主さんには、犬用シートベルトやカバーなどもあります。アウトドアならではの派手な色のグッズは、愛犬がどこにいるのかが一目瞭然でおすすめですよ。
30代 女性 ポチまま
◆アウトドアドッグフェスタin八ヶ岳
2017年9月23・24日
http://www.outdoordog.jp/
女性 二条
我が家で一度経験したことなのですが、愛犬を連れてのキャンプ中、どこかからあらわれた余所のわちゃんが急に唸り、愛犬に飛びかかってきたことがあります。ちょうどキャリーバッグに入れて待機していたところだったので、大事には至りませんでした。
常識を考えればあり得ないのですが、ノーリードにしてしまっているお家もゼロではないので、いざという時のためにあるといいかなと思います。オススメはモンベルのドギー キャリングパックです。