犬の年齢ステージ分類による注意すべき病気や症状

【獣医師監修】犬の年齢ステージ分類による注意すべき病気や症状

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仔犬、成犬、老犬のそれぞれのワンちゃんにとって気をつけるべき病気や症状の紹介をします。意外と気づかずに重症化するケースもありますので、参考にして頂き、早めに対処していただければ幸いです。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ワンちゃんの年齢によるステージ分類について

年齢の違う三匹のブルドッグ

犬種にもよりますので、一つの目安としてお考えください。
パピー期:0〜1歳
成犬期:1歳〜6歳
シニア期:7歳〜

パピー期

こちらを見上げて座る子犬

特にお家に来たばかりのワンちゃんは環境の変化によるストレスが原因で、急に体調を壊すことが多いですし、その他にも安定しない免疫力や、成長期が故に起こりやすい問題が病気の原因となることもあります。

特に気をつけたい症状、問題としては・・・

  • 嘔吐、下痢:寄生虫性、感染性、ストレス性、異物の摂食など
  • 咳:感染性、ストレス性、先天性心疾患など
  • 跛行:外傷性、先天性など
  • 口腔の問題:歯の破折、乳歯遺残など

があげられるでしょう。

嘔吐、下痢

氷嚢を頭に乗せた子犬

昔に比べると随分内部寄生虫は減りましたが、地域によってはまだまだ遭遇する機会が多いと感じます。人に移るものもありますので、注意は必要です。動物病院にできるだけ新鮮な糞便を持っていけば、検査可能です。ただし、1回の糞便検査で寄生虫が発見できる確率は50%とも言われています。そのため、定期的な糞便検査が推奨されています。

また、免疫力なども不安定ですから、ワクチン接種をしていても安心はできません。他のワンちゃんとの接触や屋外での行動には十分気をつけましょう。

環境の変化、気候の変化などによる温度や湿度、気圧の変化などにも体がついていかず、お腹の調子に支障をきたすことがあります。ワンちゃんを中心とした環境にも気を使ってあげてください。
パピー期は何にでも興味を示し、口に入れやすい時期でもあります。異物摂取により、腸閉塞など深刻な状況に陥り、手術が必要になるケースも多々あります。食べられてしまいそうな異物は極力遠ざけてあげてください。

咳も様々な原因で起こります。お家に来て1週間くらいで起こる咳は感染症のケースが多いですし、特に小型犬では元々の気管の構造的な問題によるトラブルも散見されます。稀なケースでは先天性心疾患による咳も見られます。

跛行

やんちゃな子犬の場合、高いところから飛び降りたり、抱っこしていて落としてしまったり、などで足を痛めるケースや、遺伝的な要因などで膝のお皿が外れやすく、跛行の症状が出る子もいます。

口腔の問題

硬いものをかんだり、どこかにぶつけることで歯を折ってしまったり、乳歯が抜けずに歯並びが悪くなってしまったり、歯石が溜まりやすくなってしまうケースもあります。

成犬期

芝生の上に座るゴールデンレトリバー

成犬期というステージの線引きは曖昧です。仔犬期と老犬期の過渡期と考えた方が良いかもしれません。そのため病気も多岐にわたり、子犬期と老犬期に起こる病気や問題は全て起こりえます。少なくとも混合ワクチンや狂犬病ワクチン、フィラリアの予防、ノミ・ダニの対策駆除は可能な限り対応してあげてください。
また、老齢期に起こりやすい生殖器が関与する病気を予防するためにも、できれば若いうち(生後6か月〜)に避妊や去勢をすることをおすすめいたします。

シニア期

ソファーの上でくつろぐ老犬

シニア期になると実に様々な病気が起こる可能性があります。その中でも日常的によく遭遇する代表的な病気は、

1.循環器系疾患僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症 など
2.腫瘍肥満細胞腫、悪性黒色腫、扁平上皮癌、血管肉腫 など
3.内分泌系疾患甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症 など
4.脳神経系疾患脊椎疾患、感覚機能の低下、認知症 など
5.生殖器系疾患(未避妊、未去勢犬) 子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア など
6.呼吸器系疾患気管虚脱、気管気管支炎、肺炎、肺高血圧症 など
7.運動器系疾患変形性関節症、靭帯損傷 など
8.感覚器系疾患視覚、聴覚能力の低下 など

また、特に気にしておきたい症状は、

  • 呼吸数の増加、咳 (特に安静時の呼吸数のチェックは有効)
  • 嘔吐、下痢
  • 食欲の低下
  • 飲水量の増加 (24時間で何cc飲水しているかチェック。ふだんからチェックしておくと良いでしょう。)
  • 活動量の低下
  • 急激な腹囲の増大 (肥満ではなく、不自然にお腹が大きいと感じるなど)
  • 急激な体重の増減
  • 毛質、毛量の変化 (毛質が荒くなる、薄毛、脱毛 など)
  • 行動パターンの変化 (夜泣き、徘徊、昼夜の逆転 など)
  • 運動の不耐性 (運動してもすぐに疲れる、息切れする など)
  • 筋肉量の低下 (特に後肢の筋肉量が減り、立っているとプルプル震える)
  • 歩き方の変化 (跛行はないか、腰は曲がっていないか、尾は挙がっているか など)

以上のような症状にふだんから気をつけておき、動物病院へ早めに受診することにより、上記の病気などの早期発見に繋がり、重症化が防げたり、完治が期待できたりします。

まとめ

上を見上げる様々な種類の犬たち

とりわけパピー期やシニア期のワンちゃんは環境の変化に弱く、ちょっとしたことがストレスになり、心身ともに影響を受けます。ふだんからきめ細かい対応が欠かせません。お家に人間の子供がいるつもりでしっかり管理してあげ、おかしいなと思ったら放っておかずに早めに獣医師に相談してくだい。
年齢のステージに限らずですが、異常な便や嘔吐、尿などがあったら、捨ててしまわずに動物病院に持っていきましょう。気になる症状が出たら、その症状をスマホなどの動画に記録しておき、獣医師に見せてください。百聞は一見にしかずで、非常に参考になることがあります。

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