犬の前十字靭帯断裂とは?原因と主な症状、治療法から予防法まで

【獣医師監修】犬の前十字靭帯断裂とは?原因と主な症状、治療法から予防法まで

前十字靱帯断裂を引き起こすと痛みから歩けなくなるだけでなく、場合によっては手術が必要になることもあります。痛みで歩けない姿を見るのは飼い主としても辛いですし、発症した犬はもっと辛いものです。そこで、今回は前十字靭帯断裂とはどん病気なのか?そしてその原因から症状、治療法、予防法まで詳しく説明していきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の膝の靭帯の一部の損傷 前十字靭帯断裂

犬の膝には前十字靭帯といって、大腿骨と脛骨を繋いでいる靭帯があります。
もともと犬の膝には様々な靭帯が存在しますが、前十字靭帯断裂は、この前十字靭帯が部分的に断裂、もしくは完全に断裂してしまったことを言います。

前十字靭帯は、大腿骨に対して脛骨が前に出ないようにしつつ、同時に内側にねじれないように膝を安定させる役割を持っていますが、前十字靭帯断裂を引き起こすとそれができなくなってしまうので、膝は安定性を失い、脛骨が前に出てしまいます。

犬の前十字靭帯の3つの原因

仰向けで眠る3匹の犬

前十字靱帯断裂が起こる原因は、大きく分けて3つあります。

  • 交通事故などによる急激な力による影響
  • ダッシュや激しいターンなどによる膝への負担
  • 老化による劣化

そして、いずれも膝への負担によって前十字靭帯断裂が起こるため、大型犬や中型犬のように体重が重い犬種は、特になりやすい傾向にありますが、トイプードルやヨークシャテリアなど、もともと膝を患いやすい小型犬にもよく見られます。

犬の前十字靭帯断裂の症状

獣医師に足を診察される犬

犬が前十字靱帯断裂を引き起こすと、次のような症状が見られますが、どれかひとつの場合や複数が起こっている場合などもあります。

  • 痛み
  • 跛行(足を地面に付けることができない引きずる)
  • 膝関節が腫れている
  • 足を伸ばしておすわりをする

先述したように、前十字靭帯断裂は部分断裂と完全断裂とあり、部分断裂と完全断裂都では症状の出方に強弱があります。

例えば、跛行であっても部分断裂だと数日で痛みも引き、足を付いて歩き、普通に過ごせるようになることも多いです。

しかし、完全断裂になるとやはり症状も強くなり、更に進行すると関節炎や関節の変形、半月板損傷なども起こるため、異常を感じたら早めに動物病院を受診してください。

犬の前十字靭帯断裂の治療法

眼鏡をかけた犬と試験管と顕微鏡

犬の前十字靱帯断裂の治療法は、大きく分けて『保存療法』と『外科療法』の2種類があります。

保存療法

関節のサプリメントや、鎮痛剤の内服薬を使って症状を緩和し、今以上にひどくならないよう体重管理と運動の制限・管理も行いながら、生活をするといったものです。

主に部分的な前十字靭帯断裂や、小型犬の場合は保存療法を行うことが多いですが、保存療法でも痛みや症状の緩和が見られないときは、外科療法に切り替えることもあります。

また、保存療法で症状が改善されたとしても、1〜2年以内に、反対側の足の前十字靭帯も断裂する可能性が高いことが分かっています。

外科療法

外科療法は手術のことですが、一口に手術と言っても、前十字靭帯断裂の手術には様々な方法があります。

どのような手術の方法を行うかは、対象となる犬の大きさや体重、膝の状態などによって変わってくるため、獣医師とよく相談し、適した方法を取ることが大切です。

犬の前十字靭帯断裂の予防法

芝生を元気よく走る犬

犬の前十字靭帯断裂は突発的に起こるのではなく、膝へ負担が蓄積され、加齢に伴い前十字靭帯が衰え、最終的に切れてしまうといった慢性的なものがほとんどです。

ですから、予防法としてまず第一に行うべきは、『いかに膝へ負担がかからないようにしてあげるか』というところになるので、次のような予防法をおすすめします。

  • 体重管理による肥満防止
  • 過度な激しい運動は控える
  • フローリングなどで滑らないようにする

このように、食事管理や適度な運動によって、膝の負担を軽減しながら足の筋肉を鍛えますが、ダッシュや飛び跳ねるなど、過度な運動はあまりたくさんしないようにします。

また、日常生活でも膝への負担が起こらないよう、室内犬であればフローリングにマットを敷いたり、定期期に爪や足の裏の毛をカットして滑らないようにしたりする工夫をして、できるだけ膝に負担がかからないようにしてあげてください。

まとめ

ハートのクッションを持った犬

犬の前十字靭帯断裂は、膝への負担がきっかけで起こる疾患です。
そのため、体重のある大型犬や中型犬に起こりやすいですが、もともと膝の疾患を抱えやすい小型犬種も例外ではなく、むしろ大きな犬種と同じくらい起こりやすいと言っても過言ではありません。
しかし、どんな犬種であっても膝へ負担がかかるようなことを続けていれば、確実にダメージが蓄積され、いつか爆発してしまいます。

そうなってしまわないよう、できるだけ膝に負担がいかないように予防し、いつまでも元気に動き回れるようしっかりサポートしてあげましょう。

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