犬の筋ジストロフィーとは?原因や症状、治療法まで

【獣医師監修】犬の筋ジストロフィーとは?原因や症状、治療法まで

犬の筋ジストロフィーをご存じですか?子犬の頃に発症し、死に至る可能性が高い恐ろしい病気です。ここでは、筋ジストロフィーの症状や原因、治療法をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の筋ジストロフィーとは

カーペットに伏せをしているサモエド

骨格筋を形成するのに不可欠な、タンパク質が不足、もしくは欠乏しているため、筋力が低下し筋肉がしっかり働かなくなってしまう遺伝性の病気を、「筋ジストロフィー」といいます。

「常染色体劣性型筋ジストロフィー」や、「ベッカー型筋ジストロフィー」など、様々な種類が存在しますが、犬ではX染色体に原因遺伝子がある「X染色体連鎖型筋ジストロフィー」が多くみられるといわれています。

筋ジストロフィーの症状

床に顔をつけて寝る犬

筋ジストロフィーの症状は下記のようなものが挙げられます。

  • すぐに疲れる
  • 痩せる
  • 食事が遅い
  • よだれが異常に出る
  • 跳ねるような歩き方
  • 筋肉の萎縮
  • 筋肉が震える
  • 舌の肥大

筋ジストロフィーは筋肉の病気なので、運動や歩行能力の著しい低下がみられます。症状が軽度の場合は歩くことができますが、悪化すると体を支えることができず、歩くことができなくなります。

また、咀嚼や嚥下も困難になるため、食事がうまくできなくなります。顔の筋肉も衰えることで無表情になることが多くなります。

さらに、呼吸不全、栄養失調、胃腸の機能低下など、二次的に発生する症状もあります。

舌の肥大や食道などに異常が生じ、症状が進行すると「嚥下困難」や「誤嚥性肺炎」を起こす可能性があります。筋ジストロフィーは遺伝性の疾患なので、発症時期や症状などは個体差もありますが、早いうちから発症し、生後1年以内に命を落とすことも珍しくはないようです。

筋ジストロフィーの原因

青い壁とゴールデンレトリバーの子犬

遺伝性の病気なので、明確な原因はありません。ほとんどの場合はオスに発症がみられますが、X染色体の突然変異により、メスにも発症の可能性があります。

人間においても難病と指定されている筋ジストロフィーですが、犬や猫にも発症がみられ、犬に関してはゴールデン・レトリバーやサモエド、ミニチュア・シュナウザー、ウェルシュ・コーギーなどに多く発症が報告されています。

その中でもゴールデン・レトリバーは好発犬種で、「ゴールデン・レトリバー筋ジストロフィー」という異名を持つほどです。

筋ジストロフィーの治療法

獣医師に診察されている目を閉じた子犬

遺伝的、なおかつ進行性の病気であるため、明確な治療法がなく、完治することは難しい病気です。そのため、症状を和らげたり、進行を抑制したりするなどの生活の質(QOL)を守ることが治療の目的となります。

発症しやすい犬種(ゴールデン・レトリバーやサモエド、ミニチュア・シュナウザー、ウェルシュ・コーギーなど)が、子犬の頃に症状がみられた場合は、筋ジストロフィーを疑い、血液検査や筋生検、筋電図検査などの検査を行います。

筋力の低下により、日常生活もままならない状態であるため、生活環境を整えてあげましょう。できる限りストレスを抑え、無理なく過ごせる環境が理想的です。食事に関しては、飼い主さんの手から流動食を与えます。その際は、飲み込む力も弱くなっていますので、誤嚥性肺炎などには十分に注意しましょう。

まとめ

笑顔の家族と座るゴールデンレトリバー

完治することができない、恐ろしい病気の筋ジストロフィー。好発犬種で、なおかつ子犬のころに少しでも症状がみられた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。早期発見により、症状の進行具合も変化します。

筋ジストロフィーを発症すると、愛犬との残された時間をどう過ごすか、愛犬にどう愛情を注ぐか、が重要になります。少しでも長生きができるよう、できる限りの介護をしてあげましょう。

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