コリーノーズとは犬の皮膚病の1つ
コリーノーズとは、別名を「日光性皮膚炎」とも呼ばれ、主に犬の鼻周辺で起こる日焼けのような皮膚病のことを指します。
コリーノーズはコリーにのみ発症すると思われがちですが、他にシェットランドシープドッグ、ボーダーコリー、シベリアンハスキー、ジャーマンシェパードドッグなども好発犬種(疾患が発生しやすい犬種)だと言われています。
好発犬種の中でも特に寒い国が原産地の犬種は、遺伝的にメラニン色素が少ない傾向にあり、強い日光に長時間当たってしまうと発症しやすくなると言われていますが、詳しい事はまだ分かっていません。
コリーノーズの症状
コリーノーズは主に皮膚が赤くなり、脱毛が見られ、鼻の先や周辺に起こる皮膚病です。進行するとかさぶたや潰瘍になるため、犬が気にしてしまい、舐めることで症状を悪化させ、鼻を崩してしまう可能性もあります。
鼻の周りだけでなく、目や口の周り、更には四肢までにも炎症が広がることもあります。また、ごく稀に進行によっては、扁平上皮がんを併発することもあります。
コリーノーズを発症した時の治療法
コリーノーズは再発が多く、完治は難しいと言われています。治療は主にステロイドを使用する場合が多く、進行状況や症状によっては抗炎症剤や抗生剤も処方されることもあります。
また、炎症が起きている範囲が広く、症状が進行している場合は薬浴も効果的だと考えられています。特に大型犬で四肢までにも炎症が起きている場合、薬浴は薬にかかるコストを下げるメリットもあります。
しかし、扁平上皮がんにまで進行してしまうと、外科手術によって摘出も考えられるので、獣医師と相談しながら治療を進めると良いでしょう。
コリーノーズを予防するための方法
コリーノーズは、犬を紫外線から守ることが一番の予防法です。
- 犬小屋を日陰に移動させる
- 犬の散歩は日が上がる前や日没後にする
- 犬に日焼け止めを塗る
- 犬に帽子を被せる
犬小屋を日陰に移動させる
室外で犬を飼育しているご家庭は、犬小屋を日に当たらない場所へ移動させてあげましょう。犬小屋が大きく、移動が難しい場合は、犬小屋の上にパラソルや日陰になる様に工夫してあげると和らぎます。また、室内で飼育出来るなら、なるべくカーテンや簾で日が当たりにくくしてあげると良いでしょう。
犬の散歩は日が上がる前や日没後にする
犬の散歩は、なるべく日が当たらない時間帯にしてあげることも、コリーノーズの予防になります。
特に夏などの暑い季節は、日中に散歩をすると肉球が火傷してしまう可能性や、地面からの反射熱で熱中症にかかりやすくなることも考えられます。
人によっては変更が難しいかもしれませんが、散歩の時間帯の調整はコリーノーズ以外に夏に起こりやすい病気も予防することができます。
犬に日焼け止めを塗る
人間も日焼け止めを塗るように、犬にも専用の日焼け止めがあります。ペットショップや病院で相談すると、犬に合った日焼け止めを紹介してくれることがあります。
しかし、既にコリーノーズが進行している場合や敏感肌の犬には使えないこともありますので、日焼け止めの成分や愛犬の様子を見て使用するようにしましょう。
犬に帽子を被せる
最近では犬用の帽子も販売しており、オシャレな帽子や耳が出るタイプなど、いろんな種類の帽子が見られます。犬が散歩やドッグランで遊ぶ場合、日陰で静かにしていることは難しく、ついはしゃいでしまいます。
そんな時に帽子を被せてあげると、日がある所でも日が和らぎます。犬が帽子を嫌がったり、気にしたりするとすぐに取ってしまいますので、徐々に慣らして帽子が嫌な物ではないことを教えてあげましょう。
まとめ
好発犬種のみならず、紫外線は皮膚トラブルの原因になります。特に暑い季節は、家族揃っての旅行、海や山などお出かけの計画を立て始める時期ですが、人間と同様、犬にも紫外線ケアも考えてあげて下さい。
また、犬とコミュニケーションを取る時にも皮膚に炎症はないか、異常はないかなどのボディチェックもしてあげることもコリーノーズの予防に繋がりますので、外で遊んだ日以外にもしっかりとチェックしてあげて下さい。
ユーザーのコメント
女性 さち
昔からラフコリーが好きで、いつかは一緒に暮らしてみたいと憧れています。
コリー系の犬種は、他にも特有の病気があるので、コリー系の犬を家族としてお迎えする際には、しっかりとした知識を身につけてからでないといけないなと改めて思いました。
そして、コリーノーズから扁平上皮がんに進行することがあるとは知りませんでした。
扁平上皮がんは悪性のがんで、とても怖いです。
日頃から、愛犬の健康管理に気をつけ、異変に早く気づき、対処することが大きな病気を防ぐことにつながるのだな〜と改めて思いました。