老犬の基礎知識
老犬期になると、様々な不調や障害・病気が現れます。それに対処するためには介護や環境の改善、病気や障害との向き合い方を考える必要があります。
まずは老犬期がどのような時期なのか、どのような対処方法が必要なんか見極める、しっかりと対処できるように基礎を学ぶ事からはじめしょう。
老犬(シニア期)は何歳から?
老犬と呼ばれるようになる年齢はおおよそ「7〜8歳」と言われています。
なお、犬種やタイプによっても年齢の幅が変わってきます。人間の60歳を高齢期と考えると、小型犬は9~11歳、中型犬は8~10歳、大型犬は7~8歳が老犬と考えて良いでしょう。
老犬になるとおこる変化
老犬になると、下記のような変化が見られます。
- よく寝るようになる
- 食に対する変化がおこる
- 運動や散歩を嫌がるようになる
- 老犬特有の問題行動が見られる(吠える、徘徊、物にぶつかる…など)
- 体の見た目の変調
例え元気だとしても、病気や介護を近い将来にの視野に入れるべき大事な時と言えるでしょう。
老犬になったら何をすべき?
- 定期健診を受ける
- 食事を改善する
- 生活環境を改善する
- 日常生活を続けられるように工夫する
その他にも、成犬時からの変化などに注意して観察しながら、どんな部分で補助や介助が必要なのか見定めてあげる事が重要です。
老犬の介護方法
老犬期は「介護」について考える時期でもあります。老犬の介護には、いくつかポイントがあります。
老犬の介護がどのようなものなのかを飼い主さんが知っておく必要があります。老犬の介護についての知識や情報を持った上で、前向きに老犬との時間を過ごせるようにしてください。
食事の介護
老犬になると、食事を思うように食べられなくなることがあります。老犬は、味覚や嗅覚が衰えるため、食事を美味しく感じにくくなります。そのため、香りの良い食材を食事に混ぜるなどの工夫をすると、食いつきが良くなることがあるようです。
また寝たきりの老犬の場合は、食事の介助が必要になります。
トイレの介護
老犬になると排泄が思うようにできなくなるため、飼い主さんの介護が必要になります。最初は飼い主さんも慣れていないため、老犬の排泄物で服などを汚してしまうこともあるかもしれません。そのため、自宅で洗濯できる汚れてもよい服で介護をした方が良いでしょう。
また、脚力が落ちてトイレに辿りつく前に排泄してしまう場合は、フローリングにマットを敷くなどして老犬が歩きやすい環境を作りましょう。
その他の介護
体の不調・衰えなどを補助もポイントの1つです。
予防としての「散歩」は、ストレス発散になるだけではなく、体力を維持するためにも有効です。足の力が弱くなった老犬は、寝たきりになることも多く、その場合は介護が必要になります。
また、老化や病気により目や耳が悪くなる場合もあります。その場合は補助する道具や、障害に適した生活環境を整える事も視野にいれましょう。
老化が進むと、寝たきりになる場合もあります。寝たきりは短い時間であっても「床ずれ」を起こす場合があるので注意が必要です。長時間体の同じ部分がベッドや床などで圧迫されないように注意しましょう。
また、認知症になる犬もでてきます。認知症になると夜鳴きをし始めることもあるかもしれませんが、他に原因がある可能性もあるのため適切な対処をしましょう。徘徊や昼夜逆転など生活リズムを崩すような症状もでてくる場合があるため、適切な対策をおこなうようにしましょう。
犬の介護用品を活用しよう
早いうちに介助用のハーネスや胴着を利用して、歩行を補助しつつのお散歩の継続をお勧めします。
自力で歩くことができても、行きはよくても帰りは歩けなくなってしまう、なんて事はよくあることです。犬用カートなどを利用するのもおすすめです。
その他にも、
- 老犬用の食器スタンド
- 床ずれ防止用のマット
- シニア介護用の洋服
- おむつ
など、老犬の状態に合わせて必要な道具を揃えましょう。
老犬の問題行動
老犬になると、下記のような問題行動を起こす場合があります。
- ご飯を食べない
- 徘徊
- 夜泣き
- 食糞
問題ごとに原因は変わるため、対策や予防方法も多岐にわたりますが、何らかのが対応が必要になってきます。
原因を探り、適した対処を行いましょう。
老犬の病気
注意すべき病気は?
- 目の病気(白内障、緑内障、角膜炎)
- 臓器の病気(心臓病、腎臓病など)
- 関節の病気
- 痴呆症
- 歯周病
- 腫瘍(ガンなど)
- ホルモンの病気
上記以外にも、様々な病気のリスクが増えて来る時期でもあります。小さな変化も見逃さないようにしましょう。
注意すべき症状は?
- 読んでも反応しない
- 睡眠時間が増加した
- 食事、水分を取る量が減る
- 口のニオイがクサくなった
- 痙攣を起こす
- 体温が低下する
体の衰えはもちろん、様々な病気や末期症状の場合もあるため、小さなサインも見逃さない用にしましょう。
まとめ
犬は人間よりはるかに短い寿命を持った生き物です。その短い人生を楽しんで一緒に生活させる事が飼い主の努めではないでしょうか。
老犬の体調管理はもちろん、介護はは飼い主さんしかできません。老犬に対する考えと知識をしっかりと身につけておきましょう。