アメリカで実施された車中の犬の安全アンケート
先日アメリカにおいて、自動車メーカーのボルボUSA社が「犬と車を愛する人々」というテーマでアンケート調査を実施しました。
自動車がなくては生活ができない地域が大半で、犬の飼育率も高いアメリカですが、アンケート調査の結果は残念ながら多くの飼い主が車中での愛犬の安全を確保するために必要な対策を取っていないことが明らかになりました。
日本でも参考になること、考えさせられることが多いこの結果をご紹介いたします。
犬は大切な家族、では彼らの安全対策は?
日本の多くの愛犬家と同じように、アメリカでも犬を家族の一員と考えたり、自分たちの子供と同じ存在と考える人がたくさんいます。
今回のボルボUSA社のアンケートでも94%の人が「犬を守らなくてはいけない、または守っていると感じている」と答えています。
けれども「車の中での犬の安全対策を十分に行っている」という項目で、はっきりとイエスと答えることができた人々は20%にも満たないものでした。
具体的な数字は次のようなものでした。
- 人間用のシートベルトを犬に装着している…23%
- 犬のための安全対策グッズを所有していない…48%
- 犬を助手席に座らせている…41%
かなり多くの人が危険な状態で犬を車に乗せていることが読み取れます。
安全対策をしているという人の数字は次のようなものでした。
- クレートまたは犬用のシートベルトを利用している…28%
- ビルトインタイプの犬用ゲートなど車に犬対策が内蔵されている…5%
自動車を利用して犬との旅行を楽しむ人は多いですが、今回の調査では24%の人が「車の安全対策に不安があるので、旅行に犬は連れて行かない」と回答しています。
どうして車中の犬の安全対策がおろそかなのか?
上記のように、車中の犬の安全対策が十分と言える人は本当に少ないことがわかりました。
この問題の一部には、自動車メーカーの広告のイメージが影響しているかもしれないと考えられています。
実際、コマーシャルや広告写真などで犬が車の窓から顔を出していたり、助手席で安全対策をしないままの犬が座っている姿はたくさん目にしますね。
また、犬の飼い主の中には「車中での犬の安全対策が必要であるということを知らない」または「安全対策が必要とは思っていてもどうすればいいのかわからない」という人もいます。
アンケート調査に参加した飼い主の71%は「犬の安全対策が組み込まれた自動車の販売を望む」と答えています。
日本の場合はどうだろう?
今回紹介したアンケート調査を実施した会社は北欧の自動車メーカーで、場所はアメリカであることを考えると、日本とは事情が違うことも考えられます。
北欧も含めてヨーロッパではSUVやワゴン車に犬用のゲートを設置する人も多く、自動車メーカーも自社自動車用の犬用安全対策製品を多く販売しています。
日本の場合は、コンパクトカーや軽自動車が多いこと、飼育されているのも小型犬が多いことから、車に犬用のゲートを設置するのは現実的でない場合が多いですね。
一番確実なのはクレートを車内に固定しておくことですが、スペースの都合などで無理な場合は安全テストをクリアした犬用シートベルトが次善策ですね。
ドライブボックスは犬の快適性は高めますが、安全対策にはなりませんのでご注意ください。
まとめ
アメリカで実施された、自動車の中での愛犬の安全対策に関するアンケート調査の結果をご紹介しました。
万が一の事故が起きた時のための対策はもちろんですが、犬が運転中の自動車の中で自由に動き回ることは事故を誘発することにもつながります。
自動車に乗っている人間と犬のことだけでなく、自分が運転する車の周囲の交通安全のためにも愛犬の車内安全はしっかりと対策したいものですね。