ペットシッターとは?
ペットシッターとは、飼い主の代わりにペットのお世話をしてくれるサービスのことです。ペット全般のことを深く学んでいるシッティング(お世話)のプロたちがシッターサービスを展開しており、中には民間のペットシッター士や愛犬飼育管理士の資格を所有している人もいます。
ペットシッターは定期的な利用だけではなく、急な外出や仕事で家を留守にするとき、飼い主が病気で愛犬のお世話ができないときなど、突発的な利用も可能です。
飼い主の自宅でシッティングしてくれるので、愛犬を預け先に連れて行く手間が省けます。散歩だけなどの短時間の依頼から、出張中や旅行中などの数日間のシッティングまで対応してくれます。
ペットシッターは交通費などシッターの移動費用が加算されることから、ペットホテルに比べて料金が割高になることがあります。ペットシッターを1日に複数回依頼するよりは、ペットホテルを1泊2日で利用する方がお得という考え方もあります。しかし、1日1回の利用ならば、宿泊を伴わない分ペットシッターの方が費用を抑えられるでしょう。
ペットシッターの料金
基本コース
種類 | 基本料金 | 1匹追加 |
---|---|---|
大型犬 | 3,000~4,000円 | 2,000~2,500円 |
中型犬 | 3,000~3,500円 | 1,500~2,000円 |
小型犬 | 2,500~3,000円 | 1,000~1,500円 |
ペットシッターの料金プランとしては、1時間コースを基本としていることが多いようです。その後15分毎や30分毎の延長も可能で、延長料金は15分800円~、30分1,000円~が相場となっています。多頭飼育をしている場合は頭数の追加も可能です。ただし大型犬の場合は、頭数制限をしていることもあるため事前に確認しましょう。
散歩代行コースなどの短時間コースを設定している場合もあります。例えば飼い主がケガをしてしまい、ご飯はあげられるけど散歩には行けないというようなときに利用すると便利ですね。短時間コースは、シッティング内容も簡略化されているため、料金もお得に設定されています。
定期プラン
ペットシッターを定期的に利用したい方のために、定期プランが設定されている事業者も多いようです。基本コースと同じ時間、同じシッティング内容ですが、利用頻度によって割引率が異なり、基本コースの料金から5~20%割引された料金設定となっています。
月に何度もペットシッターを利用したい方向けに、月額コースや月50時間までの使い放題プランなどを設定しているところもあります。仕事で帰りが遅い飼い主が、夕方の散歩とご飯をお願いしたいなど、留守にしがちな飼い主が利用しやすくなっており、毎月ではなく一定期間のみ依頼することもできるそうです。
その他かかる料金
ペットシッターを利用するに当たり、基本的には初回登録料が必要となります。登録するペットの種類や頭数に関係なく、一律1,000~2,000円が相場のようです。初回登録料は主に、ペットカルテ作成料に充当します。
ペットシッターの移動にかかる費用も飼い主の負担となります。交通費の考え方は店舗によって異なりますが、公共交通機関利用時は往復分の実費を請求されることが多いようです。また交通手段が自動車の場合、移動距離によって請求額が異なります。
さらに、店舗によっては夜間・早朝割増料金を設定しているところもあります。年末年始や大型連休中、夏季などを繁忙期としている店舗は、この期間も料金が通常時より高めです。
ほとんどのペットシッターは2~3日前からキャンセル料がかかりますので、予定を変更する場合は早めに連絡するようにしましょう。
ペットシッターの選び方
紹介や口コミ
ペットシッターを選ぶ方法として、知人の紹介や口コミなどがあります。知人の紹介の場合、シッティング内容や利用してみた率直な感想が聞けるため、愛犬を預ける上で参考になることも多いでしょう。実際にかかった料金や地域の相場も知ることができます。
ホームページやSNSを持っているペットシッターは、利用者の口コミを掲載している場合があります。料金がわかりやすく設定されているかも重要なポイントのため、料金表が明瞭に提示されているところを選ぶとよいでしょう。
動物病院でペットシッターを紹介している場合もありますので、利用を検討している人はかかりつけの動物病院で聞いてみても良いでしょう。
保険加入の有無
ペットシッターが賠償責任保険に加入しているかどうかも選ぶポイントの一つです。プロのペットシッターは愛犬のお世話をするに当たり、細心の注意を払っているはずですが、万が一のことも考えられます。
保険に加入しておけば、よその犬とのトラブルや、シッティング中に誤って家具を壊したという時にも適用されるので、飼い主が賠償や支払いなどをする必要もありません。愛犬を預けるための飼い主側の安心材料として捉えると良いでしょう。
動物取扱業者標識の表示の有無
ペットシッター業者は動物取扱業の登録が義務付けられています。登録した証として「動物取扱業者標識」または「登録証」がありますが、これらには掲示義務があります。ホームページ上で動物取扱業の掲示がされているかきちんと確認しましょう。
この他にも、契約前にお試し散歩をしてもらってからペットシッターを選ぶ方法もあります。愛犬とペットシッターの相性を確認でき、飼い主も信頼できる相手かどうかの判断材料となります。初対面の人が家にあがることに不安を感じる人や、人見知りな性格をしている犬にはオススメです。
辻本由香子
ご旅行が趣味の方やお仕事でお忙しい方にとって嬉しいペットシッターサービスですが、サービスの従事者は単なる留守番をするわけではなく、総合的なペットの専門家です。
そのため、しっかりと動物取扱業の『保管』に該当しているのはもちろんですが、中には基本的なしつけトレーニングなども請け負っている場合もあるため、お試しの際の判断材料にしてみてはいかがでしょうか。
ペットシッターを依頼する方法
さまざまな情報を得て条件に合うペットシッターが見つかったら、シッティングを依頼しましょう。どのように依頼すればよいか、一般的な流れをご紹介します。
予約
実際に愛犬のお世話をお願いするペットシッターが決まったら、電話やメール、ホームページ上などから予約を行います。シッティングをお願いする日時、頭数、シッティング内容なども決めておくとスムーズです。料金設定についての疑問があれば、この時に問い合わせておきます。
事前打ち合わせ
シッティング当日より前に、事前打ち合わせを行うことが一般的です。飼い主のペットシッターとの顔合わせと、愛犬の普段の様子などを知るためにカウンセリングを行います。
打ち合わせの際に契約まで進む場合が多く、料金も前払いするケースがほとんどのようです。保険加入などの説明をうけ、トラブルが起きた際の保証についても必ず確認し、個人のペットシッターであってもきちんと契約書を交わしましょう。契約書がないやりとりは、トラブルの元になりかねないので注意してください。
打ち合わせ後からシッティングサービスの利用当日までに、合鍵の受け渡しを行います。利用当日、飼い主が在宅している場合は当日の受け渡しになりますが、不在時に訪問してもらう際は、事前に受け渡す必要があります。
合鍵の返却
ペットシッターの利用が終わったあとは、飼い主が指定した日に、合鍵を返却してもらいます。セキュリティ面の配慮から、合鍵の受け渡しは手渡しが基本です。
ペットシッターを利用するメリット、デメリット
メリット
ペットシッターは、自宅で愛犬のお世話をしてくれることが一番のメリットといえるでしょう。移動や送迎の手間がないため、飼い主の負担が少なくすみます。愛犬もペットホテルに預けられるよりもリラックスした状態でいられ、ストレスも軽減できるでしょう。他のペットから感染症がうつるリスクもありません。
昼夜問わずシッティングが可能なため、自身の都合に合わせて依頼ができるというメリットもあります。割増料金はかかるものの、臨機応変に対応してもらえるのが魅力です。
動物看護師の資格を全てのペットシッターが保有しているケアペッツという会社もあります。愛犬の突発的な病気への対応や看護が必要な犬にも対応してくれるため、持病があり預け先を見つけるのが困難な人は、利用を検討してみてもよいでしょう。
デメリット
ペットシッターは自宅に訪問してお世話してもらうため、防犯面などの問題が考えられます。合鍵を預けることや飼い主の留守中の訪問ということで心配になる人もいるでしょう。事前打ち合わせやお試し散歩などで、ペットシッターの顔を見て信頼できるかどうか判断することが大切です。
この他カメラを設置し、シッティング中の様子を写真や動画で見られるサービスもあるようなので、確認してみてください。
地方のペットシッターは、都市部に比べて料金が割高であるデメリットもあります。ペットシッターSOSやケアペッツなど全国展開している店舗もあるようですが、地方では個人経営のペットシッターが多いことが理由として挙げられるでしょう。
辻本由香子
ペットシッターの相場は大体一回のサービスを約1時間受けるとして、ペットの大きさにもよりますが、通常3,000円~5,000円程度が一般的です。
年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇は、ペットシッターの繁忙期ですので割増料金が掛かる場合があることや、キャンセル料に関しても前日や当日で変わってくる場合がありますので、そういった点にも着目して選んでみるのも良いかもしれません。
まとめ
ペットシッターが都市部を中心に需要が高まっている理由としては、一人暮らしでもペットを飼育する人が増えたことや、近所付き合いの希薄さに伴いペットを預けられる人がいないことなどが挙げられます。
特に一人暮らし世帯での犬の飼育は、いざというときに頼れる人がいると安心です。まずは信頼できるペットシッターを見つけることから始めてみてください。
普段ペットホテルを利用している人もペットシッターも視野に入れ、より愛犬に合った預け先を持っておくと便利です。料金面も重要ですが、それぞれのメリット、デメリットもきちんと理解し、愛犬の性格や特徴なども考慮して選んであげましょう。