犬と車中泊はできる?
愛犬と車中泊で旅を楽しむ飼い主さんが増えているように、犬と車中泊は可能です。ここ近年、愛犬と一緒に宿泊できるホテルも増え、旅行もしやすくなりました。
でも、ホテルによっては決められた場所でしか同伴できなかったり、食事の際はお部屋でお留守番...なんてことも。
希望する旅先に犬と同伴できるホテルがなければ、旅行を諦めるかペットホテルに預けることとなり、愛犬が気になって心の底から楽しむことはできませんね。
そこで注目されているのが、愛犬と車中泊による旅行です。自由に好きな場所に行けることや、好きな時間に食事ができたり、知らない人や犬とすごすわけではないので愛犬の緊張度も和らぎます。
もちろん、その犬の性格や体の大きさを考え、車の中でも快適に過ごすことができるかどうかを考えてあげることが一番重要なことですし、人気のない場所での車中泊は安全面に不安も残ります。
しかし、ポイントを押さえておけば、愛犬と車中泊の旅を楽しむことができるでしょう。
犬と車中泊する際のポイント
車中の環境を整える
ずっと車内で過ごすのですから、どうせならホテルのような快適さを求めたいですね。特に愛犬と一緒なら、尚更気をつかってあげる必要があります。
人間の感覚で暑さ、寒さの調整を行ってしまうと、犬にとっては不快となることも。
車中は狭く閉鎖された空間なので、犬の逃げ場がありませんね。愛犬を第一に考えた暑さ対策、寒さ対策が必要となります。また、ずっと窓を閉めきってしまうのもNG。
新鮮な空気が取り込めるように窓を少しだけ開けておくか、定期的に換気をして空気の入れ替えをしてあげることも忘れてはいけません。
そして、自分の寝心地も考える必要があります。車によっては、座席をフラットにすることができたり、広い空間を確保することもできますが、足を伸ばすことができない車種では、寝心地が悪いこともあるでしょう。
どう寝るかを考え、場合によってはマットレスを敷くなどの対策が必要です。
いつも愛犬と一緒に寝ている方であれば、愛犬が一緒に寝るスペースがあるか、どうやって寝せるかなども考えなければいけませんね。自分と愛犬が車内でいかに快適にすごせるか考え、車中の環境を整えましょう。
安全面に配慮する
犬はいつもと違う環境におかれ、少なからずとも緊張・興奮しています。何かのはずみで愛犬が車から飛び出して怪我をすることもあれば、車にひかれてしまうといった悲しい事故にもなりかねません。
また、そのまま迷子になってしまったら心配ですね。
車内で愛犬と過ごすときはドアをロックすることや、同行している人が車から離れるときは突然ドアを開けられても飛び出さないように、クレートに入れたり、ハーネスをつけて愛犬の安全を守ってあげましょう。
また、やむを得ず車内で愛犬をお留守番させなければいけない場合、飛び出し防止対策のほか、熱中症対策をしっかり行うことが大切です。
車のエアコンをつけっぱなしにしたり、扇風機などで風を送ってあげる、日光を遮るシートを窓に付けるなど、愛犬が熱中症にならないようにしてあげましょう。
10分くらい...と思っても、エンジンを切った車内の温度はあっという間に上昇し、熱中症になってしまうことも多々あります。夏場に限らず、一年を通して陽射しの良い日は十分に注意してくださいね。
トイレについて
車中泊や移動中では、愛犬のトイレの問題も出てきます。サービスエリアや道の駅によっては犬用トイレがあったりしますが、すべての場所にあるわけではありませんね。
クレートの中にトイレシートを敷いて、そこで排泄してくれるならいいですが、すべての犬がそこでトイレをするかと言えば、しない犬もいるでしょう。
移動中に渋滞にはまって、長時間車から降りられないということもあることを考えると、マナーパンツやマナーパッドを着用することも考えたほうが良いかもしれません。
また、車中泊する場所は、不特定多数の人が利用する場所でもあります。愛犬の排泄マナーには十分に気をつけましょう。
車中泊する場所
車中泊する場所は、どこでもいいわけではありません。場所によっては車中泊が禁止の場所もあります。だからと言って、人気のない場所は事件に巻き込まれてしまう恐れもあり、安全面での心配があります。
高速道路のサービスエリアや道の駅を利用すれば人気も多く、トイレや食事の心配もありませんね。場所によっては、温泉施設があったり、コインシャワーやお風呂がある場所もあり、とても便利です。
最近では車中泊を応援するために、「より安全・安心・快適なくるま旅」ができる場所として、全国に車中泊施設『RVパーク』も続々とオープンしています。
有料ではありますが、道の駅や日帰り温泉施設などの駐車場の一部を開放して、車中泊のためのスペースにしています。
ゴミ処理や電源、水道、トイレ、入浴施設などのサービスが受けられることもあるため、RVパークを利用する際は事前にチェックすることをおすすめします。
休憩、気分転換はこまめにとる
長時間の車での移動や車中泊では、休憩や気分転換をこまめにとるようにしましょう。犬とのドライブでは1~2時間に1度の休憩が推奨されています。
移動中の休憩では、愛犬のトイレや水分補給、気分転換のお散歩に連れ出してあげることがドライブによる犬のストレスの軽減になります。
車中泊では、寝る前のお散歩や起きたあとのお散歩など、車から出して気分転換をさせてあげるといいでしょう。
犬にとって車での移動や慣れない場所での睡眠をとることは、いつもと違うという緊張が少なからずともあり、疲れるものです。
また、ぐっすり眠っているようであれば、無理に起こしてお散歩やトイレをさせる必要はありません。犬によっては休憩のたびにお散歩はかえって疲れさせてしまうこともあるため、休憩で車を止めたときに愛犬の様子を見て判断してあげましょう。
緊急時に備える
車中泊に限らず言えることですが、いつ何が起こるかわからない緊急事態に備えておきましょう。大雨で避難勧告がだされたり、旅の間に地震が起きることもあります。
そういった自然災害だけでなく、愛犬の具合が悪くなることも考えられますね。
自分の居場所から一番近い避難所や、愛犬に何かあったときにすぐに駆け込める動物病院など、もしも...を考えて調べておくと安心ですね。
ゴミ対策をする
どんなときでも、ゴミは必ず出てきます。食べものや飲みもの、生活用品、愛犬の排泄物など、自宅であればゴミを捨てるのに困ることはありませんが、車中泊ではゴミ捨て場を探すのも一苦労。
サービスエリアや道の駅、コンビニなどであればゴミ箱が設置されていますし、場所によってはペットの排泄物専用のゴミ箱もありますが、ゴミ箱のない場所での車中泊ではゴミを持ち帰らなければなりません。こまめにゴミを捨てたり、ゴミが少なくなる工夫をしましょう。
また、意外にも臭うのが袋に入れた愛犬のうんち。車内といった狭い空間では、例え1回分のうんちであっても臭いが充満してしまい、人間も犬も不快感に襲われます。
防臭効果のあるマナーポーチもたくさん販売されているので、臭い漏れがないようなマナーポーチを持って行くといいですよ!
犬と車中泊する時の持ち物やおすすめグッズ
<持ち物>
- 車用カーテンサンシェード
- マットレス体に掛けるもの(もしくは寝袋)
- 枕
- 着替え
- 洗面用具一式
- お風呂セット
- サンダル
- タオル(人間用と犬用で大小用意)
- 水
- ライト(ランタンと手持ちタイプのライト)
- トイレットペーパー
- リードハーネス
- 迷子札鑑札
- 狂犬病ワクチン混合ワクチン証明書
- ケージやクレート
- トイレシート
- フード(1食分ずつ小分けにしておくと便利)
- フードボウルと水ボウル
- お散歩グッズ
- ゴミ袋(ウンチ袋トイレシート処分用のレジ袋など)
- おやつ
- いつも飲んでいる薬
- 救急セット(包帯ガーゼ消毒液など)
- おもちゃ
- 愛犬のニオイが付いている毛布
- 犬服
- ブラシ
<夏に必要なもの>
- うちわ
- 虫除けスプレー
- ポータブルの扇風機
- 犬用ひんやりマット犬用冷却ジェルシートなど
- 車用の網戸
<冬に必要なもの>
- 犬用湯たんぽ
- カイロ
車中泊する際に必要な持ちものをざっと挙げてみました。他にも愛犬に必要なものがあれば、準備してあげるといいでしょう。ここでは、愛犬との車中泊におすすめのグッズをご紹介しますので、参考にしてくださいね。
Rebalo マグネットUVカットカーテン
車中泊に車用カーテンは必需品です。目隠しがなければ中が丸見えで、落ち着きませんね。また、安全面を考えた場所での車中泊となると、夜でも街灯で明るいところが多いです。
自分は我慢することができても、犬にとっては明るいことで落ち着かず、眠れないということも。
マグネットで着脱簡単な車用カーテンがあれば、サンシェード代わりに陽射し対策にも使用できます。ほかにも遮熱や防寒、防音といった効果のある車用カーテンも販売されているので、目的に合わせて選ぶといいでしょう。
Yixintech 後部座席エアーマット
愛犬とのドライブで、前列部と後部座席の間の隙間に悩まされている方も多いのではないでしょうか。愛犬にシートベルトをしたり、ドライブベッドを使用したりして、安全対策を行っていても、この隙間はクセものです。
こういった後部座席の隙間を埋めてくれるマットレスは、とても便利です。車中泊でマットレスを敷いても隙間にストレスを感じることもなければ、そのまま移動にも使用できて愛犬の安全も保たれます。
普段はコンパクトにたたんで収納でき、使用するときは付属の電動ポンプで2~3分で膨らんでくれるため、簡単ですね。
COLEMAN クアッドマルチパネルランタン
車中泊では、ランタンも必需品。車の車内灯を利用するのもいいですが、エンジンを切っているときに車内灯を使用したら車のバッテリーがあがって動かない、なんてことにも。
ランタンには様々な種類がありますが、マルチパネルランタンは4つの発光パネルがついているため、それぞれ取り外して使用できるという優れモノです。
乾電池8本を使用しますが、連続使用時間は20~400時間(明るさによって異なる)と抜群に良いのもおすすめする理由の1つです。
発光パネルには持ち手が付いていますが、背面にマグネットも付いているので、車につけて使用することも。1台で4つのライトとしてもしようできるため、愛犬のお散歩用のライトを用意する必要もありませんね。
Gugusure 車載充電器
車中泊に忘れてはいけないのが充電器です。シガーソケットに挿す充電器はたくさんありますが、できるだけUSBポートが2つ以上あるものがおすすめです。ACコンセントも付いていれば、なお便利であることは間違いありません。
スマホ、タブレット、DVDプレーヤー、小型テレビ、ポータブル扇風機など、充電するものは複数あります。
RVパークの一部には発電機や電源サービスなどもありますが、車内で充電することが多いことを考えれば、車載充電器を用意しておくことをおすすめします。
ドンパック・プラス
愛犬のうんちについて上記でも触れましたが、意外と臭うものです。しっかり袋の口を縛っても、どこからともなく臭ってきませんか?
車内に置いておきたくないという方もいるでしょう。そこでおすすめなのがドンパック・プラスです。
ドンパックに袋に入れた愛犬のうんちを入れて、車のボディに張り付けるだけ。強力なマグネットなので、走行していても外れてしまうようなことはありません。
ドンパックを2つ合わせれば、マナーポーチにもなります。レギュラーサイズのドンパックと大容量サイズのドンパック・プラスがあるので、愛犬のうんちの量に合わせて選ぶといいでしょう。
リッチェル たためる3WAYペットケージ
車中泊では、折りたたみのできるクレートやケージが便利です。たためる3WAYペットケージは、ドライブケージ、簡易ケージ、キャリーと3通りの使い方ができます。吸水器も取り付けられるようになっているため、愛犬が自由にお水を飲むことができますね。
使用しないときはたたんで隙間に収納することができ、布製なので重量も2.7kgと軽めです。
サイズ展開は5kg以下、8kg以下、15kg以下となっており、この商品は中型犬までになってはしまいますが、大型犬でも使用できる折りたたみのソフトクレートもたくさん販売されていますよ!
ポータブルトイレトレー
犬によっては、トイレトレーやトイレシートの上でなければトイレができない!なんてこともありますね。だからと言って、家で使用しているトイレトレーを持っていくのは大変です。車の中に置いておくには、スペースの問題も。
ポータブルトイレトレーなら、トイレシートをセットした状態でたたんでおけて、使用するときは広げるだけです。持ち運びができるため、車内泊だけでなく旅行やお出かけ、防災時などにも使用できます。
犬と車中泊する時は事前準備をしっかりと!
今回は、犬と車中泊をするときのポイントや持ち物などをご紹介しました。車中泊は愛犬と好きな場所に行けて、自由に行動できるというメリットがあります。
もちろん人間にとってトイレやお風呂といった不便さはありますが、愛犬と一緒に旅を楽しめるということは素敵なことではないでしょうか。
実際、愛犬と車中泊した飼い主さんは、車中泊に夢中になってしまうほど。SNSでは、たくさんの方が愛犬との車中泊を楽しんでいる姿を目にすることができます。
愛犬と一緒に旅行を考えている方は、車中泊にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ただし、いきなり遠出をしたり、連泊するのは犬に与えるストレスが予測できません。愛犬が体調を崩してしまっては元も子もありませんね。
最初は事前準備として近場での車中泊で練習し、愛犬の様子をよく観察してあげましょう。