犬とのツーリング!ペットをバイクに乗せる方法や違反について

犬とのツーリング!ペットをバイクに乗せる方法や違反について

バイクは気軽に移動できてツーリングも楽しめますが、犬を一緒に乗せることができるのでしょうか。今回は、愛犬とバイク旅を楽しむために、犬をバイクに乗せる際に必ず確認してほしいポイントを紹介します。

バイクに犬を乗せるのは法律違反?

犬とツーリングをしてるイラスト

バイクでツーリングやキャンプへ出かけるのが趣味という方も多いでしょう。バイクは小回りが利いて便利ですし、美しい景色を眺めながら楽しむバイク旅行は最高ですよね。

そして原付バイクならちょっとした移動が手軽にできて便利な上に、維持費も自動車に比べて安く、経済的な負担が少ないのもバイクのメリットだと思います。

犬を飼っている方の中にも、自動車はないけどバイクは持っているという飼い主さんも多くいらっしゃると思いますが、「愛犬を連れてバイクで一緒にお出かけしたい」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。

大型バイクなら2人乗りが可能ですが、人ではなく犬を乗せてツーリングしたりちょっとしたお出かけに乗せたりすることは可能なのか、疑問に思いますよね。

そんな疑問にお答えすべく「法律的に、バイクに犬を乗せる行為は問題はないのか」「法律上、犬はどのような扱いになるのか」について徹底解説します。

この記事を読めばバイクに犬を乗せて一緒に走ることができるのか、すぐに分かるようになりますので一緒に確認していきましょう!

犬は積載物扱いのためルールを守れば乗せることが可能!

道路交通法によると、犬をバイクに乗せて運転しても違反にはなりません。つまり、方法を守れば、大型バイクも原付バイクでも愛犬とツーリングを楽しむことができるのです!

さらに排気量が125ccを超えるバイクであれば高速道路を走ることも可能です。高速道路を走れれば遠方の方まで愛犬を連れていけるのでバイク好きの飼い主さんにとってうれしい限りですよね。

道路交通法において、犬は「積載物」、つまり、荷物として扱われます。そのため、バイクに荷物を乗せて運転する際の正しい方法を守っていれば違反にはならないのです。

ただし、交通ルールを守っていても、あまりにも危険な乗せ方をしていると大事な愛犬にとっても危ないですし、注意されることもあるので、気をつけましょう!

自動二輪車や原付に乗せられる積載物の基準

バイクに犬を乗せる際は、バイク積載物の基準をしっかりと把握しておきましょう。また、積載物の基準はバイクと原付バイクでは異なるので注意が必要です。

結論から申し上げますと、積載装置から30cm以内かつ、51cc以上のバイクは60kg以内、50cc以下の原付バイクは30kg以内なら問題ありません。

バイクの積載物の長さは、シートやステップなどの乗車装置、または、荷物を乗せる荷台などの積載装置から30cm以内に収まっていないといけません。

幅については、積載装置や乗車装置から左右の合計30cm以内ならはみ出しても問題ないです。ただし、合計で30cmというのは、左右の片側は15cmを超えてはいけません。

例えば、右側が10㎝でも、左側が20㎝はみ出していれば違反となってしまいます。高さは地上から2m以内となっています。この高さは荷台からではなく、地面からの高さなので気をつけましょう。

積載可能重量については、51cc以上のバイクは60kg以内、50cc以下の原付バイクは30kg以内となっており、原付バイクは半分になっているので注意してください。

また、この重量は、犬を乗せるための専用ボックスやキャリーも含めた重さで、犬の重さだけではないのでよく確認してください。

なお、原付バイクと同じように日常生活でよく使われる乗り物に「スクーター」がありますが、なんとなく原付バイクと同じようなものだと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、実は全くの別物で、スクーターはさまざまな種類があり、排気量250ccの「ビッグスクーター」と呼ばれるものもあるなど、車両の排気量によって必要な免許も異なります。

そのため、積載可能重量も変わってくるので、しっかりと確認しておきましょう!

法律に違反した犬の乗せ方をした場合の罰則

バイクに積載物を乗せる時は、ロープや紐などでしっかりと固定させて、走行中に落下しないようにする必要があります。そのため、犬も固定させた状態で乗せないといけません。

もし、犬を固定しないまま走行した場合は、「転落等防止措置義務違反」として、違反点数1点、反則金は自動二輪6,000円、原付は5,000円が科せられます。

また、走行中に積載物が道路に落下した場合、つまり、犬が暴れるなどして落ちてしまい、後続車に危険を及ぼした場合も、「転落積載物等危険防止措置義務違反」として、違反点数1点、反則金は自動二輪6,000円、原付は5,000円が科せられます。

積載物の重量や寸法が上限を超えた場合は、「積載物大きさ制限超過違反」や「乗車積載方法違反」として、違反点数1点、反則金として自動二輪6,000円、原付は5,000円が科せられます。

犬をバイクに乗せる際に危険な方法

犬の危険なバイクの乗せ方

犬とバイクに乗ることは違反ではないので、一緒にツーリングを楽しむことができます。しかし、正しい乗せ方を守り、安全な運転を心がける必要があります。

危険な乗せ方をしていると、飼い主と犬の命を落とすだけでなく、周囲の人も危険な状況に巻き込む可能性もあります。「きっと大丈夫だろう」という自分勝手な思い込みで、危険な乗せ方をするのは絶対やめましょう。

バイクの足元に犬を固定せずに置く

原付やスクーターの足元にスペースがあるので、そこに犬を乗せて走行する人がいます。犬を固定せずに足で挟んでいるだけだと、走行中に投げ出されたり、停車中に逃げたりしてしまう恐れがあります。
大変危険なので必ずしっかりと固定して乗せましょう。

後部座席の同乗者が犬をそのまま抱っこする

バイクに犬を乗せる際は、落下しないようにしっかりと固定する必要があります。しかし、犬を抱っこしながら運転するのは “固定”とは言えません。2人乗りして後部座席の人が抱っこするのももちろん違反となります。

バイクのスピードを出して走行する

犬をしっかり固定していても、スピードを出して走行してはいけません。道路の制限速度内で走行するのは当然ですが、犬を乗せている時は、いつもよりゆっくりと走るようにしましょう。

自分と愛犬の命を守るために、周りの人に危害を及ぼさないために、危ない状況を作り出さないことが大切です。

荷台にそのまま乗せて縛り付ける

犬を荷台にそのまま乗せて、紐で縛り付けて走行している人もいます。しかし、犬はずっと締め付けられた状態で、痛くて苦しい思いをさせることになります。紐が絡まって窒息してしまう危険性もあるので、このような乗せ方は絶対に避けてください。

また、荷台にカゴを簡単に取り付けて、そこに犬を入れておくだけという人も見かけます。これではしっかりと固定されていないので、バイクが少し揺れただけで犬が放り出されてしまいます。

愛すべき犬のためにも、安定性を確保するために、専用のバッグやキャリーボックスなどを利用してください。

バイクに犬を乗せて安全に運転するためのポイント

犬と人間が一緒にバイクに乗ってる

犬をバイクに乗せる際に、安全を確保して運転するにはどうしたら良いのでしょうか。 “荷物”として扱われるので、外へ飛び出さないようにしっかりと固定させるのが基本です。

しかし、犬も人間と同じ生き物なので、苦痛を与えない乗せ方にすることも大切です。それでは、安全に犬をバイクに乗せるためのポイントを紹介します。

小型犬や子犬はリュックやスリングの利用が最も簡単

小型犬や子犬には、犬のお散歩用リュックやスリングに入れて、飼い主さんが背負って運転するのがおすすめです。

犬を入れるためのリュックは、メッシュ素材のものがほとんどなので、フタを閉じても息苦しくなく、外の景色も眺めることができます。走行中は犬が飛び出さないように、フタをしっかり閉じておきましょう。

飼い主さんは、自分の背中から愛犬の様子が伝わってくるので、直接目で確認できなくても、変化があればすぐに気づくことができます。飼い主さんが安全運転を心がければ、犬が危険な目に遭うこともないでしょう。

犬を連れてツーリングをする場合は、多機能なキャリーバッグがおすすめです。リュック、ショルダー、ボストンなどシーンによって使い分けられるものや、車のシートに取り付けられるものもあります。

広げるとケージになるものもあるので、安心できる空間を確保できて、移動中だけでなくお出かけ先のハウスとしても役立ちます。

犬を抱っこ紐で運転者の体に固定する時は短距離移動に限定する

小型犬の場合は、飛び出し防止対策が施された犬用抱っこ紐を使用すれば、飼い主さんの体に固定して安全に走行することができます。

タンデムで2人乗りする場合は、同乗者が抱っこ紐を使って運ぶことも可能です。前向き抱っこもおんぶもできる2wayタイプを選ぶと便利です。

ただし、怖がる犬もいるので、愛犬が嫌がるようならやめた方が良いでしょう。また、犬が大丈夫そうでも、長い時間固定されるのは窮屈に感じるので、抱っこ紐でのバイクに乗せるのは短時間の移動に限定しましょう。

バイクに直接取り付ける犬用キャリーボックスを使う

バイクに犬用キャリーボックスを取り付ける方法もおすすめです。外側からフタができて、のぞき穴が付いているものだと、犬の安全を確保しストレスを軽減させることができます。

また、風が直接当たることがないので、体温の低下により体力が衰える心配もありませんし、ものが飛んできても硬いボックスの中なので安心です。

タンクに取り付けられる犬用バッグもあるので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。リアキャリアを拡張してキャリーボックスを取り付けやすいようにカスタムするのもおすすめです。

ただし、バイクに直接取り付けるタイプは、リュックやスリングと違って運転中に愛犬の様子を確認できないことや、バイクの振動や衝撃が犬に伝わりやすいというデメリットもあります。

中型犬以上はサイドカーを利用する

バイクの横にサイドカーを取り付けて、人や荷物を乗せて走っているのを見たことがあるかもしれません。道路交通法において、犬の扱いは荷物と同じなので、サイドカーに犬を乗せて走行させることができます。

また、原付バイクにサイドカーを装着する場合は、人は乗れませんが犬を乗せることは可能です。ただし、運転中に犬が暴れたり飛び出そうとしたりする恐れもあるので、犬用シートベルトハーネスを使ってしっかりと固定し、安全性を確保する必要があります。

また、サイドカーを装着すると通常の運転とは感覚が全く異なるので、慣れていない飼い主さんは十分に練習してから犬を乗せましょう。

犬用のバイク用品を活用する

犬用のバイク用品も販売されており、犬の安全を守り、見た目にもかわいいものがそろっています。愛犬とツーリングをする際に利用すると安心です。特に、サイドカーに乗せる場合は犬の体がむき出しになるので、次に紹介するアイテムで守ってあげましょう!

ヘルメット

バイクのヘルメットには犬用もあります。万が一に備えて、愛犬の頭を守ってくれるので、乗せる時は着用させると良いでしょう。今では種類もたくさんあるので、飼い主さんとおそろいにするのも楽しいです。

ゴーグル・サングラス

犬用のゴーグルやサングラスもあります。バイクで走行中は目が乾燥したり、ゴミが目に入ったりしますが、ゴーグルやサングラスを着用していれば目を保護することができます。UVカットが施されたものなら、紫外線から守ってくれます。

ライダースジャケット

バイクに長い時間乗って風に当たっていると体温が下がってしまいます。そのため、犬用のライダースジャケットを着せてあげましょう。見た目もかわいいですし、バイクに乗せる時以外にもおしゃれアイテムとして使えます。

バイクに犬を乗せる時の注意点

カゴに犬

犬と一緒にバイクに乗るのは楽しいですが、運転手である飼い主さんが犬の安全を十分に確保してあげないと、犬を危険な目に遭わせてしまうこともあります。

また、犬の気持ちを考えないで、無理やりバイクに乗せるのもよくありません。飼い主さんと犬が安心安全で楽しいバイク旅になるように、次のことを確認しましょう。

犬の飛び出しや走行時の振動への対策を行う

犬をリュックやキャリーボックスに入れてバイクに乗る場合は、まず、バッグやボックス内のリードにつないで固定し、フタをしっかりと閉めます。

犬が外に飛び出さないようにしてから、リュックを背負ったり、ボックスをバイクに固定したりしましょう。走行中は小石やゴミなどが飛んでくることもあるので、犬の体が外に出ないようにしましょう。

また、バイクにキャリーボックスを固定する場合は、振動や衝撃が犬に直接伝わるので、衝撃を和らげるために、ボックスの底や側面にクッションを取り付けておくと良いです。

ツーリング中はこまめに休憩を取って犬の様子を確認する

長時間のツーリングは犬の体に大きな負担を与えます。犬を長時間バイクに乗せる場合は、意識して休憩を取るようにしてください。

休憩中は、犬の様子を確認して水分補給を行い、トイレも済ませましょう。バイクで酔っているようなら、バイクから降ろし外気を吸わせるなどして、回復するまでゆっくり待ちましょう。

暑い時期にキャリーバッグを背負ってバイクに乗せる場合は、強い日差しが犬の入ったバッグに当たり続けるので、バッグ内は高温になってしまいます。

また、飼い主さんに密着した状態で体温も伝わってくるので、犬は暑さで体調を崩してしまいます。冬は、キャリーボックスに毛布を敷いたり、温かい衣服を着せたりして、防寒対策を十分に行う必要があります。

また、暑い国が原産のチワワなどは寒さが苦手ですし、高齢犬は寒さが大きな負担になるので、無理に寒い場所へ連れ出すのは避けた方が良いです。

初めて犬をバイクに乗せる時は短い距離から練習する

犬を初めてバイクに乗せる時は、犬の反応が全くわからないので、最初は近所の公園までなど、短距離の移動で様子をみましょう。

最初からバイクに乗るのが好きでうれしそうにする犬もいれば、音に怖がってバイクに吠える犬もいます。また、初めはおびえていても、何度か乗せるうちに慣れてくることもあります。

バイクに乗るのが嫌いにならないように、犬とのコミュニケーションを大切にし、少しずつ乗る練習をさせて、距離を伸ばしていきましょう。

休憩中やお出かけ先では犬にリードをつなげる

犬の放し飼いは法律で禁止されており、地域によっては、ノーリードでの散歩も禁止されています。

サービスエリアやパーキングエリアで、ノーリードで犬を連れている人も見かけますが、これらの施設は、車やバイクの出入りが激しいので、犬が事故に遭う可能性が高いです。

また、人もたくさん集まる場所ですが、中には動物が苦手な人もいるので、愛犬が追いかけるなどして怖い思いをさせたり迷惑をかけたりしてしまうこともあります。

必ず犬にリードをつなげて短めに持ち、飼い主さんが犬の動きをコントロールしてください。キャリーバックに入れている時も、そこから絶対に目を話さないようにしましょう。

まとめ

バイクの正しい乗せ方を守れば、愛犬と一緒にどこへでも出かけることができます。そのためには、犬を安全に乗せるための装備をして、犬の性格を考慮し体調を確認しておくことが大切です。

バイクに乗せるための犬用アイテムを用意する場合は、積載物の基準を把握して、バイクと愛犬のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。

特に、ネットショップで購入する場合は、商品のサイズを細かくチェックしてください。また、アイテム選びで迷った場合は、実際に購入した人の口コミを参考にすると選びやすいと思います。

愛犬と一緒にツーリングへ出かけたいという飼い主さんは、犬の安全面を重視して安心してバイクに乗せられるように準備することから始めましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい