犬が突然お留守番できなくなった!考えられる理由や対処法を解説

犬が突然お留守番できなくなった!考えられる理由や対処法を解説

愛犬が今まではちゃんとお留守番ができていたのに急にできなくなってしまった場合、何かしらの理由があるはずです。ここでは、考えられる理由と対処法についてまとめました。

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記事の監修

犬の気持ちは行動に現れる。知っていますか?犬が顔を左に向けた時にはストレスを受けている可能性があることを。犬は様々な方法で人に気持ちや考えを伝えているのです。それを受け止めてアドバイスとして活かすことを仕事としております。様々な専門の知識と20,000時間以上の教育実績があなたとその愛犬の生活を助けて豊かに導きます。

犬が急に留守番できなくなった理由

ケージで吠える犬

愛犬が今までできていたのに、突然留守番ができなくなってしまったことはありませんか?できなくなってしまう理由として、分離不安や病気や老化によるものや、留守番中に怖い思いをしてトラウマになってしまっているなどが挙げられます。

犬が急に留守番できなくなってしまう理由について説明します。

「構いすぎ」が原因で分離不安になってしまった

分離不安症とは飼い主から離れることに強い不安・ストレスを感じ、精神的・肉体的にもダメージを受けてしまう状態のことをいいます。原因は、飼い主の構いすぎや甘やかしすぎの場合が多いとされています。

分離不安は、特に子犬期や環境が変わった時などの一定期間のみ見られる症状で、自然に改善するケースも多いといわれてきていました。しかし、コロナ禍などで飼い主と過ごす時間が増えてたくさん構ってもらってたのに、その元の状態に戻って飼い主が出かけるなどで一緒にいる時間が少なくなってしまったことなどから分離不安になってしまうこともあるようです。

そして、分離不安症になってしまうと、排泄問題や無駄吠え、破壊行動、自傷行為、体調不良など様々な問題を引き起こすことも。愛犬が分離不安傾向にあるかどうかを見極めるのは性格なども考慮する必要はありますが、いつも飼い主や家族のそばにいる、後をついてくる、必ず一緒に寝る場合などは分離不安の傾向があるかもしれません。

病気や老化が原因で留守番が苦手になってしまった

老犬や病気の犬も、急に留守番ができなくなってしまうことがあります。加齢や病気によって、視覚や聴覚、嗅覚などが衰えることで自信をなくしてしまい、ちょっとしたことにも不安や恐怖を感じやすくなってしまい留守番や今までできていたことも苦手になってしまうことがあります。

犬は、優れた聴覚や嗅覚で視力の悪さをカバーして様々な危険などを察知しているとされています。病気や老化により優れた聴覚や嗅覚まで十分に機能しない状態で、ひとりぼっちでお留守番をしていれば、時間が経つごとに不安や恐怖を感じて無駄吠えや、家の中のものを破壊したりなどをしてしまうこともあります。

過去の怖い体験から留守番できなくなってしまった

犬が急に留守番ができなくなってしまった理由には、留守番中に何かしらの怖い体験をしたことによるトラウマが原因の場合もあります。

  • 留守番中に地震や雷の音がした
  • しつこいチャイムや近所で大声や怒鳴り声が聞こえた
  • 今まで経験したことがない長時間の留守番
  • 家の中で物が落ちたり動いたりしてケガや危険な経験をした
  • 近所で工事をしていた

など、上記のような事が留守番中に起こってしまうと、同じような怖いことが起きるのではないかと不安や恐怖を感じて留守番ができなくなってしまったり、また分離不安症につながることもあるようです。

犬が留守番できなくなった時の対処法

電球と犬

犬が急に留守番をできなくなってしまった時に考えられる理由をあげてきましたが、ここからは、できなくなってしまった理由ごとの対処法やトレーニング方法などをご紹介します。

分離不安の場合は不安を軽減するトレーニングを行う

留守番中は、生活環境を整えることと、ひとりでも大丈夫だと思ってもらう為に一定の行動を繰り返し経験させることが必要です。

具体的には以下のようなことを気にかけて、トレーニングとしてまずは1ヵ月程度実践するようにしてみてください。トレーニングは一般的に1~3ヵ月、犬の性格などによっては半年以上かかる場合もあります。

  • 日常的に過度に構わない
  • 食事や遊び、スキンシップ等全て飼い主主導で行う
  • 別の部屋で過ごす時間を作る
  • 着替える等出かけるフリを繰り返す
  • 留守番前に散歩や遊ぶ時間を取る
  • 出かける30分前位から一切構わないようにする
  • 出かけるフリに慣れたら、玄関を出て数秒~数分で帰宅する
  • 外出時間を徐々に長くする
  • 「マテ」のコマンドで待てるように練習する
  • 飼い主が離れる際に「マテ」の指示で待っていられるように練習する
  • 数秒、数分の外出中に「マテ」の状態で待っていられるように練習する
  • 帰宅後はすぐに構わず犬が落ち着いたら撫でるなどスキンシップをする
  • 留守番中の粗相や、物を破壊するなどのいたずらを叱らない

など。他にも、サークルやケージに愛犬のお気に入りの安全なおもちゃや、飼い主の匂いが染み込んだ布団やタオルケットなどを置いたり、外の音を気にするようなら、ラジオやテレビ、音楽などをつけておくのも効果があります。

分離不安症の薬を併用して不安からくるパニックを抑えながらトレーニングをすることも可能ですが、薬には嘔吐や食欲不振、眠気などがあるため投薬するには獣医師の診断が必要となります。

病気や老化が原因の場合は、安心できる環境を整えてあげる

犬が急に留守番できなくなった原因が病気や老化の場合は、トレーニングで改善するのは難しい為、できる限り留守番をさせないようにすることが大切です。

どうしても留守番させる必要がある場合は、

  • 愛犬の寝床や落ち着く場所で留守番をさせる
  • 犬の行動範囲内に物を置かないように片付ける
  • ケージやサークルなどを用意する
  • 飼い主の匂いが染み込んだ布団やタオルケットなどを置いておく
  • 電気はつけたままにする
  • 快適な温度と湿度に調整する
  • エアコンの風が直接当たらないようにする

など、留守番中の環境には十分気をつけて、なるべく短時間で帰宅するようにしてください。

過去の怖い体験が原因ならストレスを解消する工夫をする

犬が急に留守番できなくなったた理由が、過去の怖い体験が原因と考えられる場合は、それを解消するための工夫が必要です。思い当たるようなことは改善してあげられるよう、留守番前に準備しておきましょう。

大きな物音などが原因の場合は、物音が響く場所から遠い部屋で留守番できるようにしたり、ドアや窓付近などを避けてケージやサークルを設置しましょう。スペースの都合上、どうしても窓やドア付近になってしまう場合は、隙間テープなどを張って防音対策などの工夫が必要です。

また、想定以上に留守番時間が長くなってしまうなども犬が不安になってしまうため、時間が想定できないときは、家族や友人など代わりに様子を見てもらえるようにお願いしておくなども考えましょう。

ただし、突然知らない人が家に来ても余計に不安になってしまう可能性もあるので、事前にお世話をしてくれる人に慣れてもらうことも大切です。

犬がお留守番できなくなったときに気をつけること

イタズラした犬

犬が急に留守番ができなくなっても、叱るのはNGです。ここからは、急に留守番ができなくなった時に、飼い主が気をつけることを解説します。

吠えたり粗相しても叱らない

留守番中に不安になって吠えたり粗相をしていても、怒鳴ったり叱ったりするのはやめましょう。叱ってしまうと、犬はにストレスを感じて不安や恐怖でさらに状況を悪化させることになってしまいます。

愛犬の吠える声などでご近所の方へご迷惑をおかけしてしまった際のお詫びや、排泄物の掃除をしなくてはいけなかったりと、飼い主さんもイライラしたり精神的に追い詰められてしまうこともあるかと思いますが、その感情を愛犬にぶつけることはやめましょう。

ご近所へはお詫びとトレーニング中であることを説明するなどし、排泄物は淡々と掃除を行いましょう。そして、愛犬の不安をなくすためにはどうしたらよいかトレーニングも含めて今後の対策を考えてあげるようにしてください。

急に外出時間を増やすのはNG

急に留守番ができなくなったのは、久しぶりの留守番だったということも考えられます。しかし、また慣れてもらおうと留守番の回数を増やしたり、長時間の外出をするのは控えましょう。

できなくなってしまったのなら、最初のトレーンングからやり直し、少しずつ留守番できるように、愛犬の様子を見ながら根気よく行うことでまたできるようになってくれますよ。

人の出入りは静かに行う

留守番の際は、出かける30分前位から構わないようにしましょう。愛犬が構ってもらおうと甘えてきても、心を鬼にして無視をするようにしましょう。

出かける直前まで遊んだり構ってしまうと、バタバタと忙しそうに飼い主が準備している姿を見せることで「留守番させられる」と感じてしまい、留守番前から不安を感じさせてしまいます。トレーニングで出かけるふりをしている場合は、大げさに準備している様を見せるのは効果がありますが、実際に出かける時には静かにさりげなく、愛犬が気づく前に外出できれば尚良いです。

帰宅後も、飼い主が帰ってきたことに喜んで興奮しているようであれば、構わずに無視して、愛犬が落ち着いてからしっかり構ってあげましょう。

まとめ

見つめる2匹の犬

犬が急に留守番ができなくなるのは、さまざまな原因があります。

愛犬が急に留守番できなくなってしまったら、まずは何が原因なのかを考えましょう。分離不安であれば、飼い主と離れても不安にならないようなトレーニングをする、老いや病気の可能性がある場合は、環境を見直すだけでなく、動物病院を受診しましょう。また、どうしても留守番させる場合は、家族や友人、ペットシッターさんにお願いすることなども検討すると良いでしょう。

留守番中に何かに恐怖を感じてしまった場合は、その原因を特定することは難しいですが、ペットの見守りカメラなどを設置して、留守番中の愛犬の様子を確認してみるのもひとつの方法です。

今までできていたことができなくなってしまったら、まずはその原因を探ることが大切です。愛犬の心や体の状態の変化を知るためにもぜひ究明するように心がけたいですね。

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