犬が突然お留守番できなくなった!考えられる理由や対処法を解説

犬が突然お留守番できなくなった!考えられる理由や対処法を解説

飼い犬が、今まではちゃんとお留守番ができていたのに、急にできなくなってしまった場合、何かしらの理由があるはずです。考えられる理由と対処法についてまとめていきたいと思います。

犬が急に留守番できなくなった理由

ケージで吠える犬

突然留守番をできなくなってしまった理由として考えられることは、分離不安症や病気や老化によるもの、留守番中の怖い体験が基でトラウマになってしまっている、などがあります。その理由について一つずつ説明します。

「構いすぎ」が原因で分離不安になってしまった

犬の分離不安や分離不安症は、飼い主の構いすぎや、甘やかしすぎが原因でなってしまう場合があります。

分離不安症は、特に子犬期や環境が変わった時などの一定期間のみ見られる症状で、自然に改善するケースも多いといわれてきていました。

しかし昨今ではコロナ禍などで飼い主が在宅にいることが増え構ってもらったりすることが増え、その後通常勤務になり飼い主が不在になったり構える時間が減ったりすることなどからも、分離不安になってしまうこともあるようです。

分離不安症とは飼い主から離れることに強い不安・ストレスを感じ、精神的・肉体的にもダメージを受けてしまう状態のことをいいます。

そして分離不安症になってしまうと、排泄問題や無駄吠え、破壊行動、自傷行為、体調不良など様々な問題を引き起こしてしまいます。

愛犬が分離不安傾向にあるかどうかを見極める方法としては、元来の性格なども考慮する必要はありますが、いつも飼い主や家族の傍にいる、後をついてこようとする、夜は飼い主や家族と一緒に寝るなどの傾向がある場合は分離不安の傾向があると言えます。

病気や老化が原因で留守番が苦手になってしまった

年老いた犬や病気の犬も留守番ができなくなってしまうことがあります。加齢や病気によって、視覚・聴覚・嗅覚などが衰え自信をなくし様々なことに不安や恐怖を感じやすくなってしまう為、留守番についても苦手になってしまいます。

元々犬の視力はそこまで良くはありませんが、聴覚や嗅覚は大変優れているので視力の悪さを聴覚や嗅覚の良さでカバーし様々な危険などを察知しています。

病気や衰えで聴覚や嗅覚まで十分に機能しなくなってしまって不安な中、更に飼い主が外出してひとりぼっちになり、そして日が暮れて部屋がどんどん暗くなっていくとより不安が募ってしまって、無駄吠えや、家の中のものを破壊したりなどをしてしまうことがあります。

過去の怖い体験から留守番できなくなってしまった

飼い犬が急に留守番ができなくなってしまった原因としては、分離不安や病気、老化以外だと留守番中に怖い体験をしたトラウマにより留守番できなくなってしまった、ということも考えられます。

  • 留守番中に地震や雷が落ちたりした
  • しつこいチャイムや近所での大声や怒鳴り声など
  • 今まで経験したことがない長時間の留守番をさせられた
  • 近くで物が落ちたり動いたりして危険な目にあったり、大きな物音がした
  • 近所で大きな音が出る工事が行われていた

一例ですが上記のような出来事が留守番中にあって怖い思いをした場合、留守番をするとまた同じように怖いことが起きるのではないかと考えてしまうようです。
こういった怖い経験をすることによって分離不安症につながることもあるようです。

犬が留守番できなくなった時の対処法【状況別】

電球と犬

これまで飼い犬が突然留守番をできなくなってしまった時に考えられる理由をあげてきましたが、これからはそれに対応するための対処法やトレーニング方法などをご紹介します。

但し、すべての犬に必ず効果があることをお約束するものではないのでご承知の上お読みください。

分離不安の場合は不安を軽減するトレーニングを行う

基本的には飼い犬がひとりでも大丈夫だと思ってもらえるようになるために、留守番中の生活環境を整えることと、ひとりでも大丈夫だと思ってもらう為に、一定の行動を繰り返し経験させることが必要です。

具体的には以下のようなことを気にかけて、トレーニングとしてまずは1ヵ月程度実践するようにしてみてください。一般的には1ヵ月~3カ月で症状の緩和が見られるはずですが、犬の性格などにもよるので半年以上かかる場合もあります。

  • 常日頃から構いすぎない
  • 飼い主主導で遊んだり、餌をあげたり、触ったりする
  • 別の部屋で過ごす時間を設ける
  • 着替える、コートを着るなど、外出するふりを繰り返す
  • 留守番をさせる前には散歩したり遊んだりする時間を必ず取る
  • 外出する直前の30分前は逆に一切構わないようにする
  • 外出するフリに犬が慣れてきたら、玄関を開けて外に出て数秒で帰宅してみる
  • 上記にも慣れてきたら、少しずつ外出時間を数秒、数分へと伸ばしていく
  • 「マテ」を覚えさせ、家の中で待機させる練習を行う
  • 家の中で飼い主が離れる際に「マテ」の状態で待っていられるように練習する
  • 数秒、数分の外出をして「マテ」の状態で待っていられるように練習する
  • 帰宅後はすぐに構わないようにする
  • 帰宅後は犬が落ち着いたところで目を合わせ、触ったり話しかけたりする
  • 留守番中に排泄ミスや、物を破壊したりしていても叱らないようにする

その他にも外出時には、留守番場所に犬がお気に入りの安全なおもちゃや、飼い主の匂いが染み込んだ布団やタオルケットなどを置いてみたり、外出時には、人の声が聞こえるラジオや音楽、テレビなどをつけておく工夫もしてみてください。

分離不安症の薬を併用して不安からくるパニックを抑えながらトレーニングをすることも可能ですが、薬には嘔吐や食欲不振、眠気などがあるため投薬するには獣医師に相談し判断してもらうようにしましょう。

病気や老化が原因の場合は、安心できる環境を整えてあげる

留守番できなくなった原因が病気や老化の場合は、トレーニングで改善するということは難しい為、できる限り留守番をさせないように気遣ってあげる必要があります。

どうしても必要がある場合は短時間を心がけ、以下の留守番環境にも気を付けましょう。

  • 自分の寝床や場所で留守番をさせる
  • 犬の行動範囲内に物を置かないようにし事故など防げるようにする
  • ケージや囲いなどを用意する
  • 飼い主の匂いが染み込んだ布団やタオルケットなどを置いておく
  • 真っ暗な状態は不安になってしまう為、電気をつけておく、
  • 一定の温度を保てるようにする
  • エアコンの風が直接寝床に当たらないようにする

過去の怖い体験が原因ならストレスを解消する工夫をする

過去の怖い体験が原因と考えられる場合は、それを解消するための工夫が必要です。
思い当たるようなことは改善してあげられるよう、留守番前に準備しておいてあげましょう。

大きな物音などが原因の場合は、物音が響く場所から遠い部屋で留守番できるようにする、隠れられるような場所を用意する、ドアや窓付近には留守番場所を設置しないなど。

スペースの都合上、留守番場所がどうしても窓やドア付近になってしまう場合は隙間テープなどを張って防音対策を考える。

想定以上に留守番時間が長くなってしまう、なども飼い犬が不安になってしまう要因にもなりえるので、時間が想定できないときは事前に代わりに様子を見てもらえるようにお願いしておくなども重要です。

但し突然知らない人が家に来ても余計に不安になってしまう可能性もあるので、事前に飼い主以外の世話をしてくれる人に慣れてもらうための準備も必要です。

犬がお留守番できなくなったときに気をつけること

イタズラした犬

今までできていた飼い犬が突然留守番をできなくなったとしても、叱ったりすることはやめましょう。飼い主として留守番ができなくなった時に、気を付けてあげてほしいことをまとめておきます。

吠えたり粗相しても叱らない

留守番の不安によって吠えたり、粗相をしたりすることがあったとしても、叱ったり怒鳴ったりすることはやめましょう。

それがさらなるストレスに繋がり、飼い犬の不安が更に増大し状況を悪化させることになってしまいます。

飼い犬の鳴き声によって、ご近所の方へご迷惑をおかけしてしまった際のお詫びや、家の中が排泄物の匂いで充満したり汚れて掃除をしなくてはいけなかったりと飼い主さんも精神的に追い詰められてしまうような状況かもしれませんが、その感情を飼い犬にぶつけることはやめましょう。

お詫びすべきことはし、淡々と家の中の掃除を行って、飼い犬の不安をなくすためにはどうしたらよいかトレーニングも含めて今後の対策を考えてあげるようにしてください。

急に外出時間を増やすのはNG

留守番が出来なくなったのは、留守番が久々で慣れていなかったから…ということも考えられますがだからと言って突然外出回数を増やしたり、外出時間を長くしたりするようなことはやめましょう。

留守番回数や時間が突然増えると、飼い犬はより不安になってしまう可能性が高い為です。

最初は外出するフリから始め、少しずつ数秒、数分ずつ外出する時間を増やして飼い犬の様子をみながらもう一度留守番をできるようになるようトレーニングするようにしてください。

人の出入りは静かに行う

トレーニングの項目でも書きましたが、出かける30分前はあえて飼い犬に構わないようにし、飼い犬から構ってもらいたいとせっついて来たとしても心を鬼にして無視をするようにしましょう。

出かける直前に留守にするからと沢山構ったり遊んであげて餌まであげたりし、バタバタと忙しそうに飼い主が準備している姿を毎回見せると、その一連の行動イコール留守番が迫っている、と犬は感じて不安に思ってしまうことがあるからです。

あえてトレーニングで出かけるふりをしている場合は、大げさに準備している様を見せたりする分には良いと思いますが、実際に出かける時には静かにそっと逆に飼い犬に気がつかれないように出かけることをお勧めします。

帰宅時も飼い主が帰ってきたことに喜んで、犬の方が興奮しているようであればこちらも心を鬼にして無視をするように。落ち着いたところを見計らって目いっぱいかわいがってあげるようにしましょう。

まとめ

見つめる2匹の犬

今までのことを読んでいただくと、飼い犬が今までできていた留守番が突然出来なくなった場合には、様々な要因があることをお分かりいただけたかと思います。

自分の飼い犬にそのようなことが起きた場合は、まずは何が原因なのか?を考えて対応することが必要ということもわかっていただけたかと思います。

分離不安であれば、飼い主と離れても不安にならないようなトレーニングをする、逆に老いや病気の可能性がある場合は家の環境を整えるだけではなく獣医師の先生に相談し、診てもらう必要や留守番はさせずに、逆に人がついてあげていた方がいい場合もあると思います。

過去の留守番中のトラウマであれば何があったのかを知ることが難しいとは思いますが、最近はペットの見守りカメラで録画機能があるものなどもあるのでそういったものを用意して留守中の様子を確認してみるのも一つです。

出来ていたことが出来なくなった、その原因を探ってみることは愛する飼い犬の、心や体の状態の変化を知るためにもぜひ究明するように心がけたいですね。

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