犬のための部屋作りの基本ポイント
犬と一緒に暮らす場合、どんなことに注意して部屋作りを行えば良いのでしょうか?思わぬ事故や病気を防ぐためには、日頃の環境整備がなによりも大切です。
まずは、愛犬にとって安全な環境を作る際のポイントを3つ解説します。
危険な場所は仕切りで区切る
家の中には、犬にとって危険な場所がたくさんあります。階段やキッチン、お風呂場、ベランダなど、犬が入ると危険な場所にはペットゲートなどの仕切りを取り付け、犬が入れないようにしましょう。
特にキッチンは包丁など危険なものも多いうえ、誤飲・誤食の可能性が高い場所です。玉ねぎやチョコレートなど、犬にとって危険なものを口にする危険性も高いため、十分注意しましょう。
犬と飼い主が滑りにくい床にする
フローリングはツルツルしているため、犬が踏ん張りにくいというデメリットがあります。犬の足腰に負担をかけないよう、フローリングの床にはマットやラグ、カーペットなどを敷きましょう。
ただし、ループパイルやカットパイルなど毛足が長いものは犬が爪をひっかけやすいため、敷くのは避けたほうが無難です。
子犬期は粗相や食べこぼしなどで床が汚れやすいため、こまめに洗濯できるよう、汚れた部分だけ取り外して洗えるジョイントマットや丸洗いできるタイプのものを選ぶと良いでしょう。
部屋の温度は犬の目線に合わせて設定する
室温をチェックするときは、愛犬が普段生活している高さの温度を測りましょう。人と犬では床面からの距離が違うため、同じ部屋にいても体感温度が異なります。
特に冷気は下に溜まりやすいため、冬場はもちろん、夏場エアコンをきかせすぎてしまうと、犬にとって寒すぎてしまうかもしれません。愛犬のために温度計を設置するときは、なるべく犬の生活環境に近い場所を選びましょう。
不要な物は片づけて犬の誤飲やいたずらを防ぐ
安全対策のため、犬が届くところは常に何もない状態にしておくのが理想です。特に子犬の時期は好奇心が旺盛なため、気になるものはなんでも口に入れてしまいます。
薬や文房具、ティッシュ、たばこ、電池などは使う時だけ取り出すようにし、不用意に放置しないこと。観葉植物など犬が興味を示しやすいものは、犬がいる部屋以外に設置すると安心です。
ペットに対応したインテリア用品を選ぶ
家具や部屋をなるべくキレイに保ちたい方は、ペット対応のインテリア用品を選ぶのがおすすめです。
例えば、ひっかき傷や汚れが付きにくいソファ・椅子、遮音性や消臭性能に優れた壁紙など、ペットがいる家庭向けのインテリア用品はたくさんあります。
特に犬がまだ子犬のうちは粗相やいたずらなどで家具がボロボロになりがちなので、ペット対応のインテリア用品を上手に活用すると良いでしょう。
犬用グッズを部屋に置く時のおすすめレイアウト
部屋の安全を確保したら、次は犬の部屋の作り方を覚えましょう。
犬用グッズはただ置けば良いのではなく、それぞれ置くべき場所があります。犬が喜ぶレイアウトにしてあげることでお互いストレスなく生活できるため、必ずチェックしてくださいね。
食器
犬の食事スペースは、トイレからできるだけ離れた位置に置きましょう。食器の下には防水性のマットや洗えるシートを敷いておくと、後片付けも簡単です。
また、子犬のうちは食器ではなく、給水器で水を与える方も多いですが、給水器の設置場所が高すぎたり低すぎたりすると首に負担がかかるため、要注意。
ケージに取り付けるタイプの給水器を使う場合は、犬が4本足で立った状態で無理なく水が飲める位置に設置しましょう。
トイレ
犬のトイレは、排泄物やペットシーツなどを片付けやすい場所に設置します。犬の寝床や食事場所からできるだけ離れた場所に配置すると、トイレの失敗が少なくなりますよ。
ただし、人の出入りが多い玄関やドア付近は落ち着いておしっこしづらいため、避けましょう。トイレをケージ内に設置する場合は、ベッドから一番遠い対角線上に置くのがベストです。
ベッド(クレート)
クレートはケージ内にひとつ、ベッドはケージ内に入れるものとフリースペースに置くものと2つ用意するのがおすすめです。
寒い時期を除き、フリースペースのベッドは窓辺に置いてあげると、犬がいつでも好きな時に日向ぼっこできますよ。
なお、ケージ内のベッドやクレートは排泄物の臭いが気にならないよう、なるべくトイレから遠い場所に設置しましょう。
ケージ(サークル)
ケージは人通りが少なく、直射日光が当たらない場所に設置しましょう。何か異変があった時にすぐ気づけるよう、場所はリビングがベストです。
ただし、部屋の中心にポツンと配置してしまうと4方向が見えて落ち着かないため、四隅のいずれかに接するようにしてください。また、窓の近くは外からの刺激や冷気が入りやすいため、なるべく避けましょう。
犬と暮らす部屋をおしゃれにするコツ
犬グッズが多いと、どうしても部屋がごちゃついた印象になってしまうのでは…と思う方も多いでしょう。
ですが、きちんとコツを押さえて室内作りをすれば、犬と暮らす部屋も十分おしゃれに見せることができます。ここでは、犬と暮らす部屋をおしゃれにする5つのコツについて解説します。
インテリアと犬用グッズの色は統一する
犬用グッズはかわいいカラーのものも多いですが、色を使い過ぎていると部屋のまとまりがなくなり、部屋全体が雑然とした印象になってしまいます。
そんな時は、ソファやカーテン、ラグなどのメイン家具と犬用グッズの色を統一しましょう。色を統一することで落ち着いた雰囲気が出て、部屋の方向性がまとまって見えます。
おしゃれなスタンドに収納する
ペットシーツや洋服などは、おしゃれなスタンドに収納するのがおすすめ。パッケージのまま置いておくと生活感が出やすいため、ひと手間かけるのがポイントです。
スタンドは専用のものも売っていますが、DIYで設置スペースにぴったり合うものや部屋の雰囲気に合ったものを手作りすれば、さらに雰囲気が良くなりますよ。
小物はひとまとめに整頓する
小物が無秩序に置かれていると、どうしてもごちゃごちゃした雰囲気になりがち。おもちゃやお手入れ用品などよく使うアイテムは、しまい込まず、出しっぱなしでも気にならないセミオープン収納がおすすめです。
使いたい時にサッと取り出せるよう、雰囲気の良いデザインのバスケットなどにまとめて整頓しましょう。
アクセントカラーを入れる
アクセントカラーを上手に取り入れれば、引き締まった空間のできあがり。特に白やベージュなど、優しい色合いが基調のインテリアでは、はっきりした色をアクセントカラーに使うのが効果的です。
犬用ベッドやクッションなど、小物類の色味を変えて明るさを足すだけで、お部屋の雰囲気はガラッと変えられますよ。
トイレは目隠しする
犬がすぐに使えるように、トイレはなるべく生活スペースの近くに置きたいですよね。しかし、トイレをそのまま置いてしまうとインテリアとしてはあまり良くありません。
そんな時はペットフェンスやすのこで目隠しするのがおすすめです。ラックをトイレが隠れる場所に配置するだけでも、十分目隠し効果がありますよ。
また、最近はトイレ感がない見た目の「目隠しトイレ」も多く販売されていますが、DIYが得意な方はリビングの雰囲気に合ったものを自分で作るのも良いでしょう。
▼「犬小屋・ハウス」の基本を知りたい方はこちら
まとめ
犬が室内で安全かつ快適に暮らすためには、犬用グッズのレイアウトや環境を適切に行う必要があります。
思わぬ病気やケガを防ぐためにも、床は滑らない工夫をする・危険な場所には入れないようにする・部屋は常に整理整頓しておく・空調は犬の目線に立って管理することを徹底しましょう。
犬が暮らしやすい環境を作りつつ、おしゃれな暮らしを楽しむのは難しいことではありません。今回紹介したポイントを押さえて、ぜひ人も犬も心地よいお部屋作りにチャレンジしてみてくださいね。