無添加ドッグフードの選び方
ドッグフードは愛犬の安全のために無添加のものを選びたいという飼い主さんは多いでしょう。添加物には着色料や発色剤、香料、保存料、酸化防止剤、保湿剤などがありますが、中には健康に害を及ぼすリスクがあるものも存在します。
無添加にこだわってドッグフードを探す場合、ドッグフードのパッケージに「無添加」と表記されているものを選ぶだけでは十分とはいえません。より安全なものを求める方のために無添加ドッグフードの正しい選び方を解説します。
添加物の中でも栄養素をプラスするために配合するビタミンやミネラルなどの添加物は、栄養バランスを整える役割があるので避ける必要はありません。大切なのは余計な添加物が少ないフードを選ぶことです。
メリットよりもデメリットの方が大きい余計な添加物や特に注意すべき成分をご紹介しますので、最低限避けたい添加物として覚えておいていただけると幸いです。
そもそも無添加ドッグフードとは?
無添加ドッグフードとは、不要な添加物が一切含まれていない、安全性が高く健康に配慮されたドッグフードのことです。具体的には、着色料、香料、保存料、合成酸化防止剤などが使用されていないフードを指します。
しかし実際は「無添加ドッグフード」という言葉がきちんと定義されているわけではありません。
なので飼い主が無添加とうたうドッグフードの内容をしっかり確認する必要があります。
ドッグフードの添加物には天然由来のものと人工のものがある
添加物には、天然由来のものと人工(合成)のものが存在します。両者はそれぞれ、特徴と利点、欠点があります。
天然由来の添加物は、植物や動物など自然界から採取される成分で、一般的には体に優しいとされています。しかし、天然由来の添加物も過剰摂取や個体差によってアレルギー反応や副作用が起こる場合があります。また、天然由来の添加物は、合成添加物と比較して効果が劣ることがあるため、量や品質によっては効果が十分でない場合もあります。
一方、人工(合成)の添加物は、化学的な手法で作られた成分で、一部は天然由来のものより効果が高いとされています。しかし、合成添加物には体への悪影響が懸念されるものもあり、長期的な摂取による健康リスクがあるとされている成分も存在します。
ドッグフード選びでは、添加物の種類や使用目的を理解し、愛犬の健康状態や特別な要求に応じた選択を行うことが重要です。できるだけ安全性が高いとされる天然由来の添加物を含むドッグフードを選ぶことが望ましいですが、合成添加物も適切な量で使用されている場合は問題ないこともあります。
ドッグフードの原材料に表示されている添加物がすべてとは限らない
ドッグフードの原材料表示には、基本的に使用されている成分が記載されていますが、それがすべての添加物を網羅しているわけではありません。原材料の中には、添加物がすでに含まれているものも存在します。これらは、表示義務がない場合や表示が省略されることもあります。
また、原材料の仕入れ先や製造過程で使用される添加物が表示に含まれていないこともあります。そのため、完全に添加物を避けることは難しい場合もあります。
ドッグフードを選ぶ際には、できるだけ信頼できるメーカーやブランドを選び、表示に記載されている成分以外にも、製品の品質や安全性にこだわっているかを確認することが重要です。
注意すべき添加物が含まれるドッグフードは避けておいた方が無難
ポイントはBHTやBHAのような健康に害を及ぼす危険性の高い酸化防止剤や着色料などは避けたほうが無難です。
着色料なら赤色102号や青色2号、黄色4号、黄色5号などは合成して作られた「タール色素」と呼ばれる添加物で、発ガン性や内臓障害を引き起こすリスクがある有害なものです。
また亜硝酸ナトリウムは、ビタミンC不足の犬が摂取すると胃の中で発ガン性物質に変化するといわれています。二酸化チタンも発ガン性が疑われているので注意しましょう。
保存料ではソルビン酸カルシウムやソルビン酸カリウムが危険です。発育不良や臓器障害を引き起こすリスクがあるといわれているので、使用されていないフードを選ぶべきです。
酸化防止剤ではBHTとBHAは発ガン性がある添加物として広く知られています。またエトキシキンは発ガン性の他にも臓器障害や皮膚病のリスクがあるといわれています。
没食子酸プロピルもドッグフードに使用されることの多い添加物ですが、肝臓障害や染色体異常などを引き起こす可能性があるので避けましょう。
酸化防止剤には安全性が高い天然由来の添加物も存在するので、そちらを使用しているドッグフードを選ぶと安心です。
天然由来の酸化防止剤にはトコフェロールやミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸などがあります。これらが使用されているドッグフードは、犬にとって安全な添加物を選んでいるので体に優しいフードになっていることが信用できます。
ドッグフードに含まれる酸化防止剤のポイント
着色料や香料は使用しなくてもドッグフードを製造できます。しかしドッグフードの品質を維持するために酸化防止剤などは必要性が高い添加物です。
犬の健康のために食事で脂質を摂取することは大切です。ドッグフードには油脂が使われていることが多いですが、動物や魚の油は非常に酸化しやすいというデメリットを持っています。オイルコーティングされている香りがきつめのフードには注意です。
酸化したフードは味や匂いも変わってしまい、食べると犬が体調を崩すこともあるので注意が必要です。フードの酸化を防ぐ働きを持つ酸化防止剤は、使用するメリットも大きいのです。
ドッグフード中の何が無添加なのかチェックしよう
商品のパッケージや公式サイトに「無添加」と表記されていると、添加物は一切使用していない安全なドッグフードだと思い込んでしまう方が多いです。
しかし実は「無添加」と表記されているからといって、全ての添加物を一切使用していない商品だとは限らないのです。
無添加には正確な基準がなく、着色料が無添加であれば保存料を使用していても「無添加」と表記している場合もあります。商品の説明に無添加というワードがあるかどうかよりも、何がどう無添加なのか説明があるかが重要です。
添加物の中で何が無添加なのかがしっかり明記されているドッグフードは、曖昧な情報でごまかそうとしているドッグフードよりも信頼できるのでおすすめです。
「着色料・香料無添加」と記されていれば、保存料や酸化防止剤は使用している可能性があることがわかるので、そこに注目して原材料一覧をチェックできます。
自分で原材料一覧から添加物の安全性を確かめるのはなかなか難しいという場合は、完全無添加や100%無添加のドッグフードとして販売されているものを選ぶと安心です。
無添加ドッグフードのおすすめ10選
無添加のドッグフードの中から特に評判の良いドッグフードをいくつかご紹介します。ランキングに多く紹介されているドッグフードから、国産やグレインフリーなど様々なメリットを持つ商品を厳選しました。
安全性を重視して選んでいるので、比較的高級なフードや市販にないフードが多くなっています。安全性や品質と同じくらいコスパも考慮して選びたいという方のために、それぞれの価格も調査しているのでご確認ください。
また無添加ドッグフードの中でもウェットフードのおすすめを知りたい方や、涙やけ対策になるフードを探している方、シニア犬に適したフードが欲しいという方など目的に合わせたおすすめドッグフードもご紹介します。
愛犬が安心して食べられる美味しいドッグフードを探すために参考にしていただけると幸いです。
「このこのごはん」は国産のドッグフードです。栄養補補助のためにビタミンとミネラルのみ合成のものを添加していますが、香料・着色料・保存料・防カビ剤・増粘剤・発色剤・酸化防止剤(BHA、BHT)が不使用であることを記載している無添加ドッグフードなので安心です。
主な原材料は国産の鶏ささみと九州産の鶏レバー、他にも長野県産の鹿肉や静岡県産のまぐろ肉を使用しています。穀物類では大麦と玄米を含むのでグレインフリーではありませんが、小麦は不使用のグルテンフリーとなっています。トウモロコシも不使用なのでアレルギーや消化不良のリスクが少ないのもうれしいですね。
100gあたり343kcalで、ヘルシーかつ栄養バランスの良いドッグフードです。1袋の内容量は1kgで、価格は3,850円(税込)となっています。100gあたりに換算すると385円です。
少しでも価格を抑えて「このこのごはん」を購入したい方は定期コースを利用するのがおすすめです。定期コースに申し込むと2袋6,556円と15%OFFで購入できるのでお得になります。
「モグワン」はイギリス産のドッグフードです。着色料や香料を含め、ビタミンやミネラルといった栄養添加物以外は無添加となっており安全です。
主な原材料はチキンとサーモンです。動物性タンパク質50%を以上含む高タンパクで健康に良いフードなのもうれしいポイントです。グレインフリーなので、穀物アレルギーや穀物による消化不良も心配せずに済みます。
「モグワン」は欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の厳しい基準をクリアした工場で製造しており、品質テストをパスした原材料のみを使用しているので確かな安全性と品質を保証しています。
100gあたり363kcal。1袋の内容量は4,356円(税込)で、100gあたりに換算すると242円になります。高い品質のわりにコスパもよいフードですが、さらにお得に購入したい方は定期コースで注文すると初回1袋半額で購入でき、2回目以降も割引価格が適用されるのでおすすめです。
「カナガン」はイギリス産のドッグフードです。栄養補給のために使用するビタミンやミネラル以外は無添加なので愛犬に安心して与えられます。
主な原材料はチキンで、チキンがたっぷり50%以上も含まれる高タンパク質ドッグフードなので体に優しいです。グレインフリーなのでアレルギーや消化不良のリスクも軽減されています。
「カナガン」は獣医師推奨フードとして高く評価されているので安全性や健康への効果が信頼できます。オメガ3脂肪酸が豊富なサーモンオイルも配合されているので、毛並みや皮膚も美しく健康的な状態を維持できるでしょう。
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の厳しい基準をクリアした工場で製造されているので製造過程の安全性も高いです。品質テストをパスした原材料のみがフードに使用されています。
100gあたり376kcal。1袋の内容量は2kgで、価格は4,708円です。100gあたりに換算すると235円で比較的コスパも良いのがうれしいですね。定期コースでさらに割引が適用されるのでぜひご確認ください。
「うまか」は国産のドッグフードです。栄養補助のためのビタミンやミネラルを除く人工添加物フリー・着色料フリー・保存料不使用・合成香料不使用を明記しており、酸化防止剤なども一切使っていません。
主な原材料は九州産の華味鳥という鶏肉です。原材料も国産をメインに選んでいるようです。
また栄養を補うために玄米や大麦を使っていますが、小麦は不使用のグルテンフリーなので犬にとって安全です。
グルコサミンやコンドロイチン配合で関節サポートができる点と、ビフィズス菌とオリゴ糖でお腹の健康を守ってくれる点でもうれしい健康効果が期待できます。
100gあたり350kcalです。1袋の内容量は1.5kgで、価格は5,478円(税込)。100gあたりに換算すると365円になります。定期コースに申し込むと初回は3,278円(税込)、2回目以降も10%OFFで購入できるのでお得です。
「安心犬活ドッグフード」は、人工添加物や防腐剤、香料、着色料などを一切使用しない無添加のドッグフードです。
国産の良質な素材を使用し、しっかりと調理された生肉をバランスよく配合しています。肉、魚、穀物などの原材料を、一度に全て加熱することで栄養素の損失を最小限に抑えています。
また、粗悪な原材料を使用しないことで、犬の健康を考慮した栄養バランスを実現しています。さらに、アレルギーや肌トラブルを抱えている犬にも安心して食べさせられるよう、添加物不使用に加えてグルテンフリーも実現しています。
「ペルシアドッグフード」は、国産の無添加ドッグフードです。
人間が食べることのできる食材を使用し、香料、着色料、保存料、合成酸化防止剤、アレルギー物質を使用していません。また、小麦グルテンを使用せず、消化しやすい穀物や繊維質を含む、バランスのとれた食事を提供します。
鶏肉や牛肉、魚などの動物性たんぱく質を豊富に含み、ビタミンやミネラルなどもバランスよく配合しています。また、低脂肪、低カロリーでありながら、高たんぱく質なので、ダイエット中の犬や運動量が多い犬にも適しています。
自然の素材を使用することで、犬の健康維持にも配慮し、安心して食べさせることができます。
「犬猫生活ドッグフード」は、主原料に国産素材を使用し、香料、着色料、保存料、合成酸化防止剤を一切使用していない無添加のドッグフードです。
肉や野菜は新鮮なものを使用し、天然素材の美味しさと栄養素をしっかりと摂取できます。
また、小粒サイズで食べやすく、消化にも良いため、食事の摂取量や消化に悩む小型犬にもおすすめです。
肌や被毛の状態を改善する栄養素も配合しており、健康的で美しいコートを手軽に保つことができます。無添加であるため、安心して与えることができ、愛犬の健康維持に貢献することができるドッグフードです。
プリモは無添加にこだわっているドッグフードです。
肉や魚はミンチにして野菜や穀物と練り込む製法で、多種のタンパク質をバランスよく摂取することで食物アレルギーの予防につながります。
製造時や原材料の加工時には一切の防腐剤、抗菌剤、抗酸化剤、抗カビ剤、色素等無添加で、高級な食材ではなく、犬にとって良いものを選んでいます。
また、小麦では粘度が高くアレルゲンになりやすいので、タンパク質(グルテン)の少ない大麦を使用し、魚粉に含まれるタンパク質は犬にとって優れているため使用しています。加熱は一度だけにし、油の酸化を最小限に抑えることで、犬にとって安心・安全なドッグフードを提供しています。
ナチュロルドッグフードは、天然素材を使用し、化学物質を一切使用せず、無添加である点がセールスポイントです。
具体的には、国産素材を使用し、化学調味料・保存料・合成ビタミン・合成酸化防止剤・合成着色料・抗生物質・防カビ剤・殺菌剤・遺伝子組み換え原料などが無添加です。
また、原材料も高品質で、厳選された肉・魚・野菜・穀物・果物などを使用しています。加熱処理は低温で行い、原材料の栄養素をできるだけ残すように工夫しています。
無添加ドッグフードを比較
10種類の人気のドッグフードは全て添加物の安全性は同じレベルで高いです。ビタミンやミネラルといった栄養補助を目的とした添加物以外は使用していないので、愛犬に安心して食べてもらえる毎日の主食にぴったりのドッグフードだといえます。
品質や安全性に差がない以上、どれがもっとも優れたフードなのかは犬の体質や好み、飼い主さんの考え方によって異なるのでそれぞれのフードが特にどのような犬や飼い主さんにおすすめなのかをご紹介したいと思います。
「このこのごはん」は国産ドッグフードの中から良いものを選びたいと考えている飼い主さんにおすすめです。主な原材料は鶏のささみと鶏レバーで、ささみは低脂肪なのに高タンパクな健康的なお肉として知られています。
低脂肪かつ100gあたり343kcalと低カロリーなので、美味しくごはんを食べながらダイエットがしたい犬にも向いているでしょう。
「うまか」は水炊き料亭が監修したドッグフードで、九州産華味鳥という高品質な鶏肉を使用しています。チキンが大好きな犬にはたまらないフードなので、ぜひ食べさせてあげてください。
100gあたり350kcalと低カロリーなので、体重コントロールもしやすいです。関節サポートに効果的なコンドロイチンやグルコサミンを配合しているのでシニア犬にもおすすめです。
「モグワン」はペット先進国であるイギリス産のドッグフードです。チキンとサーモンをメインに使用し、高タンパクなので食いつきの良さも期待できます。累計200万個を販売している大人気のドッグフードなので、一度は愛犬にも試してみたいという方も多いのではないでしょうか。
必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸もバランスよく配合されているので、艶のある美しい被毛や健康的な皮膚を維持できます。食いつきの良さが評判で、人気のあるドッグフードを選びたい方におすすめです。
「カナガン」も高品質かつ安全性の高いイギリス産ドッグフードです。チキンをたっぷり使用している高タンパクフードなので、チキン好きの犬は食いつきの良さが期待できます。
品質や安全性が確かな割にコスパがよく、継続して購入しても経済的な負担にならないのがうれしいです。国産にこだわらず品質や安全性と同じくらいコスパも重視したい飼い主さんにおすすめです。
「ナチュロル」は国産ドッグフードです。メインのタンパク源に牛肉、鶏肉、馬肉、魚肉とバラエティー豊かな肉類を使用しているので栄養満点でアレルギー対策にもなっています。
安定・持続型ビタミンCや乳酸菌、オリゴ糖などの体にうれしい成分が配合されているのもポイントです。とてもおすすめのドッグフードですが、100gあたり400kcalと比較的高カロリーなのでダイエット中の犬には不向きです。また100gあたり412円と値段が高めなのも難点なので、コスパ重視の方にもおすすめできません。
愛犬の好みの原材料が使われているものや求めている成分が配合されているもの、ダイエットが必要かどうか、国産にこだわるかどうか、コスパをどれくらい重視するかなどを基準に最も適していると思うドッグフードを試してみてください。
無添加ドッグフードで国産の良いものは?
国産の無添加ドッグフードは、添加物を極力避けたい飼い主さんや、原材料の信頼性に重きをおいている飼い主さんにおすすめです。国産であるため、原材料の品質や製造過程の管理がしっかりしていることが期待できます。
無添加ドッグフードは、保存料、着色料、香料などの添加物が含まれていないため、アレルギーや消化器系の問題を抱える犬に適しています。しかし、無添加だけで選ぶのではなく、栄養バランスや犬の個々のニーズに応じた選択が重要です。
以下の記事では国産のドッグフードについて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
無添加ドッグフードでグレインフリーのおすすめは?
無添加でグレインフリーのドッグフードは、穀物アレルギーや添加物に敏感な犬に適しています。
オリジンやアカナ、ナチュラルバランスあたりがおすすめですね。
どれも高品質な肉類を主成分とし、野菜やフルーツも含まれるバランスの良いドッグフードです。添加物を極力使用しておらず、グレインフリーです。
グレインフリーのドッグフードは以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。