ドライアイって?
ドライアイの正式な病名は、「乾性角膜炎」と言います。
涙の量が減ったり、なんらかの原因で涙の質が低下して、目の表面を潤す力が低下した状態、あるいは、目の乾燥がさらに進んで、目の中で炎症が起きてしまうと言った状態が「ドライアイ」になっている状態です。
「たかが、目が乾燥しているだけでしょ?」と放置してはいけません。
ドライアイは、重症化すると最悪、失明してしまうことすらあるのです。
犬のドライアイの症状とは?
- いつも目が乾いている
- 目が充血していることが多い
- いつも目やにが出ている
以上のような症状が頻繁に出ている時は、ドライアイかも知れません。
素人判断せず、愛犬の目に異常があると思ったら、すぐに獣医さんに診て貰いましょう。
ドライアイを引き起こす原因は涙?!
犬も涙を流す…?!
愛犬が、飼い主さんに必死におねだりしたり、叱られてとても落ち込んでいる時など、愛犬の目が涙で潤んでいるのを見たことはありませんか?
犬が人間のように、感情の起伏が原因で涙を流す…といったことがあるかどうかは分かりませんが、犬の目も涙を作り出すことが出来る機能が備わっています。
人間の目にも、犬の目の中にも、「涙腺」と言う器官があり、そこから分泌された「涙」は、目の中に入ったホコリを洗い流したり、目の乾燥を防いだり、目の表面に栄養を行き渡らせると言った役割を果たします。さらに、目の中に侵入してくるバクテリアや細菌から目の粘膜を守ると言う働きもあります。
もしも、涙が流れなくなったら、目にホコリが入ったら、ずっと流れずに眼球の中に留まり、目の表面を傷つけてしまうでしょう。
さらに、細菌も繁殖しやすい状態になっているので、目の中の傷はあっというまに重症化し、最悪の場合、失明してしまうかも知れません。
つまり、涙が正常に分泌されるかどうかは、目の健康にとって、とても大切なことなのです。
ドライアイの原因となる3つの原因とは?
涙は、一見するとただのしょっぱく生暖かい水ですが、実は「水分」「粘液」「油」がバランスよく含まれている分泌液です。
特に、「粘液」「油」には、目にとってとても大切な成分を含んでいます。
しかし、ただ涙の量が出ていれば問題ないと言うわけではありません。
目を健康に保つには、成分のバランスも含めて、涙が正常に分泌されているかどうかが重要です。
1.涙の成分
人間の目にも、犬の目にも、マイボーム腺という器官があります。
このマイボーム腺からは、涙がすぐに蒸発しないための油が分泌されています。
ドライアイになる原因の一つとして、この油の分泌に問題が起き、涙の中の油分が減ってしまうことが挙げられます。
2.涙の量
涙の分泌量が減っている、という事です。
どんなにバランスが整っている涙でも、分泌されなければ、目は乾燥してしまいます。
3.涙の粘度不足
涙の中には、ムチンと言う成分が含まれています。
このムチンは、目の表面にある「角膜」を覆っています。
もし、ムチンの分泌が減少すると、角膜の上で広く広がることが出来なくなり、目が乾燥しやすくなって、ドライアイになります。
ドライアイの予防法
ドライアイを完全に予防する方法は、ありません。
いつも目やにが出ている、目が赤い、目に違和感を感じている様子が見られるなど、愛犬の目になんらかの異常があると思った時は、必ず、獣医さんを受診しましょう。
今回、「ドライアイの予防法」としてご紹介する方法は、獣医さんを受診し、なんらかの支持を受けたうえで、ドライアイを悪化するのを食い止める、あるいは、獣医さんに処方された薬の効果を最大限に引き出すための手当てだと考えましょう。
常に目の周りを清潔に保つ
散歩の後、就寝前、寝起きなど、最低でも一日一回は、目の周りを常に清潔に保つように心がけましょう。ぬるま湯で濡らしたガーゼか、柔らかいタオルで目の周りを拭います。
そうすることで、飼い主さんは最低でも一日一回は、しっかりと愛犬の目の状態を確認、観察することが出来ます。
「いつもより充血している」「いつもの目やにとは違う色をしている」など、悪化した時にいち早く気が付くことが出来ますし、また、逆に処方された点眼剤などが効いているかどうかの確認も出来ます。
目の周りのマッサージ
人間の女性が美容のために行う「蒸しタオル」を使ったマッサージです。フェイスタオルを見ずに濡らして固く絞り、500w~600wの電子レンジで1分ほど温めて「蒸しタオル」を作ります。
涙の粘液成分である「ムチン」の分泌促進と、涙の油分を分泌させるマイボーム腺が詰まらないようにほぐすために、愛犬の目に温かい蒸しタオルを当てて、優しくマッサージします。
まとめ
ドライアイか、別の目の病気かどうかは、獣医さんに診察を受け、検査を受ければわかります。免疫が関与していることもありますので他の症状も併せて考える必要があります。 また、人間のお医者さんなら、皮膚は皮膚科、歯は歯科、出産は産婦人科とそれぞれ専門分野に分かれていますが、獣医さんは総合的に診察してもらえるけれど、本当に専門的に診察して貰うには、その分野を得意としている先生に診察をしてもらうほうがより安心できる場合もあります。特に、眼科や歯科、東洋医学に関してなどは、獣医さんの知識や経験によって、受けられる治療方法が変わってくるので、かかりつけの獣医さんが眼科を得意とされていないのであれば、眼科を得意とする獣医さんを紹介してもらうか、自分で探して受診しても良いのではないかと思います。