犬の乳腺腫瘍の手術について
犬も私たち人間と同じようにガンを発症し、ガンによって亡くなる犬も決して少なくはありません。犬が発症するガンの中でも、乳腺腫瘍はとくに多いガンであるとされています。
乳腺腫瘍の手術を行う場合、どのような手術方法が用いられるのか、手術にかかる費用はどれくらいなのか、入院が必要なのかなどについてご紹介したいと思います。
犬の乳腺腫瘍の手術方法と費用について
- 1.しこりのある乳腺のみを切除する
- 2.しこりのある乳腺と、関係性の深い乳腺を切除する
- 3.しこりのある片側の全ての乳腺を切除する
- 4.全ての乳腺を切除する
上記のような4つの手術方法が用いられることがあります。
乳腺腫瘍の切除する範囲によって手術の難易度が異なり、手術の内容・手術にかかる費用・入院の有無・入院が必要な日数なども大きく異なります。
犬の乳腺腫瘍の手術にかかる費用
手術の内容・手術にかかる費用・入院の有無・入院が必要な日数などによって大きく異なるため一概には言えないのですが、5万円~数10万円といったように大きな差が生じることがあります。
手術費用には、手術前に行われる検査にかかる費用・病理検査にかかる費用・入院にかかる費用・抜糸にかかる費用なども含まれています。
小型犬と大型犬とでは大型犬の方が費用が大きいでしょうし、入院が必要な日数が多ければ多いほど費用は大きくなるでしょうし、最も安い5万円は日帰りが可能な場合のみである可能性が高いです。
「いきなり手術にかかる費用を聞くのはどうなのだろうか…」
そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまりにも料金が安い場合や高い場合、料金に疑問や不安を感じる場合には、セカンドオピニオンを受けてみても良いと思います。
通院の可能性と費用
手術をしたら終わりではなく、通院しなければならない可能性もあります。
基本的には「手術」→「経過チェック」→「抜糸」となると思いますが、傷の治りが遅い場合や傷口が化膿してしまった場合や、飼い主さんが傷口のケアをしてあげることができない場合には、通院しなければならない可能性が高いでしょう。
良性の乳腺腫瘍と悪性の乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、腫瘍を見ただけでは良性のものなのか悪性のものなのかを判断することができません。手術によって切除された腫瘍を病理検査し、良性のものなのか悪性のものなのかを判断します。悪性のものである場合、抗がん剤を用いた治療が必要となることがあります。
また、再発や転移の可能性も決して避けることはできません。定期的な検診を受けることになるでしょう。
術後のケアについて
抜糸までの間、介護が必要になる可能性があります。なに不自由もなく普段通りの生活ができる犬もいます。お散歩や運動は控えた方が良いのではないでしょうか。お外でなければおトイレができない場合はおトイレのために連れて行ってあげても良いと思います。獣医さんに相談してみましょう。
食欲がない場合には、食事の回数を増やして少しずつ与えたり、やわらかいフードを与えるなどすると良いでしょう。傷口の消毒やケアを飼い主さん自身で行わなければならないと思いますが、嫌がって暴れるなどする場合には獣医さんに行ってもらうと良いでしょう。
傷口の消毒やケアは最も重要なのではないでしょうか。傷口から細菌やウイルスが侵入し、感染症を発症してしまう可能性を考えることができるからです。
まとめ
末期である場合や転移してしまっている場合、完治はとても難しいと思われます。完治させることよりも悪化させないための治療が優先される可能性があります。
治療法には、抗がん剤治療や放射線治療が用いられます。早期発見と完治のためにも定期的な健康診断を受けさせてあげましょう。