長毛種の犬がかかりやすい病気とは?症状や予防法まで

長毛種の犬がかかりやすい病気とは?症状や予防法まで

長毛種の犬がかかりやすい「目の病気」と「皮膚の病気」について、原因・症状・治療法・予防法などをご紹介しています。とくに皮膚の異常には気づきにくいため、普段からこまめにチェックしてあげましょう。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

長毛種の犬がかかりやすい目の病気

赤いリボンとヨークシャーテリア

長毛種の犬がかかりやすい目の病気には「結膜炎」「角膜炎」があります。結膜炎も角膜炎も原因はほとんど同じであり、細菌・ウイルス・寄生虫・アレルギー・ホコリなど、外傷性のものと非外傷性のものがあります。

特に長毛種の犬が気を付けたいのは、毛が目の中に入ってしまい、異物による刺激によって目を傷つけてしまい、結膜炎や角膜炎になってしまうことです。毛が目の中に入ってしまい、痛みや痒みから前足で目を擦ってしまう犬がいますが、結膜や角膜が傷つくだけではなく、炎症が引き起こされてしまいます。

うちのポメラニアンも目の中に長い毛が入ってしまっていることがあり、犬自身は何も気にしていないようなのですが、大丈夫かな?と心配でずっと気になってしまいます。ジッとしていてくれる子なので、そーっと取り除いてあげるようにしていますが、嫌がったり暴れたりする子の場合は飼い主さんの手で取ろうとせず、犬自身が気にしていない場合には自然に取れるのを待ち、前足で擦ったりしてしまうようであれば獣医さんに診てもらいましょう。

結膜炎になってしまったら

点眼薬や眼軟膏の投与など内科的治療が行われます。また、結膜炎の原因を根本的に治すための治療も並行して行われる場合があります。普段から愛犬の目の様子をよく観察し、少しでも異常がある場合にはすぐに獣医さんに診てもらいましょう。

まばたきをする回数が多い、涙の量が多い、目ヤニの量が多いなどの症状がある場合も注意が必要です。

角膜炎になってしまったら

抗炎症剤・抗生剤・角膜障害治療剤などの点眼による治療が行われます。非外傷性の角膜炎である場合には、その原因を根本的に治すための治療も並行して行われる場合があります。強い痛みや痒みがあり、前足で擦ってしまう場合にはエリザベスカラーを着けるなどの必要もあります。

抜け毛が目の中に入ってしまうことが原因であることもありますが、目の周りに長い毛が生えており、その毛が目の中に入って刺激を与えてしまうこともあるため、目の周りに長い毛が生えている犬種は、目の周りの毛を短くカットすることで目の病気を予防することができます。

長毛種がかかりやすい皮膚の病気

シャボン玉とポメラニアン

オーバーコートとアンダーコートのダブルコートを持つ長毛種は、とくに換毛期の際に発症する皮膚の病気に注意する必要があります。換毛期になると、皮膚に汚れがたまりやすくなってしまうため、こまめなブラッシングと皮膚の状態をチェックするようにします。

ポメラニアンのように被毛が長く繊細な犬種の場合、皮膚の赤み・湿疹・腫れなどの異常に気づきにくいものです。被毛をかきわけるようにして皮膚の状態をチェックしてあげましょう。

皮膚病の原因

皮膚が不衛生であることが主な原因です。不衛生な環境で生活していること、免疫力が低下していること、皮膚に常在している細菌が異常に繁殖してしまったこと、他の犬や動物からの感染などが原因になることがあります。

また、肝臓病・腎臓病・糖尿病・腫瘍などが原因となり、皮膚にも異常が発生してしまうこともあります。

  • 食物アレルギー
  • ノミの寄生によるノミアレルギー
  • 花粉やホコリの吸引による吸引性アレルギー
  • 特定のものに触れて起こる接触性アレルギー

このようなアレルギーが原因である可能性もあります。

皮膚病の症状

原因によってどのような症状が引き起こされるかは大きく違います。アレルギーによって皮膚に炎症が起きている場合、皮膚の薄い部分や弱い部分に、赤み・湿疹・腫れなどがみられ、痛みや痒みを伴う場合があります。

また、皮膚への異常だけではなく、目ヤニや涙の量が増えたり、目が充血したり、咳やくしゃみが出たりなどの症状があらわれる場合もあります。細菌感染によって皮膚に炎症が起きてる場合、脱毛やフケやニオイなどの症状がみられることが多くあります。

また、マラセチアなどの真菌(カビ)に感染してしまっている場合には、皮膚に色素沈着があらわれたり、脱毛や脂漏などがみられたりする事もあります。

まとめ

ヨークシャーテリアとポメラニアン

長毛種である犬の場合、皮膚が不衛生な状態になってしまうことを防がなければなりません。おトイレの際にはお尻周りが汚れてしまいやすいですし、こまめにお手入れしてあげて欲しいです。

長毛種であり、さらに毛が多い犬の場合、皮膚の異常に気づかないことが多くあります。長毛種の場合、毎日のブラッシングを欠かさずに行っている飼い主さんが多いと思いますが、その際に毛をかきわけるようにして皮膚の状態もチェックしてみてください。異常がなければ皮膚は白っぽい色やほんのりピンク色をしています。

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