アロペシアX(脱毛症X) とは
アロペシア(Alopecia)は英語で「脱毛症」という意味で、名前の通り毛が抜ける病気です。
犬のアロペシアXは、1977年に偽クッシング症候群としてはじめて報告されました。しかしその後、様々な研究によって数々の病名が提唱されましたが、最近ではアロペシアXと呼ばれています。
過去に提唱された病名
- 偽クッシング症候群
- 成長ホルモン反応性皮膚炎
- 低ソマトトロピン血症
- 去勢反応性皮膚病
- 先天性副腎過形成様症候群
- ポメラニアン脱毛
- 成長ホルモン応答性皮膚炎
- 副腎性ホルモン欠損症
- 毛刈り後脱毛
など20種類以上の病名が提唱されています。
アロペシアX(脱毛症X) の症状
主な症状
- 毛が抜けて育毛障害がおこる
- 色素沈着(肌が黒くなる)
この症状は1歳~3歳未満の、去勢していないオス犬に多くみられます。脱毛部分は全身ではなく、大腿尾側部、頸部または躯幹に発症するのも特徴です。育毛障害がおこっている部分には、毛のミニチュア化を思わせるようなウール様やシルク様が生えることもあります。また、痒みなどの症状は現れないのも特徴です。
アロペシアX(脱毛症X)になりやすい犬種
- ポメラニアン
- シベリアンハスキー
- サモエド
- パピヨン
- シェットランドシープドッグ
- アラスカンマラミュート
アロペシアX(脱毛症X)のチェックポイント
- トリミング時に育毛障害に気が付く
- 最近、毛のボリュームがなくなった
- 最近、毛の艶がなくなった
- 最近、毛質が悪くなった
犬のアロペシアXの症状は、初期段階ではあまり目立たず、徐々に症状が現れるために気が付くのが遅くなります。とくにトリミング時に皮膚の色素沈着などでトリマーから指摘され、来院する飼い主が多いようです。
アロペシアX(脱毛症X)の診断方法
犬のアロペシアXは分からないことがまだ多い病気のため、まずはあらゆる病気の可能性を考えます。そのためアロペシアXと確定するまで、様々な方法で診断します。
診断はとても難しく、また様々な診断方法の結果をみても原因が分からない場合があり、難しい病気です。また様々な検査を行うため、確定するまで多くの時間を必要とします。
アロペシアX(脱毛症X) の治療法
去勢、避妊手術
犬のアロペシアXの治療で一般的にまず行われるのが去勢、避妊手術です。この手術で3ヶ月以内毛が生えてくる場合もあります。ただ去勢手術をしても改善しなかったり、一旦改善しても数年後にまた再発したりすることも報告されているので、絶対に効果があるとは言い切れません。
薬物療法
ホルモン剤やサプリメントなどで治療を行うことがありますが、まだ改善に対する反応は様々です。こちらも一旦改善してもまた再発することがあります。
保湿
育毛障害が起きている場所では皮膚が乾燥している場合が多いため、保湿剤などで皮膚をこまめにケアしてあげます。
アロペシアXはまだ分からない部分が多いため、治療法が確立されていません。日常生活に支障をきたさない脱毛であることも多く、飼い主の中には治療を希望せず服を着せる方も中にはいます。
予防法
犬のアロペシアXの確実な予防法は、まだ見付かっていませんが、去勢、避妊手術をしてあげるのが現在では1番の予防法のようです。去勢、避妊手術はアロペシアX以外にも様々な病気を予防してくれるので、ぜひ愛犬家のみなさんは愛犬に去勢、避妊手術をしてあげるのも、ひとつではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?犬のアロペシアXはまだまだ分からない部分が多く、発見もしにくい病気です。ですが、愛犬がかかってしまった時にアロペシアXの症状を知っておくことで、少しでも早く症状の発見に繋がります。この記事が愛犬家のみなさんのお役に立てれば幸いです。
ユーザーのコメント
女性 ミルク
SNSを通じて、同じ犬舎出身で血統の近い犬何頭かと知り合うことができたのですが、飼い主さんがたみなさん同じような悩みを持っていらっしゃったのです。薄毛の箇所や様子、減り始めた年頃も全く一緒でした。
ふかふかの毛並みに憧れて選んだ犬種でしたが、残念ながら叶いませんでした。しかしそれでもかわいいわが子です。