犬のホルモン異常で引き起こされる病気と症状

犬のホルモン異常で引き起こされる病気と症状

犬のホルモン異常で引き起こされる病気には先天的なもの、後天的なもの、その両方があります。今回は「犬のホルモン異常で引き起こされる病気と症状」についてご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ホルモン異常

検査を受ける犬

犬の病気の一つとして「ホルモン異常」が原因で引き起こされるものがあります。ホルモン異常とはいったい何が原因で、どういった症状が発生するのでしょうか。

人間にもある「内分泌器官」と呼ばれる器官では「ホルモン」という化学物質を放出し、身体の働きをコントロールしています。この内分泌器官は「脳下垂体」「甲状腺」「膵臓」「副腎」「卵巣」「精巣」といった器官にあり、これらのバランスが崩れることで、動物の体に異常が発生してしまいます。

ホルモン異常で引き起こされる病気と症状

注射を打たれる犬

内分泌器官のバランスが崩れた場合、例えば、以下のような症状がでることがあります。

ホルモン性の脱毛症

犬の「ホルモン性の脱毛症」とは、体の各器官や臓器においてホルモンの分泌が異常になり発症する「脱毛」です。これらの脱毛はホルモンの異常によって引き起こされる病気の症状の一つとして見られる場合があります。皮膚病からくる脱毛と違ってこれらの脱毛症における特徴の一つとして「左右対称性」であることがあげられます。ほかにはかゆみがないなども特徴の一つです。

  • 副腎皮質ホルモン異常
  • 性ホルモン異常
  • 甲状腺ホルモン異常

「副腎皮質ホルモン異常」において発症するのは「クッシング症候群」と呼ばれる病気です。この副腎皮質ホルモン異常が起こると、「広く胴体部が脱毛」することに加え、「皮膚への石灰沈着」「皮膚の萎縮と弱化」といった症状が見られます。

「性ホルモン異常」において発症する脱毛症の特徴は局所的な脱毛がみられたり、体幹部のみ脱毛がみられたりします。

「甲状腺ホルモン異常」においては、「甲状腺機能低下症」が発症し、稀に「胴体の脱毛」が起こり、「色素沈着」「にぶい動作」「寒さや暑さへの耐性が減る」「体がむくむ」といった症状が見られます。

糖尿病

ホルモン異常で引き起こされる病気として「糖尿病」もあります。こちらは人間でも多くの方が苦しんでいますよね。犬も人間と同じように、一度発症してしまうと、一生において糖尿病と向き合っていかなくてはなりません。

この糖尿病では「インスリン」というホルモンが減少する、体がインスリンを受け付けなくなるといった理由で発症してしまいます。症状にとして「尿の量が増加」「水分摂取量が増加」「食欲が増加」「やせ細る」といったものが見られます。また、合併症として「白内障」重度になると「昏睡」などもみられるようになります。また、免疫機能が落ちるので「細菌感染症」も起こしやすくなります。そのほとんどが投薬治療を必要とする怖い病気です。

原因としては、遺伝による先天的なものから、自己免疫反応、肥満、ストレスといった後天的かつ環境要因が理由となる場合もあります。

まとめ

病院で診察を受ける犬

今回ご紹介したホルモン異常で引き起こされる病気は犬の一生を左右する、とても怖い病気です。後天的なものについては、飼い主による日頃の健康管理が欠かせません。また、普段から愛犬の異常に飼い主が気付ける状態であることも大切です。

特に高齢の犬の場合、今回のような症状が見られても「年齢のせい」と間違ってしまう場合があるそう。体力が落ちている高齢の犬は様々な病気が命取りになるため、少しでも気になる症状が表れたら病院へ連れていきましょう。

犬は痛みを我慢する動物です。飼い主は様々な犬の病気とその症状を知って、少しでも当てはまるかなと感じる場合は躊躇せずに病院へ連れて行くようにしてくださいね。

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