犬の会陰ヘルニアに男の子は要注意!
- 犬の会陰ヘルニアは腸や膀胱、脂肪などの臓器が飛び出してしまう病気
- 犬の会陰ヘルニアは5歳以上のオス犬に起こりやすい
犬の会陰ヘルニアとは、会陰部の筋肉が離れて隙間が出来てしまうことにより、腸や膀胱、脂肪などの臓器が飛び出してしまう病気です。犬の会陰ヘルニアは5歳以上のオス犬に起こりやすく、猫やメスに起こることは滅多にありません。
犬の会陰ヘルニアの症状
犬の会陰ヘルニアが発症した時の症状
- 犬に会陰部の腫れ、ふくらみ(コブ)
- 便秘または便や尿が出にくくなる
犬の会陰ヘルニアは、飛び出た臓器によっては尿が出にくくなり、嘔吐をします。特に症状が膀胱に出てしまうと腎後性尿毒症や、腸が圧迫されることで起きるショック症状を起こすことがあります。
会陰ヘルニアにかかった犬の多くは、便が出にくくなることで腸に便がたまってしまい、肛門周囲の腫れに繋がります。会陰ヘルニアの程度は症状により様々ですが、愛犬の便が出にくく、苦しそうと感じたら、重症になる前に医者に連れていきましょう。
またコブは犬の会陰部に出来ることが多く、肉眼でも確認できるので、早期発見の為にも日々愛犬を観察してあげることが大切です。
犬の会陰ヘルニアが生じる場所
犬の会陰ヘルニアには、飛び出してくる身体の場所によって4種類に分類されます。
- 坐骨型
- 腹側型
- 背側型
- 尾側型
犬の会陰ヘルニアの中でも最も発症例が多いのが「尾側型」です。尾側型の会陰ヘルニアは犬のしっぽに沿って走っている尾骨筋、肛門挙筋と、肛門の周囲をぐるっと取り囲んでいる外肛門括約筋の間でヘルニアが起こります。
犬の会陰ヘルニアの原因
犬の会陰ヘルニアは、会陰部の筋肉が弱くなることが原因となって発症します。なぜ弱まるのかは解明されていない部分が多いですが、先天性、後天性の原因があると考えられています。
先天性の原因
会陰ヘルニアの好発犬種
- ボストンテリア
- コリー
- ペキニーズ
会陰ヘルニアを発症しやすい好発品種がいることから「遺伝」と何らかの関わりを持っている可能性があると考えられています。会陰ヘルニアの好発犬種にはボストンテリア、コリー、ペキニーズなどが存在します。
後天性の原因
犬の会陰ヘルニアは老化、男性ホルモンの影響、筋力の低下などを引き起こすような病気が関係していると考えられています。
犬の会陰ヘルニアの検査方法
犬の会陰ヘルニアの検査方法には主に直腸検査、X線検査を行います。直腸検査では犬の直腸の変位、筋肉が離れているかなどを確認し、腹部から肛門部にかけてのX線検査により腸や膀胱などの位置を確認し会陰ヘルニアを検査します。また犬の膀胱の位置が不明な場合は、超音波検査などを行い会陰ヘルニアかどうかを検査する場合があります。他にも造影剤を投与して消化管造影や膀胱造影を行いヘルニアの内容がなになのかを正確に確認します。
犬の会陰ヘルニアの治療
犬の会陰ヘルニアの治療には外科的治療または内科的治療を行います。
外科的治療
- 外科手術
- 去勢手術
犬の会陰部の筋肉、飛び出た臓器を通常の状態へ戻すには、外科手術が一般的です。隙間ができた筋肉を縫い合わせたり、隙間に穴をふさぐためのプラグを挿入したり隙間の大きさによって手術方法が変わります。また、会陰ヘルニアは犬の男性ホルモンが何らかの関わりを持っている可能性があるため、去勢をしていない犬の場合は去勢手術も行います。
- 便軟化剤
- カテーテルによる尿路の確保
犬の会陰ヘルニアの症状として、便が出にくくなっていたり、便秘をしている症状に対しては便を緩くする便軟化剤を使用する事があります。また犬の尿が出にくくなっている時には、カテーテルによる尿路の確保などを会陰ヘルニアの治療として一時的に行うこともあります。しかし、この症状は臓器によっては犬の命に関わる可能性もあるので、会陰ヘルニアの外科的治療ができる状態であれば早期に手術するべきでしょう。
犬の会陰ヘルニアの予防法
犬の会陰ヘルニアの予防法には以下の方法があります。
去勢手術
犬の会陰ヘルニアは男性ホルモンと関わっていると考えられているため、犬の去勢手術をしてあげることで会陰ヘルニアの発生率を下げることができます。
適度な運動
犬の筋肉が弱まるのを防ぐためにも、普段から適度な運動をしてあげましょう。ですが犬が既に会陰ヘルニアを発症している場合は進行を防ぐのではなく、悪化させてしまうこともあるので医師の判断にしたがいましょう。
犬の会陰ヘルニアについてのまとめ
犬の会陰ヘルニアについてご説明させて頂きました。
- 会陰ヘルニアの症状:会陰部の腫れ、便秘、便が出づらい
- 会陰ヘルニアの先天的な原因:遺伝によるもの、男性ホルモンによるもの
- 去勢手術と普段の運動から予防する事ができる
犬の会陰ヘルニアは原因がまだまだ分かっていない病気のため、予防方法が少ない病気のひとつです。そのため私達飼い主はしっかりと犬の病気について知識を持ち、愛犬の会陰ヘルニアなどの病気の早期発見に繋げていきたいですね。
ユーザーのコメント
女性 ミサ
女性 ゴン吉
腸内にできた袋部分が圧迫している状態なので便が出にくいです。定期的な浣腸や、フードの見直しをして便が出やすくなるように対策しています。腸内環境を整えることも大事です。
50代以上 男性 匿名
30代 女性 ベル君
最初はトリマーさんが肛門腺出づらいので病院行く機会があったら診てもらった方がいいかもから始まりました。病院へ行って、その事を伝えると肛門腺ではなく会陰ヘルニアとの診断でした。セカンドオピニオン受けるなら受けてもらって構わないとの事でしたので、犬友さんたちに聞き回ってセカンドも受けました、結果は同じ診断でした。セカンドを受けた病院で会陰ヘルニア手術と去勢を受けました。術後、最初の排便の時は痛がるんじゃないか?とか心配しましたが、すんなり排便ができました。
会陰ヘルニアの症状は、肛門横(尻尾付け根辺り)がプックリしてきて排便も小指の先ぐらいしかでなくなってきて急いで病院へ行きました。(1回目は先生が便をかき出してくれて。穴も小さかったので、もし2回目なったら手術しましよう。とのことでした。2回目なったときに先生に手術お願いしました。)
術後1週間経ちましたが、傷口もキレイで間もなく抜糸です。
50代以上 女性 いちぞうさん
その時に会陰ヘルニアと診断され、翌月に手術。未去勢の雄がかかりやすい病気と言われ同時に去勢も行いました。
肛門の形が変形してしまい、オナラの音も出るし、排便後に必ず便が付着し洗浄と清拭しています。
便の付着しやすい毛はカットし、ペットボトルのキャップに1ヶ所キリで穴を開け、人肌のぬるま湯を入れ、ペットシーツの上でペットボトルのお湯をチョロチョロかけながら、赤ちゃんのお尻拭き(ペット用より安いしお肌にも良いので)を2枚使用し便を洗い流します。拭き取りは小さ目のタオルを使用。
悩んでいる飼主さんがいましたら、ご参考にまでに。