犬のジアルジア症とは

「ジアルジア」とは、主に小腸に寄生する寄生虫(原虫)です。ジアルジア症とは、ジアルジアの感染によって引き起こされる病気で、主な症状は消化器症状です。
多頭飼育場の環境がジアルジアにいったん汚染されると排除することが難しくなります。犬のジアルジアは、人に感染する可能性があるため、愛犬がジアルジア症になってしまった時は、糞便の処理は手袋を装着して速やかに行うようにしましょう。
犬のジアルジア症の原因

寄生虫の経口感染
ジアルジアは、小腸に寄生する寄生虫(原虫)であり、シスト(8~12×6~8μm)とトロフォゾイト(9~20×6~10μm)の2つの形態があります。
シストは直接的に宿主(犬)へ病害をもたらすことはありませんが、外界に排泄された時点で既に感染力があり、新たな宿主による経口摂取を待ち構えている状態になります。
そのため、シストは環境や消毒薬に耐性があり、外界で長期間の生存が可能になります。ペットショップ、繁殖施設、保護施設などの多頭飼育場で感染率が高いことが知られています。トロフォゾイトは鞭毛を用いて腸管内を移動しながら宿主に病害をもたらすことが知られています。
犬のジアルジア症の症状

消化器症状
ジアルジア症になると、軟便、下痢、粘液便、血便などの消化器症状が見られます。ジアルジアが放出する分子や宿主の低栄養や免疫低下、腸内細菌叢の変化が発症に関係していると考えられています。重症化することはあまり多くはありませんが、他の病原体と重複感染している時は注意が必要です。
子犬によく見られる
成犬が症状を示すことはあまり多くはありません。症状が見られるのは主に子犬ですが、子犬であっても不顕性感染(病原体が感染していても発症していない状態)が多いとされています。
犬のジアルジア症の治療

ジアルジア症の診断は、糞便検査によりトロフォゾイトやシストの検出をします。また、糞便中のジアルジア抗原検出やPCR法を用いたジアルジア遺伝子検出でも診断することが出来ます。
駆虫薬
ジアルジアの治療には、ジアルジアに効果のある駆虫薬を内服することで行います。ジアルジアに効果のある駆虫薬は複数あるため、動物病院によって処方されるお薬が変わることがあります。
これらの駆虫薬は、過剰投与によって神経症状を発現することがありますので、動物病院の指示に従い、用法・用量は必ず守りましょう。
不顕性感染(病原体が感染していても発症していない状態)の場合も、人獣共通感染症であること、環境のシスト汚染のリスクをコントロールすることを考慮すると駆虫薬を投与することが推奨されています。
再発が多い
1クールを5日間とする場合が多いですが、1クールの投与で完全に駆虫することは難しいため、糞便検査による確認を繰り返しながら3~4クール投与する場合が多いです。ジアルジアは、一定の世代毎に抗原変異を起こすことが知られています。
そのため、環境中にシストが残っていると再感染を生じる可能性が高くなります。環境中のシスト汚染をコントロールするためには、熱湯処理が理想的であるとされています。
まとめ
ジアルジア症は、ジアルジアの単独感染では駆虫薬の投与や対症療法によって改善が見られます。
愛犬が迎えたばかりの子犬の場合、軟便や粘液便が見られたらジアルジア症の可能性もあるため動物病院で診察を受けることをおすすめいたします。



