あなたは、狂犬病予防について知っていますか?
春が近くなると、狂犬病予防接種、ワクチン、フィラリア予防、ノミ予防などなど、我が仔のためにやらなければならないことがたくさんできてます。
その中でも狂犬病予防法で接種が義務付けられている狂犬病予防接種について、確認しておきましょう。
そもそも狂犬病って?
狂犬病は『狂犬病ウイルス』によって感染する感染症ですが、犬だけでなく人も含む哺乳動物に感染する人獣共通感染症です。
人も犬も有効な治療方法はなく、発症すればほぼ100%の致死率を持っています。
「狂犬病」と聞くと、犬が感染し、狂躁状態になることと思われるかもしれませんが、病期によって、3つにわけられます。
一つ目は、『前駆期』。 この時期は、症状は曖昧です。発熱や、行動の変化などがみられます。
二つ目は『狂躁期』。
過剰に興奮し、吠えたり攻撃的になり目の前にあるものすべてに噛みついたり、まさし狂犬の症状を示します。
三つ目は『麻痺期』。
後ろ半身の麻痺がおき、どんどん麻痺が進行していきます。そして、咽喉頭麻痺がおこり呼吸困難などがおこります。数日で昏睡におちいり、そして、呼吸器が麻痺して亡くなってしまいます。
人への感染は、犬、猫、狐、アライグマ、コウモリなどがあげられます。
主な感染ルートは、感染した動物の唾液です。
咬まれたり、傷口をなめられたりすることで感染の可能性が出てきます。
媒介例の9割が犬からなので、犬の登録や狂犬病予防接種がどれだけ大切かがわかるかと思います。
日本で狂犬病に感染することあるの?
狂犬病予防法が昭和25年8月に制定される前は、日本でも多くの犬や人が狂犬病に感染し死亡しました。
そのような中、狂犬病予防法が施行され、犬の登録や予防接種が徹底されたことでわずか7年で狂犬病を日本国から撲滅できたのです。
それから60年、日本での発症はありませんが、世界で感染が確認されていない国はオーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国だけで、ほどんどの国で感染する可能性があります。
同じ島国の台湾でも2013年にイタチアナグマから感染が確認されていますし、日本でも2006年にフィリピンへ渡航した日本人が、帰国後発症し死亡しています。
愛犬だけでなく、人や他の動物たちを守るためにも、持ち込まないこと、万が一のために予防接種で愛犬を守ることが大切です。
狂犬病予防にむけて
登録
犬を我が家へ迎えたら、生後91日以上たってから30日以内に市町村へ登録して鑑札の交付を受けましょう。
引っ越しをされる場合には登録内容の変更手続きが必要です。
動物病院でも手数料はかかりますが、登録、鑑札交付は可能です。
狂犬病予防接種
最初の接種は生後3ヶ月後ごろ接種するのが基本ですが、この時期は混合ワクチンの接種が優先されるので、接種時期をかかりつけ医と計画するといいですね。
その後は、3月ごろ登録先にハガキが届きますので、年1回4~5月に集団接種がありますし、病院ではいつでも予防接種を受けることができます。
この時期に愛犬の体調に心配な点がある場合は無理に集団接種せず、体調が回復してから病院で接種したほうがよいでしょう。また、病院では、わんちゃんが重大な病気にかかっており、獣医師が狂犬病接種で悪化させる可能性があると判断した場合は、『猶予証明』というものを発行してもらえます。
集団予防接種時、興奮しやすい仔は事前に口輪やカラーをしてくるなどの対策をしておきましょう。
普段大人しい仔でも、いつもと違う雰囲気のところでは緊張したり、興奮したりするものです。
飼い主さんが十分に注意してあげてくださいね。
最後に
平成27年度の登録頭数に対して、予防注射率はまさかの71.8%。
狂犬病は21世紀の医療をもってしても、治療法がみつかっていない病気だということを覚えておいてください。
ワクチンを打てば発症を抑えることはできますが、一度発症してしまったら、けいれんや呼吸困難、麻痺などを引き起こして死を待つしかないのです。
『知らなかった、時間がなかった』ではすまされません。
ワクチン接種が実質的な予防、治療法なのです。
大事な愛犬の命を守るためにも、数少ない狂犬病清浄地を保つためにも、狂犬病予防接種は必ず受けるようにしましょう。
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40代 女性 望月雅美
30代 女性 りんたろうママ