「犬の口内炎」とは?
犬の口内炎(こうないえん)とは、口腔内の粘膜などの軟部組織に炎症が生じた状態を言います。犬の口内炎は大きく2つに分けることができ、他の病気に続発して生じる一時的な口内炎を「系統性口内炎」、潰瘍を伴い慢性化した口内炎を「潰瘍性口内炎」と呼びます。
人間の場合、口内炎は放置しておいても自然治癒することが多い口の病気でもありますが、犬の場合は、早期に治療しなければ重症化する可能性も十分にあります。適切な治療を行わず、症状が進むことで舌や歯茎、頬の内側などに症状が拡大し、口の中に激しい痛みが生じることも。特に免疫力や体力が低下しがちな老犬の場合は、痛みや不快感などによって食欲減退、元気消沈と全身に症状が及ぶ可能性も高くなります。
また、犬の口内炎はなかなか治らない状態が続く場合や、再発を繰り返す場合も少なくありません。口内炎の原因によっては、同居している他の犬などにうつる可能性もありますので、口内炎が疑われる場合は、すぐにかかりつけ医を受診しましょう。
「犬の口内炎」原因は?
犬の口内炎の原因についてご紹介します。
- 感染症
- 外傷
- 口腔内トラブル
- 栄養不良
- 疲労
- 加齢
- 免疫力の低下
- 全身性疾患
- ビタミン不足
犬の口内炎の原因について、系統性口内炎の場合は、蓄積した歯石や異物などによる外傷やジステンパーウイルス、レプトスピラなどの細菌感染などによって引き起こされることがあり、歯周病や歯肉炎などに併発することも少なくありません。他にも、糖尿病や腎不全などの腎臓病、尿毒症、アレルギーなどの全身性疾患の症状の一つとして現れることも。
潰瘍性口内炎の場合は、原因が不明なものが非常に多く、未だはっきりと解明されていません。しかし、いずれにしても何らかの原因で免疫力が低下することで、口内炎が生じる可能性が高いとされており、人間同様にビタミン不足や疲労が原因になる場合もあると考えられています。そのため、免疫力が低下しがちな老犬や子犬、歯にトラブルを抱える犬などは特に注意が必要です。
犬の口内炎の症状
- 口元を気にする
- 口をクチャクチャと鳴らす
- よだれ
- 口臭が強くなる
- 口内の腫れ
- 口内の出血
- 食欲不振
犬の口内炎の症状として、口内炎による痛みや不快感によって口元を執拗に舐めたり、何も食べていないのに口をクチャクチャと鳴らしたりすることがあります。更に口内炎の症状が進行すると口の臭いが強くなり、大量のよだれに出血を伴ったり、口内が腫れることで顔周りに触られるのを嫌がったりすることも。この時の口臭は膿のような生臭いニオイであることが多く、犬が舐めた箇所にもニオイ移りする程に強烈になります。
上記のような異変を感じたら犬の口の中をチェックし、赤いポツポツとした発疹や白い水疱、歯茎の腫れやただれなどが見られた場合は早急に動物病院を受診しましょう。この時、歯茎が白っぽく変色している場合は貧血を引き起こしている可能性もあります。症状が重篤化して犬が食事をすると痛いと認識すると食欲が低下するだけではなく、水分摂取までも拒否し始めてしまうこともありますので、早期に治療することが重要となります。
犬の口内炎の治療法
犬の口内炎の治療法についてご紹介します。
基礎疾患の治療
犬の口内炎の治療法については、まず口内炎の原因となっている基礎疾患の治療が優先して行われます。例えば、歯周病や乳歯遺残(にゅうしいざん)などの歯科疾患の治療として抜歯や歯石除去、感染症に対する投薬治療などが行われます。
投薬治療
上記のような基礎疾患の治療の一貫として、または対症治療として抗生剤や抗炎症剤などを用いた投薬治療が行われます。主にケナログ軟膏などの塗り薬が処方されることが多いようですが、ステロイド剤の使用に関して不安がある場合は、薬の種類について獣医師としっかり相談しましょう。
食生活の見直し
犬の口内炎の治療と並行して行う必要があるのが食生活の見直しです。改めて愛犬の食事内容について不足している栄養素はないか、人間の食べ物を与え過ぎていないかなどを確認しましょう。愛犬の年齢や体質に合わせてフードを切り替えるのもいいかもしれません。
犬の口内炎の治し方については、愛犬の体質やその原因、症状によって様々です。犬の口内炎が進行した場合、自然治癒することは稀なので、適切な治療を行えるよう獣医師としっかりと相談しながら治療方法を判断する必要があります。また、犬の口内炎にイソジンを利用した消毒を行うのが効果的であると言われることもありますが、症状によってはかえって悪化させてしまう場合もありますので、獣医師の指示を仰ぐようにしてください。
犬の口内炎の予防方法
犬の口内炎の予防方法についてご紹介します。
口腔内のケア
犬の口内炎を予防するためには、口内環境を清潔に保つことが重要です。歯周病や歯槽膿漏などの口腔内トラブルはもちろん、乳歯遺残や外傷などを放置することによって口内炎を引き起こすこともありますので、日々の歯磨きなどのケアはもちろん、異変を感じたらなるべく早くかかりつけ医に相談しましょう。
ちなみに、犬の口内炎にはちみつの一種であるマヌカハニーが効果的であると言われており、愛犬の慢性的な口内炎の治療、予防に用いる飼い主さんも増えているようです。マヌカハニーは市販されているはちみつの中でも、特に高い抗菌作用を持つことで知られており、その効果は犬に対しても発揮されると評判ですので、一度試してみるのもいいかもしれません。
免疫力の向上
犬の口内炎を予防するためには、体質そのものを改善し、免疫力を向上させることが大切です。日々の良質な食事や適度な運動に加えて、愛犬の体質をしっかり理解してサポートしましょう。現在では、犬の免疫力向上をサポートするサプリメントやフードなども多数販売されていますので、これらを利用して不足しがちな栄養素を補給できるよう心がけたいですね。
犬の口内炎の参考になるブログ
愛犬の口内炎の治療や予防について詳しく紹介されているブログをまとめました。
犬猫の健康のために
こちらのブログでは、犬猫の健康のための様々な情報が掲載されています。前述した「マヌカハニー」についても詳しく紹介されていますので、是非参考にして下さいね。
Cait Sith Underground
こちらのブログは、治らない口内炎に苦しむ愛猫ちゃんの治療について詳しく紹介されています。犬ではありませんが、セカンドオピニオン、薬の選び方、手術への決意などについても詳細に紹介されていますので、とても参考になりますよ!
まとめ
犬の口内炎は、歯の状態とのかかわり合いが大きい病気と言えます。予防するための対策としては、遺残乳歯を不妊手術の際に抜歯しておくこと。歯磨きなどを行って歯石の蓄積や歯肉炎、歯槽膿漏を防ぐことなどが挙げられます。
とは言え、愛犬の口内炎の原因が分からず、再発に悩む飼い主さんも少なくありません。かかりつけ医に相談することはもちろん必要ですが、時にはサプリメントの取り入れや食生活の見直しなどによる体質改善に目を向けることが、口内炎完治への鍵となる場合もあります。実際に愛犬の口内炎に悩む飼い主さんと情報を共有することで、解決策を模索してみるのもいいかもしれませんね。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 queen
歯肉炎などによる雑菌は、心臓に悪さをするとも聞きますので、歯磨きでそういった病気が予防できればと思っています。
これまで犬に口内炎があると考えたことがなかったのですが、これからは気にしてチェックしようと思います。
以前知り合いの犬が、別の病気で病院に行った際に、歯グキがボロボロで歯がぐらついていたため、ほとんど獣医さんに抜かれてしまったと聞いて、犬の歯を死ぬまで守ってやりたいと思っているのです。実際犬は歯が無くても強力な胃酸でごはんは消化できるのでしょうが、どんなに老犬になっても、歯はやっぱり合った方がいいですよね。
30代 女性 まろんママ
20代 女性 てとめる
40代 女性 SUSU
ワンコの歯磨きに苦労している飼い主さんは多いようですね。
近所にある動物病院の獣医さんは、ご兄弟が歯医者さんをされているということもあり、通常の診療も行っていますが、犬や猫の歯の病気が専門とのことで、愛犬の歯の状態を診てもらったことがあります。幸いにも年齢のわりに歯石は少なく匂いも問題ないとのことでした。
歯石が付きやすい、口内炎や歯槽膿漏になりやすいといった体質もあるそうですが、普段の食生活も多少関係があるそうです。
ウチの子はドライフードを食べているから歯石はつきにくいはずと話す飼い主さんは多いそうですが、実際は、水分をたくさん含んだ手作りご飯を食べているワンコの方が口内環境は良い場合が多いと話されていました。(実際、我が家も手作りご飯の割合が多いです。)
診察を受けた際、獣医さんに犬の歯のケアについて詳しくお伺いしてみました。
まず、私が大きく勘違いをしていた点は、犬の歯磨きは人間と違って磨く必要はないということです。
前歯から始めて犬歯や奥歯など、嫌がる愛犬をなだめて頑張って磨いていましたが、磨くことでエナメル質を傷つけてしまうこともあるため、あまりおすすめしないと言われました。
歯と歯の間のポケットと言われる部分に歯周病の原因となる菌が付着してしまうため、ゴシゴシ磨くのではなく、このポケットを綺麗にすることを心がけることが大事とのことです。
最近、動物病院にも歯ブラシにジェルを少しつけて歯に当てて、そのジェルを犬が舐めることによって、口内全体に殺菌効果があるジェルが行き渡る仕組みの歯磨き粉が販売されていますが、これはこの理論から生まれたものだそうです。
我が家では、天然の抗生物質と言われているマヌカハニーを使ったペット用歯磨きジェルを使っています。
少し甘い香りがあり、嫌がらずに歯磨きをしてくれるようになりました。
なお、最近、無麻酔でも出来る歯のスケーリングをしてくれる病院もありますが、歯のスケーリングは歯のエナメル質も歯石と一緒に剥ぎ取ってしまうため、一旦はとても綺麗になりますが、エナメル質が薄くなってしまったことで、余計に歯石が付きやすくなってしまいます。
歯石がたくさん付いてしまっている場合は効果があると思いますが、その後の口内ケアは更に気を使う必要があります。
また、トリミングサロンなどで、ゼオライトを使って歯磨きをし歯石を取ることも行われているようですが、ワンコの体質によっては余計に悪化することもあるため、注意が必要です。
実際、知り合いのワンコさんはこのゼオライトによって歯周病が悪化し、10本以上の歯を抜歯することになりました。改善される場合もたくさんあるようですが、リスクもあるようです。
ワンコのためとはいえ、嫌がる愛犬に毎日歯磨きを行うのは飼い主さんにとっても大変負担になってしまいます。ワンコにとっても飼い主さんにとっても、ストレスなく歯磨きが出来るアイテムがもっとたくさん増えるといいのになと思っています。
40代 女性 澪
40代 女性 おーちゃんママ
女性 すず
女性 からあげ
愛犬の口内環境、歯磨きも毎日やろうと思いながら週に何度かになってしまっています。もっと気を付けないとと反省しました。歯磨きの最後にスプレーをしているのですが、それだけの日が多くて。
女性 けんしろう