犬のインフルエンザとは
犬のインフルエンザとは、犬同士で感染するウイルスによる伝染性呼吸器疾患です。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型があり、犬のインフルエンザはその中のA型にあたります。
犬のインフルエンザは人間と型が違い、「A-H3N8型」と「A-H3N2型」の2種類のウイルスが原因となっています。「A-H3N8型」は、もともと馬のインフルエンザウイルスでしたが、後に犬に感染する型に突然変異を起こしたと言われています。「A-H3N2型」も同様に、鳥のインフルエンザウイルスが突然変異を起こし、犬への感染が広がったようです。
2018年現在、犬のインフルエンザ感染地域は、アメリカや一部のアジア地域での報告があるだけで、日本国内での犬のインフルエンザ感染の報告はまだありません。しかし、新型の犬のインフルエンザ「H1N1」が中国で発見された報告もあり、インフルエンザウイルスは、日々刻々と変化しています。
また、犬のインフルエンザのほかにも気をつけたい感染症として、下痢、嘔吐などの症状がある「コロナウイルス」や、咳や鼻水などインフルエンザの症状に似た「パラインフルエンザ」があります。この2つの感染症にはワクチンがあるので、飼い主の判断に応じて接種してあげましょう。
犬に人間のインフルエンザはうつるの?
人間のインフルエンザはA型、B型、C型があるのに対し、犬のインフルエンザはA型だけです。また、同じA型でも、ウイルスの型が人間と犬では違うので、犬に人間のインフルエンザが感染の可能性は極めて低いです。
人間の風邪においても、人と犬との間では細菌やウイルスの型の違いから、感染しないものとされています。過去の事例として、海外ではウイルスの突然変異により、人間のインフルエンザが犬に移ったという報告があります。
しかし、極めて少ない事例のため飼い主がインフルエンザにかかってしまった場合でも、犬にインフルエンザが移ってしまうのではと過度な心配をする必要はありません。
犬が猫や鳥のインフルエンザにかかることはあるの?
基本的にインフルエンザは動物種の壁は越えないと言われています。しかし、犬のインフルエンザウイルスは、他の動物のウイルスが突然変異を起こしたことにより、犬への感染が広がりました。
そのため、鳥や猫など他の動物への感染が100%ないとは言い切れません。ですが、海外での報告事例は、集団感染がほとんどで、個人のペットで感染したと言う報告はないのですが、注意する必要があります。
犬のインフルエンザの感染経路
犬のインフルエンザの感染経路は、人間のインフルエンザの感染と同じように、飛沫感染と接触感染があります。ドッグランやペットホテル、トリミングなど、犬が多くいる場所は免疫力・抵抗力が落ちているときなどは注意してください。
飛沫感染
犬のインフルエンザに感染している犬のくしゃみ、咳、鼻水からウイルスが空中に飛散することが原因になり、ウイルスが体内に入り感染します。人間のようにマスクをしたり、手で押さえることができないので、感染しやすく注意が必要です。
接触感染
犬のインフルエンザに感染している犬が使った食器や、遊びに使うおもちゃを、感染していない犬が直接使うことにより感染するのが接触感染です。使った食器やおもちゃは使用後にすぐ洗ったり、除菌するなど、飼い主が先手を打って感染を防ぐようにしましょう。
犬のインフルエンザの症状
犬のインフルエンザの症状については、基本的には人間と同じような呼吸器疾患の症状です。しかし、適切な処置をしないで放っておくと命の危険に及ぶ場合もあるので、日頃の体調の変化に気を配り、様子がおかしいときは受診をしましょう。
軽症の場合
湿った感じの咳が長く続くのが特徴です。その他、鼻水、発熱、食欲不振など、風邪の時と同じような症状があります。犬のインフルエンザは、ほとんどがこの軽症型となっており、獣医師の適切な処置を早めに受ければ安心です。
重症の場合
まれに重症になる場合もあり、40℃以上の高熱や、肺炎の兆候があります。肺炎については二次感染による場合もあるようです。インフルエンザの重症型は適切な治療をしないと、犬の命に危険が及ぶので、しっかり受診をしましょう。
犬のインフルエンザの治療法
一般的な治療法としては、対症療法や栄養補給、補液などをおこないます。
犬のインフルエンザの治療法については、現在日本には抗インフルエンザ薬などの犬用のインフルエンザ専門の治療薬がありません。また、人体用の抗インフルエンザ薬の犬への使用も認められていません。
また、細菌感染を伴う場合には、抗生物質などを使い治療をします。軽症の場合、症状が風邪に似ているので、素人では判断がしにくいです。獣医師は、症状の程度と、妊娠、基礎疾患、免疫不全などの有無も考慮したうえで的確な診断を行いますので、必ず診察してもらいましょう。
犬のインフルエンザの予防対策
犬のインフルエンザに対しては、事前の予防接種や感染後の抗インフルエンザ薬などのワクチンが、日本にはまだ導入されていないのが現状です。日本での発症の可能性は低いにしても、免疫力・抵抗力が下がらないよう日々の体調管理が大切です。
バランスの良い食事を心がける
「食が進まずあまり食べてくれない」や「おやつばかりの偏った食事」は免疫力の低下に繋がります。栄養バランスが整った食事を摂ることがとても大切です。また、犬はもともと肉食の動物なので、高タンパク質の食事メニューを心がけることも、インフルエンザ予防法のひとつになります。
適度な運動をする
人間と同じで、犬もストレスが溜まると免疫力が低下します。毎日散歩へ行ったり、広い場所で思い切り遊ばせて適度な運動をしたり、犬が好きなことに付き合うなど、犬がストレスを溜めないような環境づくりも犬のインフルエンザ予防に大切です。
体を冷やさないようにする
犬も人間と同じように、体温が下がることで免疫力が低下します。また、犬種の違いによる個体差や室内外のどちらで飼われているかなどの環境も免疫力に影響します。
特に子犬や老犬は、体温調節がうまくできないことがあります。室内の温度調整や、毛布や座布団などを使い、犬の様子を見ながら飼い主が調整して犬のインフルエンザ対策をしましょう。
犬とインフルエンザに関するまとめ
犬のインフルエンザは日本ではまだ発症していませんが、海外では発症例もあり、いつ日本に入ってくるかもわかりません。犬がインフルエンザにかからないために、食事や運動、冷えなどの体調管理を行い予防をしましょう。万が一感染した場合は、早めに受診し獣医師の適切な診断を受けることで軽症で済みます。
また、インフルエンザに限らず、コロナウイルスやパラインフルエンザなど、注意したい感染症はほかにもあります。日頃の些細な体調の変化に気をつけて、少しでも体調がおかしいときは早めの受診を心がけましょう。
ユーザーのコメント
10代 女性 のんのん
30代 女性 りお
初耳でしたし併せてインフルエンザの症状や感染経路など予防方法がとてもわかりやすかったです。
参考にさせてもらって我が家のわんこも気をつけたいと思いました。
30代 女性 まろんママ
愛犬を守れるのは私たち飼い主だけです。少しでも知識を身につけて、愛犬の体調を気にしながら生活をしたいですよね。
50代以上 女性 IrisAlice
散歩の時はうちのはビーグルなのでずっとクンクン臭いを追いますが、そこに臭いを残した犬からの感染もあり得ますね。
うちのは高齢でもあるし、薬による体への負担を考えたら、必要な成分だけのワクチン接種ができるならそうしたいです。
20代 女性 スー
感染経路はペットホテルやトリミングなど、わんちゃんがたくさん集まるような場所に行くとウイルスを持っていたわんちゃんがいた場合移ることがあります。わんちゃんの抵抗力や免疫力などが低い時だと感染しやすいのでこわいですね。
ですが基本的にわんちゃんのインフルエンザは軽いことが多くそれほど心配なことではないですが、まれに重症化するケースもありますので日頃からよく観察し異常があった場合はすぐに病院へ行きましょう。
40代 男性 eda
初めてのことで驚きましたが、目に見えないウイルスですので仕方ありません。犬が集まる場所へ愛犬を連れて行くことのリスクについてはじめて考えた機会になりました。それはドッグランや散歩中もです、もし感染力の強いウイルスを持った犬がしたオシッコにクンクンと鼻を近づければ感染してしまう恐れがあるということです。
神経質になり過ぎるのはよくありませんが、せめて自分の犬が他の犬にうつしてしまうことのないように気を付けようと思いました。
女性 フルー
女性 白川
うちでは8種混合ワクチンを毎年4月に打っているので予防としては安心です。ただ、そろそろ高齢なので、ワクチンも獣医さんの判断で打てるかどうかになってきてしまいました。それでも動物病院にかかることはあるので、うつらないように、もちろんうつさないように気を付けなくてはなりません。
動物病院には色んな犬猫が来院するので、もしかしたらワクチンを打っていない子もなかにはいると思います。ワクチンによるショックで亡くなる犬もいるので、怖くて打てないという人もいます。
調子が悪くて病院に行くのに、どこに感染症が潜んでいるかわからないので怖いなと思います。
10代 女性 てとめる
30代 女性 空&花
…と思ったらワクチンの証明書にちゃんと書いてあるじゃないか!「犬パラインフルエンザ」というのが犬のインフルエンザということなんでしょうか?
自分が打たせているワクチンの関する病気位、もう少し把握しておこうと反省です。。。
30代 女性 ひまわり
犬インフルエンザは犬が集まるイベント(アメリカではドッグレースの会場など)で流行したようなので、日本でも同じような環境になるドッグランやペットホテルでは注意した方が良さそうですね。
女性 わかめ