痴呆症の症状とチェック方法
はじめに、犬の痴呆症とはどのようなものなのか説明したいと思います。
犬の痴呆症は、正式には『認知機能不全症候群』と言いい、皆さんご存知の認知症と呼ばれているものですね。
正常に発達した知能が、後天的な脳の器質変化によって低下する状態のことを指しています。
これは脳の老化の最終段階ともいえます。症状があきらがになって1~2年でその犬は寿命を迎えるとされていますが、人間同様、初期であれば治療することが可能となります。早期発見で進行を遅らせることが重要です。
症状からわかる犬の痴呆症チェック!
痴呆症とされる主な症状から、愛犬が当てはまらないかどうかチェックしてみてください。
- 夜中に意味もなく泣き続け、制止してもやめない。そのため昼夜逆転のような生活をしている。
- 歩き方おかしい。トボトボ、ヨタヨタしながら意味もなく歩き続ける。前進のみ、円を描きながら歩く。
- 狭いところに入り込んだまま動けなくなる。後ろに下がることができない
- 壁などに頭をつけたまま動けなくなっている
- 部屋の中で自分の居場所がわからなくなる。物にぶつかりながら歩いている
- 方向感覚がつかめなくなり、行きたい方向とは違う方向に行ってしまう
- 何をやっても覚えてくれない。物忘れやしつけ、トレーニングなどで教えたことも忘れてしまっている
- 急に攻撃的になった、または避けるようになった。飼い主さんに対して、同居動物に対してなど
- 留守番ができなくなった
- 飼い主さんが名前を呼んでも反応しない。または何事にも無反応になった
- 床に落ちたものを探せない(フード、おもちゃなど)
- よく食べていて下痢もしていないのに痩せていく
痴呆症は初期の段階では、飼い主さんが見落としてしまうようなこともあります。
ポイントとしては、犬が今まではなかったような思いがけない行動をとることを見逃さないこと。
ただ、注意して頂きたいのは、これらの症状が出たからといってすぐに痴呆症であると決めつけないことです。
高齢犬であるがゆえの体の衰えや不安感、または他の病気から症状が出ている場合もありますので、気になったら必ず一度獣医師の診察を受けるようにしてください。
愛犬の痴呆を予防しよう!
ここでは、愛犬が痴呆症にならないために日頃から気をつけたいことなどについてご紹介していきます。
生活習慣
脳に刺激を与え活性化させよう!
犬の痴呆症予防にも、脳に刺激を与えることは効果的と言われています。市販の知育玩具を取り入れてみるのも良いですが、道具がなくても犬の好物を利用して簡単に脳のトレーニングができます。
片方の手に犬の好物を握り、反対の手は何も持たずに握って犬の目の前に出します。どちらに好物が入っているか当ててもらいましょう。当てられたら褒めて好物を与えます。
慣れてきたら少し難しくし、紙コップを利用してシャッフルして当てさせても良いと思います。
また、室内の数カ所に好物を隠し、探し出してもらうようにすれば、犬の嗅覚が刺激されるのはもちろん、歩くことで軽い運動もできます。
運動や外出を積極的にさせよう!
高齢犬だからといって、運動や外出もさせず1日中寝てばかりでは、体力はもちろん、脳の働きも衰えてしまいます。
もちろん若いときと同じようにというのは無理ですが、ゆっくり時間をかけてでも良いので、歩けるうちは自分の足で歩かせることも大切です。
足腰を支える補助道具を使ってもいいですし、歩行が困難な場合は、ペットカートを利用して外に連れ出すだけでも脳が刺激され、外の空気を吸うことで犬もリフレッシュできます。
スキンシップやコミュニケーションを取ろう!
飼い主さんとの接触が少なくなることも、痴呆を発症させる要因になります。声をかけたり、体に触れたりして適度にスキンシップを取りましょう。マッサージなどをしてあげても良いと思います。飼い主さんのぬくもりを感じることで犬も安心します。
一人ぼっちで過ごす時間が長かったり、刺激のない生活は犬にとっても退屈であり痴呆症になるリスクや進行に大きく影響を及ぼします。
スキンシップを図ると同時に、ちょっとした楽しみや簡単なことでも良いので、仕事などの役割を与えたりするなど、犬の精神を満たしてあげることが何より大切です。
食事
脳に良いとされる栄養素を摂ろう!
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を摂ることは、脳の神経細胞の働きを高めるとされています。
イワシやサバなどの青魚に多く含まれている、この栄養素を積極的に食事に取り入れることをお勧めします。亜麻仁オイルなどの植物性油も良いと思います。
まとめ
犬も年を重ねればどうしても日中寝ている時間が増え単調な生活になってしまうものです。
しかし、昼間は外で太陽の光に当たり活動させ、夜は疲れてぐっすり眠るという生活リズムの基本を作ることが、犬の痴呆症に多いとされる『夜泣き』や『昼夜逆転生活』を予防することに繋がります。
毎日の声かけやスキンシップを習慣化し、痴呆症の兆候を飼い主さんがいち早く察知して、予防と早期発見に努めましょう!
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