犬が寝たきりになる原因
愛する愛犬が「歩けなくなったら…」、と考えるとゾッとしてしまいますよね。老犬が寝たきりになる原因は、もちろん加齢とともに病気にかかりやすくなるというものありますが、体力や筋力の衰えから、あまり動けなくなるというのもあると思います。
また年齢の若い犬でも、病気が原因で寝たきりになってしまう危険性もあるようです。犬が寝たきりになる原因は年齢だけではなく、病気や遺伝的要因、生活習慣なども関係しているよう。どんな症状であれ、愛犬の異変にいち早く気づき、病気を早期発見することで寝たりになってしまうことを防ぐことができるはずです。
犬が寝たきりになる2つの病気
股関節形成不全
股関節形成不全とは犬の股関節がうまく発育しないことで、股関節自体が変形してしまう病気。歩き方がおかしくなる、また脱臼や関節炎を併発することが多いため、痛みを生じることもあります。早期発見し早期治療を開始できなければ、最悪は歩けなくなることもあるので、寝たきりになってしまう可能性もゼロではないでしょう。
股関節形成不全は飼い主さんが愛犬の歩き方の異変に気づき、病気が見つかることが多いと言われています。股関節形成不全の歩き方の特徴としては、股関節を動かさないで歩くため、歩幅が狭く、腰が左右に揺れる。また股関節をかばうため、前脚に重心をかけ、左右の後ろ脚でウサギのように跳ねる走り方をします。
その他、歩く時によろめく、走ったりジャンプをしない、立つ座るの行動が辛そう、などが主な症状。継続的な運動も嫌いますが、必ずしも痛みがあるわけではなく、関節炎を併発してしまうと痛みが生じます。肥満が関節炎の症状を悪化させる大きな原因となりますので、体重管理には注意が必要です
股関節形成不全の原因はほとんどが遺伝的要因と言われています。全ての犬種に発症の恐れがある病気ですが、どちらかというと大型犬に多く見られるようです。多発犬種はラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバー、またジャーマン・シェパードやバーニーズ・マウンテン・ドッグなど。
生後4ヶ月から1歳になるまでの間に発症するケースが多いようですが、遺伝的要因で子犬の頃から股関節形成不全であっても、症状が出るのは1歳を過ぎてからのことが多いようです。多発犬種に関しては、骨の成長が止まる1歳~2歳の間にレントゲン検査を受けて、股関節の状態を確認しておくと良いと言われています。
椎間板ヘルニア
犬を飼われている方であれば、椎間板ヘルニアは気になる病気ではないでしょうか?犬は動物の中で椎間板ヘルニアを、発症しやすいと言われる生き物です。椎間板ヘルニアとは、椎間板と呼ばれる背骨の骨と骨の間でクッションの役割をするゼリー状の組織が、様々な原因で突出してしまい、神経を圧迫する病気です。
首から腰まですべての背骨で発症する可能性がありますが、神経を圧迫されることで強い痛みがあること、またヘルニアが起こった場所によっては、四肢に麻痺が起こり歩けなくなってしまう可能性もあります。
椎間板ヘルニアの原因は、老化や外傷、ジャンプなどの激しい運動、また遺伝も関係していると言われます。予防としては、やはり太らせないこと。標準体重をつねにキープして、適度な運動で筋肉も付けておくと良いでしょう。また犬の足元が滑ると足腰に負担がかかってしまいます。ご自宅の床材は愛犬が滑らないものを用意してあげましょう。
椎間板ヘルニアの治療は軽度な場合は、ストロイドの経口薬で炎症を抑えることもありますが、重症度によっては手術で根治を目指す治療をすることもあります。術後の症状は良くはなるものの、麻痺が残る可能性もあるよう。麻痺が残った場合は、愛犬と共に飼い主さんも一緒にリハビリを頑張ることで、寝たきりになってしまうことを防ぐことができるかもしれません。
まとめ
この病気にかかったら、必ず寝たきりになってしまうという病気はないようです。逆に言うと、病気の症状に気づかず、放置してしまうと、どんな病気でも寝たきりなってしまう可能性があるのかもしれません。
関節に症状が出る病気だと、肥満は大敵になります。適度な運動でしっかりと筋肉をつけ、体重管理や健康管理をすることで、多くの病気を防ぐことができるはず。また、高齢になったときに、寝たきりにならないためにも、体力や筋力をつけておくと良いと思います。