犬の危険なおしっこの特徴①色の異常
健康的な色
犬の健康管理の一貫として、おしっこのチェックをする場合はまず色の確認からしましょう。健康的なおしっこの色はにごりのないうっすらと淡い黄色です。
1回ごとのおしっこで色の濃淡はありませんが、膀胱に溜まっている時間が長いと色が濃くなる傾向にあるため、朝一番のおしっこは普段よりも濃い黄色になりやすいとされています。
色の濃さについては水分を多く取ったり、薬やサプリメントを摂取したりすることで変化しますが、食生活などに変化がないにもかかわらず色が濃いまたは薄いと感じることが続く場合は動物病院で相談してみるといいでしょう。
異常と言える色
明らかに濃い黄色やにごりのある黄色のおしっこの場合は膀胱で細菌が繁殖していたり、腫瘍ができていたりする場合があるので注意が必要です。
さらに濃くなりオレンジ~茶色がかったおしっこになっている場合は、肝臓機能の低下やたまねぎ中毒による溶血性貧血などを起こしていることが考えられるのですぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
フィラリア症予防が定着してきましたが、フィラリアに感染した犬の急性症状で「大静脈症候群」という病気があります。
この場合、おしっこの色が濃いオレンジ色になり症状が進行するにつれお醤油のような色になります。命にかかわる状態ですので、フィラリア症と診断された場合はおしっこの色は必ず確認してください。
また、おしっこが緑色に見える場合には緑膿菌という細菌感染を起こしている可能性があります。膀胱炎や前立腺炎を引き起こす細菌で、緑色の色素を出す特徴があるためおしっこの色で見つかりやすいと言われています。
犬の危険なおしっこの特徴②異物がある
犬のおしっこの色をチェックするとき、おしっこの中に何か異物が混ざっていないか確認することも大切です。おしっこがキラキラと光って見える場合には、結石になる前段階での結晶が出ている可能性があります。
おしっこに含まれるミネラル分が溶けきらずに結晶になってしまい、細かな結晶から握りこぶしサイズの結石がつくられる尿石症の症状で、結石がつくられる部位によって、腎結石、膀胱結石、尿管結石、尿道結石と呼ばれます。
尿管や尿道に大きな結石ができて詰まってしまうと、おしっこを出せず毒素が体内に溜まって命に関わる病気である尿毒症になってしまう危険性があります。結晶としておしっこと一緒に排出されている段階で発見することができれば、適切な治療を早期に受けることができるでしょう。
また、おしっこに赤い点が混ざっている場合は膀胱炎や前立腺炎、腫瘍などによって出血している可能性が考えられます。おしっこ全体が血で赤く染まった血尿状態になる前に、少しでも血が混じっている様子が見られたら動物病院で相談するようにしてください。
犬の危険なおしっこの特徴③量・回数の変化
犬のおしっこの色に異常が見られない場合でも、普段に比べておしっこの量や回数が極端に多いまたは少ない場合にも病気などのトラブルが起きている可能性があります。おしっこの量や頻度は飲む水の量や食事内容、気温などによっても変動しますが、生活や環境に変化がない場合には特に注意が必要です。
おしっこの量が少ないだけでなく、何度もトイレに行ったりおしっこのポーズをとっているのにおしっこがあまり出ていない様子が見られた場合は、膀胱炎や尿路結石になっている可能性が考えられます。
膀胱炎や尿路結石などの場合は、痛みを感じることも多いため動きが鈍くなることもあります。結石などで排出できない尿が腎臓に逆流し、体内に毒素が回って命に関わる場合もある非常に危険な病気です。
反対に水分を多く取りおしっこの量が増える場合は、腎臓で尿が濃縮できなくなっている可能性が考えられます。また、ステロイド剤を服用している場合の副作用としてあらわれる場合もあります。
まとめ
言葉で体の痛みや異常を伝えることのできない犬たちの健康状態を知るために、おしっこやうんちといった排泄物はとても重要なものです。くさい・汚いとついつい見ないようにササッと片付けてしまう人も多いと思いますが、おしっこやうんちは健康のバロメーターです。
食欲の有無と同じくらい、犬の健康状態が反映されやすいのでぜひ日頃から色や状態、回数などを観察することを習慣づけてくださいね。