犬は視力が低下しても普通に動ける!?
犬の目が見えなくなってしまう原因は、病気、また先天的な疾患や老化などがあります。その他、他の犬と遊んでいる時に怪我をしてしまった、また交通事故などによる外傷で視神経がダメージを受け目が見えなくなってしまうことも…。
犬は人間より優れた五感である、嗅覚や聴覚などを活かして日々行動しているため、視力が低下しはじめても、あまり日頃の動きに変化がないこともあります。
そのため、飼い主さんが愛犬の目の異常に気づけないことも少なくありません。どんな病気も治療には早期発見が大切です。目の病気を中心に犬の目が見えなくなってしまう原因をいくつかご紹介していきます。
犬の目が見えなくなってしまう原因3つ
白内障
犬も人間と同じく年齢を重ねることで病気にかかりやすくなります。目が見えなくなってしまう恐れがある白内障もそのひとつ。白内障とは水晶体が白く濁って、少しずつ視力が低下していく病気。多くは高齢による水晶体に含まれるたんぱく質の変性が原因と考えられ、10歳前後に発症することが多いようです。
しかし、糖尿病による代謝異常が原因で発症するケースや、外傷や遺伝が原因になる場合もあるので若い年齢の犬が発症するケースもあります。
白内障は眼の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁るので、愛犬の目を見ることで変化に気づくこともできる病気です。「愛犬の目が白くなってきたな」と感じたら、愛犬の行動に変化がなくても一度獣医さんに診てもらいましょう。
緑内障
緑内障は眼圧の上昇により網膜や視神経が圧迫され目が見えなくなる恐れがある怖い病気です。緑内障にはふたつあり「急性緑内障」と「慢性緑内障」があります。急性緑内障は目の内側から圧力がかかるため、痛みを伴い、場合によっては短時間で視力を失ってしまうケースもあります。
いっぽう慢性緑内障は初期症状がほとんどないため、飼い主さんが愛犬の異変に気づいたときには、すでに病気が進行していることが多いようです。
急性緑内障の場合、強い痛みが伴うため、愛犬の異変にすぐに気づくことができます。食欲不振や意気消沈、あまりに痛みが強い時は丸く縮こまって震えだしてしまう子もいるようです。その他、目の充血やまぶたの痙攣、目が大きく見えるなどの症状があります。
進行性網膜委縮
進行性網膜委縮は遺伝性の疾患と考えられています。眼の奥にある光や映像を感知して、脳中枢へと伝達する働きがある網膜。その網膜が委縮、または変形してしまう病気です。
急激に視力が低下するわけではなく、徐々に症状が悪くなり、最終的に失明してしまいます。初期の段階では暗い場所での視力の低下が顕著にあらわれるので、夜間の行動に変化が見られることがあると思います。
6歳前後に発症することが多く、病気が進行すると白内障を併発するとも言われています。痛みや苦痛などの症状がある病気ではありませんが、残念ながら完治を目指した治療法はないと言われています。
目が見えなくなってしまう病気の予防法はあるの?
上記でご紹介させていただいた病気には、残念ながら確実な予防法はないようです。しかし、外傷が原因で発症することもあるので、目を傷つけない環境での生活を心がけ、お散歩中も他の犬と遊ぶときや、猫との触れ合いなどで爪が当たらないよう気を付けてあげましょう。
行動を観察する
徐々に視力が低下し目が見えなくなる病気は、飼い主さんが初期の段階で気づけないことが多くあります。視力が低下しはじめると、物にぶつかりやすくなったり、ご飯を用意している場所まで行けなくなるなど、
普通に出来ていたことができなくなることもあるので、愛犬の行動を注意深く確認し、気になる行動があればすぐに獣医さんに診てもらいましょう。
目を観察する
白内障であれば、水晶体が白くなるなど外から見てわかる変化もあります。緑内障であれば眼の充血や、涙の量が増える、目が大きく見えるなどの変化が見られることもあるので、毎日しっかり愛犬の「目」を見ていつもと違うことはないか確認してあげましょう。
確実な予防法がないからこそ、定期的な眼の検査を行うことも大切になります。
まとめ
犬の目が見えなくなってしまう病気は、視力を回復させる治療は難しいものが多いようです。そして、他の病気が原因になることもあります。愛犬の行動に変化が見られた時は早めに獣医さんに診てもらいましょう。