犬の腎臓病の種類について
【腎】「五臓のー。腎臓。大切な所。かなめ。」コトバンクより
腎臓とは
- 体の血液を、ろ過して綺麗にします。
- 不必要なものは尿にして体外に出します。
- 赤血球を作るホルモンを分泌します
- 酸とアルカリの調整をします。
腎臓病とは
腎臓の機能が正常な働きではなくなる事を意味します。
腎臓病とはその総称です。
腎臓そのものに原因がある場合と、他の臓器に原因がある場合があります。
「腎不全」もその一つで、腎臓の機能が約75%以上機能しない状態を指します。
今回は、腎不全以外にもある、腎臓病について説明していきたいと思います。
腎臓病の種類
慢性腎炎
血液をろ過する腎臓の組織が機能しなくなり、ろ過などの働きができなくなる状態。
水腎症
腎臓の中でも腎盂という場所に尿の原液が生成されて集められます。
尿はここから膀胱に行くはずですが、行かずに腎盂に尿が溜まってしまう状態です。
ネフローゼ症候群
尿にタンパク質がみられる等、腎臓病に見られる症状の全般を指します。
腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓の腎盂と呼ばれる場所で、尿路感染による炎症がおきます。
主な症状
慢性腎炎
尿にタンパク質がでます。脱水・嘔吐などが起こり尿毒症がおこります。
高窒素血症(こうちっそけっしょう)を起こす場合もあります。
*高窒素血症とは、窒素化合物を排泄できないこと
水腎症
腎不全と同様の症状が起こりますが、レントゲン撮影を行うと明らかに拡大した腎臓が確認でき、手術で摘出しなければなりません。
ネフローゼ症候群
腎臓で血液をろ過するボーマン嚢でのろ過機能が低下します。
その為、尿にタンパク質が増えて、血液にタンパク質が減る症状がでます。
腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓に細菌感染が起こり炎症が強く起こります。その結果、発熱が起こります。
尿毒症
尿に出すべき老廃物が体内に溜まってしまい、体内の多くの内蔵に影響を及ぼします。
腎不全の時に発症すると死に至るケースもあります。
原因
水
動物には新鮮な水を与えて下さい・・・
この言葉、動物を飼育するための本やネットでよく耳にすると思います。
腎不全になると水分の再吸収が困難になり脱水が起こります。また、水は体の代謝に必要です。
さらに、水は食事の消化吸収を助け、脱水症状を防ぎます。
*「犬と水」について、こちらのサイトが詳しいです。
http://アリス.biz/?cat=312
食事
腎臓に負担をかける食事が腎臓を弱らせてしまうと考えられます。
塩分、カルシウム、リンなどを与えすぎない。
その量を調整しているのは腎臓です。
犬が食べては危険な食材は与えない。
かかりやすい犬種
高齢犬は腎臓病にかかりやすいと、言われます。
腎臓は汚れた血液をろ過する役割をします。
つまり腎臓を通して血液を濾す、ということです。
ずっと綺麗な血液をろ過していたら、腎臓の編み目も壊れないかもしれません。
代謝がよかったら、編み目にひっかかってしまった不純物も早く尿にして排出できるかもしれません。
予防と対策
7歳からは動物病院で毎年健康診断を受けることをお勧めします。
その時、尿検査、血液検査、腎臓の検査を受けた方がいいでしょう。
全体の何パーセントの腎臓が稼働しているか把握します。
7歳以上からは食事内容をもう一度見直す。
もちろん、年齢に問わず、気がついた時から見直すことがいいと思います。
血液をろ過する時、腎臓に負担をかけてしまう食事を見直します。
腎臓病の予防には歯周病予防も大切と言われています。
治療方法
食事療法
主原料はタンパク質である犬ですが、腎臓病になると腎臓がタンパク質を、ろ過する事が難しくなってきます。
低タンパク質、ミネラルの多すぎない食事が求められます。
血圧を下げる薬
高血圧が見られる場合は薬を処方されます。
腎臓は、臓器の中でも体の血液をきれいにする場所です。
体の中で「かなめ」の部分です。
目に見えなくても、しっかり犬を支えている腎臓、初期段階で早期治療に移りたいです。