ホットスポットの症状
ホットスポットとは別名「急性湿性皮膚炎」「急性湿疹」などと呼ばれる皮膚病の一種で、症状が現れるのが急性なのが特徴です。ほんの数時間前までは何もなかった犬の体に、突然脱毛や炎症が起こります。
ホットスポットが起きている部分の皮膚は、炎症を起し痛みに近い強い痒みがあるため、犬の身体への負担も大きく、痒みに耐えかね患部を噛んだり、ソファや床へ擦りつけたりします。皮膚の猛烈な不快感からイライラとし、犬の体に触れようとすると飼い主さんであっても怒って噛みつこうとすることがあるほどです。
患部の皮膚の状態は赤い湿疹が出る程度の時もありますが、掻きむしりにより激しい炎症を起した時は体液や血液、膿でベトベトになり臭いを放つこともあります。また患部の被毛がごっそりと脱毛するのも珍しくありません。
ホットスポットが発症しやすい部位
ホットスポットが1番発症しやすい部位は、首や肩、背中、続いて足や顔と言われています。急激なスピードで悪化していくため、飼い主さんは大きな脱毛を発見した時点で気付くことが多く、その間に掻きむしってしまい重症化するケースが多くあります。
ホットスポットの原因
ホットスポットの原因はまだハッキリとは分かっていない部分も多いようですが、もともと食物アレルギーやアトピー、またノミやダニなどが原因の皮膚炎が重症化した物とも考えられています。噛んだり引っ掻いたりして傷ができてしまうことにより細菌感染し化膿してしまいます。
ホットスポットが発症しやすいのは梅雨の時期など高温で湿度が高い時。湿度によって毛根付近が蒸れてしまったり、犬の体温が上がる事が原因になります。犬の毛根が蒸れることによって、もともと患っていた皮膚炎も悪化しやすくなり、細菌感染も起こりやすくなります。蒸れることが引き金になるので、梅雨の時期だけでなくシャンプー後や水遊び後の被毛の生乾きも原因になります。
発症しやすい犬種
被毛の量が多く風通しの悪い犬種が発症しやすいといわれ、特にアンダーコートが密集している犬種や皮膚が弱い犬種ががかかりやすい皮膚病です。
- 柴犬
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- シベリアンハスキー
- フレンチブルドッグ
これらの犬種はアンダーコートが密集していたり、皮膚の弱い犬種になるのでホットスポットをはじめ、皮膚病には注意が必要です。ただし、このホットスポットはどの犬種にもできる可能性があるため注意しましょう。
ホットスポットの予防法
アレルギー検査でアレルゲンを特定する
ホットスポットは1度発症してしまうと再発してしまうケースが多いのでしっかり予防しましょう。もともとの原因がアレルギーやアトピーによる皮膚炎の可能性もあるため、これらが疑われる犬は動物病院で診察してもらい、皮膚の状態が悪くならないよう指示を仰ぎます。可能であればアレルギー検査でアレルゲンを特定し、それを避けることで皮膚の状態を良好に保てるとベストです。
またノミやダニの対策も梅雨時期から夏の終わりにかけて予防薬を使用すると思いますが、アレルギー体質で皮膚が弱い犬は一年中使用したほうが安心でしょう。
湿気による蒸れを防ぐ
湿気による蒸れで細菌が繁殖しやすくなるので梅雨から夏にかけてはシャンプーをはじめ、生活環境も気をつけてあげましょう。犬は皮膚が薄いのでシャンプーは月に1~2回と言われていますが、すでに皮膚炎を起している犬は獣医さんから頻度を増やすように指示されることがあったり、シャンプーの種類についても指定される場合もあると思います。
皮膚の清潔を保つ
愛犬の皮膚の状態に適したシャンプー、回数で、つねに皮膚の清潔を保つようにします。シャンプーや水遊び後はタオルドライだけでなくドライヤーも使用して被毛の根元までしっかり乾かしましょう。梅雨時期は室内も湿度でジメジメしてしまいますが、この環境もホットスポットを起しやすくします。エアコンの除湿機能でカラッと気持ちよく過ごさせてあげて下さい。
もしなってしまったときの対処法
ホットスポットは痒みが非常に強いため、愛犬の様子がいつもと違うのはすぐに気付くことが出来ると思います。一箇所を集中して舐めたり、噛んだり、擦り付けたりしていたら皮膚の状態を確認して下さい。湿疹、炎症、脱毛、化膿などがあるとホットスポットの可能性が高いです。強い痒みが長く続くと犬のストレスになるのですぐに動物病院で診てもらいましょう。
治療法は経口薬や塗り薬、薬用シャンプーになりますが、患部の大きさや症状が強く出ている場合はステロイドが使用されることもあります。しっかり治療してもらうことで痒みは数日で治まることが多いです。自宅では患部を掻いてしまわないようにエリザベスカラー着けたり、洋服を着せて患部を守ってあげると良いでしょう。
まとめ
犬の皮膚トラブルはとても多く見られる症状です。もちろん季節が暖かくなることで、皮膚の状態が変わってくることも多くあります。もともと皮膚が弱いワンちゃんであれば、被毛をかき分けて皮膚の状態をつねに把握しておき、皮膚炎が悪化しないようなケアを日頃から心がけホットスポットを防ぎましょう。