胴長短足の犬種①ダックスフンド(スタンダード・ミニチュア・カニンヘン)
ダックスフンドの祖先にあたる犬は15世紀ごろ山岳地方で生活していたと考えられています。元々のダックスフンドは現在のスタンダードサイズよりも少し大きかったと言われています。
その後何回も交配されていく中で現在のように複数のサイズのダックスフンドになっていきました。ダックスフンドの3つのサイズに分けられます。大きな方からスタンダード、ミニチュア、カニンヘン、となります。
原産国のドイツではすべてのサイズのダックスフンドが元々は猟犬でした。とくにアナグマを狩るための犬で、アナグマの巣穴に入り込めるように交配されてきました。そのため胴長短足という形になっています。アナグマの性格は荒く、攻撃的なのでそんなアナグマにひるまずに向かっていけるようにダックスフンドには勇敢ですばしっこい性質が求められました。
今でもその名残からかスタンダード、ミニチュア、カニンヘン、どのダックスフンドも勇敢で飼い主さんを守ろうとする性格であることが多いです。ミニチュアやカニンヘンなどは体が小さいことから楽に飼えると勘違いされてしまいますが、楽に飼えるわけではありません。
少し気が強すぎたり、喧嘩っ早いところがあり大きな声で吠えてしまうこともあります。
胴長短足の犬種②バセットハウンド
バセットハウンドは短毛で、顔や全身に垂れ下がった皮膚を持ちたれ耳の胴長短足の中型犬です。フランス原産の犬で16世紀ごろから存在していたと記録されています。猟犬として活躍し、逃げた獲物が残したにおいを嗅ぎ取りながら人間と同じスピードで歩き、獲物が近くなると早足になります。見つけた獲物にすぐ飛びかかることはなく、人間がつくまでその場に留めておくことができる犬であるためとても重宝されました。
性格
性格は穏やかでのんびりしていて辛抱強く優しい犬です。しかしマイペースで頑固な面もあります。子どもや他の犬や動物ともフレンドリーに接することができますが、元々は猟犬なので小動物には注意が必要です。
しつけのポイント
しつけは難しくありませんが、自分の世界に入り込みやすいので根気強く行う必要があります。また吠え声が大きいため、集合住宅などでは何かしらの対策をしたほうが良いでしょう。
胴長短足の犬種③ウェルシュコーギー(ペンブローク・カーディガン)
コーギーはイギリスのウェールズ州原産の犬でペンブローク種とカーディガン種に分かれています。
ペンブローク種の特徴
ペンブロークは牛追いの牧羊犬として働いており、王室のヘンリー2世のペットとなってからは品種改良がすすみ現在のペンブロークの形になったと言われています。現在はエリザベス女王に可愛がられていることがよく知られています。
ペンブローク種は生後間もなくしっぽを切ってしまう断尾と言われるものをしますが、最近は動物愛護の観点からしなくなってきました。断尾を受け入れられず繁殖をやめてしまったブリーダーも多くいると言われています。
カーディガン種の特徴
一方、カーディガン種もペンブロークと同じように牧羊犬として働いてきましたが断尾の習慣がなくしっぽがあるのが普通です。体格はペンブローク種よりも大きく毛の色や模様も様々です。イギリスのケンネルクラブではこのふたつの種類を同一種として扱うのではなく、別々の種類として登録しています。
性格
ペンブローク種の性格は活動的で遊び好き、牧羊犬らしい賢さを持ち飼い主の様子をよく観察します。カーディガン種はペンブローク種に比べて落ち着きがあります。攻撃的な面はあまりない犬種ですが、ストレスによって攻撃的になることがあるので運動やコミュニケーションはしっかりとるようにしてください。
胴長短足の犬が注意するべき3つの病気や怪我
椎間板ヘルニア
胴長短足である犬種が最もかかりやすい病気として椎間板ヘルニアがあります。背骨の間にあるゼリー状の組織である「椎間板」が本来あるべき位置からはみ出てしまい、脊髄を圧迫して麻痺症状を起こしてしまう病気です。
椎間板は元々背骨のクッションとしての役割があるため、椎間板ヘルニアになると麻痺やうまく歩けないといった症状が出てきます。胴長短足の犬は普通に生活をしていても椎間板に負担がかかることから、ヘルニアになりやすいと言われています。椎間板ヘルニアを予防するには肥満に気をつけることが重要です。また強い衝撃も与えないようにしましょう。
熱中症
足が短く地面に近いため、夏場は熱中症にかかりやすくなります。散歩は涼しい時間を選んで行いましょう。夕方や夜でも地面にはまだ熱が残っている場合が多いので、できれば早朝がオススメです。
骨折や脱臼
胴長短足の犬は足腰がもともと弱い傾向にあります。そのため激しい運動や何度も衝撃を受けるような動作を繰り返すと骨折や脱臼といったものになりやすくなっています。脱臼に関しては症状が軽いと見つけにくく、放置してしまい悪化することもあります。
悪化した脱臼は一度治っても同じ場所でまた脱臼するようになってしまうので、犬の動きに異変を感じたらすぐに病院でみてもらうようにしましょう。
まとめ
胴長短足の犬は足や腰の病気、怪我の他にも熱中症にも気をつけなければいけません。胴が長くて足が短い場合にはどういった不都合があるのか、そこから怪我や病気に発展する可能性はないかを考えてみましょう。