犬がかかりやすい病気は数多くある
皆さんは、愛犬をどんな症状で動物病院に連れていったことがありますか?病院にかかる理由は、重いものから軽症のものまで様々ですが、その中で多く見られる症状がいくつかあります。つまり、それらは犬がかかりやすい病気。
私たちの愛犬もいつそれらの病気にかかるかわかりません。かかりやすい病気については、飼い主さんが知識を持っておくことが必要とされます。ここからは、犬がかかりやすい病気について5種、その概要や症状などご紹介して参ります。
1.外耳炎
概要
動物病院の診療件数が最も多い病気のひとつが、外耳炎。耳に起こる炎症のことです。耳の穴から鼓膜部分までに起きると外耳炎、それより奥に起こると中耳炎、内耳炎と診断されます。原因はアレルギーを主として、菌や寄生虫、分泌物によるものなど、個体により様々です。
症状
赤みや痒み、発疹、耳垢の異常、臭いなどが見られます。
治療
動物病院で診察を受ければ、投薬や洗浄により良くなりますが、再発しやすいので注意が必要です。特に垂れ耳の犬の場合、耳の中に湿気がこもりやすく菌が繁殖する可能性が高いので、定期的なケアが必須です。
2.皮膚炎
皮膚炎も、動物病院にかかる犬たちの中で多い症状のひとつ。犬は皮膚が薄く、皮膚炎にもなりやすい傾向にあります。
アレルギー性のものや外部寄生虫によるもの、細菌感染、他の病気に追随するものなどがあり、重い病気の症状として出ている場合もあるので、早めに獣医師へ相談しましょう。
症状
患部には、赤み、荒れ、痒み、フケなど皮膚が落ちる、脱毛といった症状が見られます。犬は痒みや痛みで患部を舐めたり噛んだりしてしまうため、細菌感染や傷口悪化が予想されます。服やカラーで保護し、早期受診を。
治療
患部への薬塗布や投薬、薬用シャンプーでの薬浴などで治療します。患部の荒れがひどい場合は、清潔なガーゼや専用ウェアで保護する場合も。また、根本的原因に合わせた対症療法も行います。
3.膿皮症
膿皮症も皮膚炎の一種ではありますが、調べたところ病院受診原因の上位に入るようです。免疫低下時のブドウ球菌や、レンサ球菌による細菌感染が原因であり、皮膚に異常をもたらします。四肢の内側や内股、背中などに発症しやすく、特に夏場に注意が必要です。
症状
赤み、荒れ、痒み、発疹、脱毛、フケなど皮膚が落ちるといった皮膚炎症状の他に、悪化すると膿んだり痛みを伴ったりする場合もあります。
治療
治療は皮膚炎と同じです。薬の塗布や投薬、薬浴、原因に対する対症療法です。
4.下痢嘔吐
犬を飼っていると何度か経験するのが、下痢や嘔吐。これにより病院を受診する件数もかなり多いようです。
下痢や嘔吐は様々な原因として現れる症状であり、犬の体調バロメーターのようなものです。よく状態を確認しておきましょう。
原因としては、消化不良や食物アレルギー、誤飲、ストレス、ウイルス感染や他の病気の症状として出ている場合も。多くが、人間でいう「お腹を壊した」というような消化不良ですが、素人判断は危険です。獣医師に症状を相談しましょう。また、食事時間前に胃液を吐く場合は空腹によるものであることもあります。
症状
便が緩い、下痢、血便、嘔吐、食欲不振、元気がないなどといった症状が見られるケースが多いです。症状を見落とさないように。
治療
投薬が主です。食事に関しても、フードをふやかすなどしてなるべく消化の良いものを、量を調整して与えます。他に原因がある場合は、それに対する対症療法を行います。
5.腫瘍
犬の腫瘍による受診も、比較的多いケースです。腫瘍といってもイボ程度の良性のものから、癌のような悪性のものまで様々です。ただし、良性悪性の診断はほとんど目視だけではわかりません。切除手術後に検査へ出して、初めてわかるのです。
もし腫瘍やちょっとしたできものを見つけたら、すぐに獣医師に相談すること。悪性の場合、早期治療が命を救い、犬への負担を軽くします。同時に、毎日犬の身体をくまなくチェックすることも忘れずに。腫瘍は見える場所から口の中、内臓まであらゆるところにできる可能性があります。
症状
身体に何らかのできものができます。部位や大きさ、色は様々です。
治療
検査後、経過観察で大丈夫か切除するべきか決定します。重い病気であった場合、手術や薬などの処置も行います。
犬のかかりやすいとされる病気を5種ご紹介しました。これらの病気には、特に気をつけておきたいですね。
愛犬に対しては、毎日の健康チェックを欠かさず行い、ケアも怠らないようにしましょう。大切な家族であるペットには、いつまでも健康でいてほしいものですね。