分離不安症の症状とは?
あなたの愛犬は大人しくお留守番できていますか?
「ふだん一緒にいるときはいい子なのに、お留守番になると手を焼かせるのはなぜなんだろう...」と、頭を抱えるわんちゃんの飼い主さんも多いのではないでしょうか。そういったわんちゃんには、「分離不安症」の疑いがあります。
飼い主の留守中に、下記のような症状が見られたら、分離不安症の可能性があります。
- 物を破壊する
- ふだんでは絶対しないような場所に排泄をする
- 無駄吠え、遠吠えをする
- 出入口のドアなどを爪でガリガリと削る
- 意味もなくウロウロとして落ち着きがない
- 自分の脚や尻尾を噛む
異常行動の痕跡があれば、すぐに気付いてあげられますが、そうでないとなかなか飼い主が気付けない部分もあると思います。
愛犬の様子が少しでもおかしいと感じたら、スマートフォンを部屋全体が映るような場所に置いて、録画モードにしたまま少しの間外に出てみたり、家で留守番しているわんちゃんの様子をリアルタイムで見ることができるWebカメラなどを取りつけたりなどして、早めに確認しましょう。
また、お留守番中でなくても分離不安症から来る行動を取ることもあります。例えば、飼い主がトイレに立つだけで、後をついてきたり、飼い主の姿が見えなくなるだけで鳴いたりするなどが見られたら、分離不安症の可能性があります。
分離不安症になってしまう原因とは?
人間の幼児に、ちょっとでも母親と離れると、喚いたり暴れたりしてしまう子がいますよね。そういう子は、ふだんからどんなときも母親にべったりということが多いです。
実は、それは犬にも同じことが言えます。わんちゃんに対して、常日頃から過剰に構い過ぎていると、飼い主が側にいないときに不安を感じてしまい、強いストレスを抱くようになります。
飼い主にとって愛犬を可愛がることは当然のことですが、構い過ぎるのもわんちゃんのためにはなりません。たとえどれだけ可愛くても、飼い主とわんちゃんの間には、適度な距離感を作ることが大切です。そうすることで、わんちゃんが余計なストレスを抱えなくて済むのです。
また、飼い主や住まいが何度も変わるなどしたわんちゃんも、分離不安症になることがあります。この場合は、飼い主に置き去りにされるのではないかという不安から、発症したとも考えられるます。
分離不安症を治すには?
「かわいそう」という気持ちをグッとこらえて
分離不安症を治すには、わんちゃんがかわいそうだと思っても、我慢してしつけなければなりません。
わんちゃんが鳴いても応じない、外出から帰ってきて興奮していても相手をしない、粗祖をしても一度知らんぷりするなどと、わんちゃんにかまわないようにしてみてください。わんちゃんが諦めるまで、根気強く続けることが大切です。
その他におすすめなのは、下記のような方法です。
- 外出帰宅の際に何も言わない
- ゲージの中でおやつをあげて、ゲージの中にいるといいことがあると思わせる
- 留守番させるときに、ゲージの中に飼い主の匂いのするものを入れる
- 留守番のときだけ、特別なおもちゃを与える
- 短い外出を繰り返して、飼い主は必ず帰ってくるものだと分からせる
- 睡眠時に一緒に寝ない
- 膝の上に乗せない
わんちゃんに対して冷たい態度を取ることは、心底辛いことだと思います。しかし、いつまでたっても飼い主離れができないと、わんちゃんにストレスを与え続けてしまうだけです。心を鬼にして、わんちゃんのために頑張りましょう。
あまりにもわんちゃんに改善が見られない場合は、薬で治療する場合もあります。どうしても手に負えない場合は、獣医師にわんちゃんの様子を細かく伝えて相談しましょう。
分離不安症を防ぐには?
飼い主になったその日から、適度な距離感を心がける
わんちゃんが初めて家に来たとき、嬉しさのあまりずっと可愛がってしまうこともあると思います。ですが、その調子が長く続くと、飼い主離れできない子に育ってしまいます。分離不安症を防ぐために、わんちゃんとは適度な距離感を作るようにしましょう。
また、分離不安症を防ぐには、十分に運動させることも大切です。散歩などで疲れると、ほとんどのわんちゃんが満足して大人しくなります。「毎日散歩の時間がある」ということを分からせてあげれば、飼い主に遊び相手をせがんでくることも減るでしょう。
まとめ
飼い主の構い過ぎは、わんちゃんの分離不安症を起こしてしまう危険があります。辛くても、飼い始めた日からわんちゃんと適度な距離を作っていくことが大切です。
さらに、十分な運動の時間を持つことも忘れず、わんちゃんとの良好な関係を築けるように心がけましょう。