狂犬病を知らないとおっしゃる方はいないでしょう。
予防が義務付けられ、日本では撲滅された病気であり、過去には犬や人間の感染例が多数あったものです。
環境水準が上がるにつれ、狂犬病は少しずつ減ってはいますが、アジアやアフリカ圏ではまだかなり多くの発症が見られます。旅行客が感染し、死亡する例もあります。
ここからは、そんな狂犬病について改めて学びましょう。
狂犬病の歴史
昔は、日本でも狂犬病の犬が多数おり、感染による死者が多く出ていました。
その後、1950年に狂犬病予防法が成立。
予防注射や飼い犬の登録、野犬の管理などが義務づけられるようになりました。
この法律制定後には、急激に狂犬病の発生状況は改善され、7年ほどで病気は撲滅。
現在の日本では、狂犬病は存在しません。
世界に見る狂犬病の発生状況
世界での、狂犬病による年間死者数は約55,000人と言われています。
内訳としては、アジア圏では約31,000人、アフリカ圏では24,000人。
世界全体で症例が挙げられています。
特に多く発症が見られる国は、中国、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、パキスタン、インド、バングラデシュなど。街中にも野犬がいる国々です。
日本を始め、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、アイルランドなどは、狂犬病が清浄された地域として、厚生労働省でも指定されています。
狂犬病症例
1953年には狂犬病の犬が176頭報告され、感染による人の死亡が3人確認されています。
1954年には狂犬病の犬が98頭、人の死亡が1人、1956年には狂犬病の犬が6頭、人の死亡が1人です。
その後、予防が進んだこともあり、国内での発症例は確認されておりません。
しかし、海外旅行中の感染による死者は出ています。
狂犬病を媒介する動物
狂犬病を媒介するのは、犬だけではありません。海外では様々な動物が感染源となっています。
媒介する動物例は以下。
- イヌ
- キツネ
- コウモリ
- コヨーテ
- オオカミ
- アライグマ
- スカンク
- マングース
- ジャッカル etc.
狂犬病の症状
狂犬病は、感染犬に噛まれることで唾液感染します。狂犬病ウイルスが元の原因となります。
人間同士で感染することはありません。
犬に見られる症状
潜伏期間は2週間〜2か月ほど。
初期には、異常行動や性格の変化が見られます。
症状が進むと、徘徊したり、物をしきりに咬んだり、音や光のような五感に対する刺激への反応が過敏になったり、興奮状態に陥ったりといった行動が見られ、その後全身が麻痺し、昏睡状態の後、死亡に至ります。
人間に見られる症状
潜伏期間は1か月〜3か月。
初期としては、噛まれた部分の痛みや違和感、食欲の減退、発熱などの症状が見られます。
その後、不安感や興奮、幻覚を見たり、錯乱状態に陥ったりといった神経症状が現れます。
後期には、昏睡状態に陥り、呼吸器障害により死に至ります。死亡率は約100%です。
狂犬病の治療
犬に対しても、人間に対しても、狂犬病の治療方法はいまだありません。
犬に狂犬病予防接種を1年に1回打つことが何より大切です。狂犬病は哺乳類ならば咬まれることで感染する病気です。発症すれば100%亡くなる病気であることを忘れてはいけないと思います。
狂犬病の予防
狂犬病の予防注射は義務づけられています。
春先になると、登録されている犬に対して案内のハガキが送られてきますね。
狂犬病の予防注射は、各地で行われる集団予防接種と、各自動物病院で処置してもらう予防注射があります。
毎年必ず、予防注射を受けましょう。
まとめ
狂犬病について詳しくご紹介しました。
今の日本では撲滅されましたが、海外ではまだまだ多く報告される恐ろしい病気です。
必ず愛犬に予防を行うこと、また海外の野犬に近づかないことを徹底しましょう。
世界的にも狂犬病が早く撲滅されるよう、各国の対策に期待したいですね。