改めて知ろう!狂犬病とその現状について

改めて知ろう!狂犬病とその現状について

ほぼ100%の確率で死に至る狂犬病。恐ろしい病気として知られていますが、その症状の詳細や現状についてはご存知でしょうか。この記事では、狂犬病について詳しくご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

狂犬病を知らないとおっしゃる方はいないでしょう。
予防が義務付けられ、日本では撲滅された病気であり、過去には犬や人間の感染例が多数あったものです。
環境水準が上がるにつれ、狂犬病は少しずつ減ってはいますが、アジアやアフリカ圏ではまだかなり多くの発症が見られます。旅行客が感染し、死亡する例もあります。
ここからは、そんな狂犬病について改めて学びましょう。

狂犬病の歴史

RABIESのボードを持った医師

昔は、日本でも狂犬病の犬が多数おり、感染による死者が多く出ていました。
その後、1950年に狂犬病予防法が成立。
予防注射や飼い犬の登録、野犬の管理などが義務づけられるようになりました。
この法律制定後には、急激に狂犬病の発生状況は改善され、7年ほどで病気は撲滅。
現在の日本では、狂犬病は存在しません。

世界に見る狂犬病の発生状況

地球儀

世界での、狂犬病による年間死者数は約55,000人と言われています。
内訳としては、アジア圏では約31,000人、アフリカ圏では24,000人。
世界全体で症例が挙げられています。
特に多く発症が見られる国は、中国、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、パキスタン、インド、バングラデシュなど。街中にも野犬がいる国々です。
日本を始め、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、アイルランドなどは、狂犬病が清浄された地域として、厚生労働省でも指定されています。

狂犬病症例

頭を抱える男性

1953年には狂犬病の犬が176頭報告され、感染による人の死亡が3人確認されています。
1954年には狂犬病の犬が98頭、人の死亡が1人、1956年には狂犬病の犬が6頭、人の死亡が1人です。
その後、予防が進んだこともあり、国内での発症例は確認されておりません。
しかし、海外旅行中の感染による死者は出ています。

狂犬病を媒介する動物

空を飛ぶコウモリ

狂犬病を媒介するのは、犬だけではありません。海外では様々な動物が感染源となっています。
媒介する動物例は以下。

  • イヌ
  • キツネ
  • コウモリ
  • コヨーテ
  • オオカミ
  • アライグマ
  • スカンク
  • マングース
  • ジャッカル etc.

狂犬病の症状

よだれを垂らす犬の口元アップ

狂犬病は、感染犬に噛まれることで唾液感染します。狂犬病ウイルスが元の原因となります。
人間同士で感染することはありません。

犬に見られる症状

潜伏期間は2週間〜2か月ほど。
初期には、異常行動や性格の変化が見られます。
症状が進むと、徘徊したり、物をしきりに咬んだり、音や光のような五感に対する刺激への反応が過敏になったり、興奮状態に陥ったりといった行動が見られ、その後全身が麻痺し、昏睡状態の後、死亡に至ります。

人間に見られる症状

潜伏期間は1か月〜3か月。
初期としては、噛まれた部分の痛みや違和感、食欲の減退、発熱などの症状が見られます。
その後、不安感や興奮、幻覚を見たり、錯乱状態に陥ったりといった神経症状が現れます。
後期には、昏睡状態に陥り、呼吸器障害により死に至ります。死亡率は約100%です。

狂犬病の治療

バツの札を持つ男性

犬に対しても、人間に対しても、狂犬病の治療方法はいまだありません。
犬に狂犬病予防接種を1年に1回打つことが何より大切です。狂犬病は哺乳類ならば咬まれることで感染する病気です。発症すれば100%亡くなる病気であることを忘れてはいけないと思います。

狂犬病の予防

狂犬病のワクチン

狂犬病の予防注射は義務づけられています。
春先になると、登録されている犬に対して案内のハガキが送られてきますね。
狂犬病の予防注射は、各地で行われる集団予防接種と、各自動物病院で処置してもらう予防注射があります。
毎年必ず、予防注射を受けましょう。

まとめ

ワクチンを見つめる犬

狂犬病について詳しくご紹介しました。
今の日本では撲滅されましたが、海外ではまだまだ多く報告される恐ろしい病気です。
必ず愛犬に予防を行うこと、また海外の野犬に近づかないことを徹底しましょう。

世界的にも狂犬病が早く撲滅されるよう、各国の対策に期待したいですね。

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