ナルコレプシーとは、睡眠障害のこと。
日本では居眠り病などと言われ、急に我慢できないほどの強い睡魔に襲われるというものです。
なかなか通常の睡魔と、病気との判断がつかずに放置してしまうケースが多く見られ、日中に寝てしまうことで、周囲からの誤解を生むことも多いとされています。
このように、人間の睡眠障害として知られるナルコレプシーですが、実は犬にも起こる症状。
同じように突然の睡魔や脱力といった様子が見られます。
もともと犬はよく眠る動物ですが、その眠り方に異常は見られないか、愛犬の様子をよく観察しましょう。
ここからは、犬の睡眠障害「ナルコレプシー」について詳しくご説明いたします。
ナルコレプシーとは?
ナルコレプシーとは、睡眠障害のこと。
突発的に自身では制御できないほどの睡魔に襲われたり、立っていられないほどの脱力が見られたりします。
特に感情の起伏によりスイッチが入る場合が多く、喜んだり興奮したりしたときに脱力発作を起こします。
ごはんや飼い主の帰宅時に興奮状態になり、その後急にばたんと倒れて寝てしまったという例も。
先天的なものである場合が多く、好発症犬種が何種か存在します。
ナルコレプシー好発症犬種
- ラブラドールレトリバー
- ドーベルマン
- プードル
- ダックスフンド
- ビーグル etc.
大きな体格の犬は、倒れたときに怪我をする可能性が高いため、特に注意が必要です。
ナルコレプシーの原因
脳の神経伝達物質オレキシンが関係していると言われています。
オレキシンとは、脳の覚醒を維持させる働きをしており、生き物が活動するために必要な物質。
ナルコレプシーでは、このオレキシンの機能障害により、過眠症状が起こると考えられます。
ナルコレプシーには、先天性なものと後天的なものがあります。
先天的なものはパピー期に発症し、後天的なものは脳の病気によることが主で、老犬によく見られます。
先天的な場合、その個体に交配をさせると、ナルコレプシーになる可能性のある遺伝子を繋いでしまうこととなります。
遺伝性疾患を増やさないためにも、発症個体に交配をさせることは避けましょう。
ナルコレプシーの症状
ナルコレプシーの症状は、「突然の睡魔」と「脱力」です。
日中に突発的に寝てしまったり、興奮したときに急に脱力や麻痺が起きたりという症状が見られます。
この症状は、数秒〜30分ほど続き、飼い主の呼びかけなどといった外部からの刺激により、気がつくケースが多いと言われます。
ナルコレプシーは、急に倒れることがあるため、怪我をしない環境づくりが必要です。
散歩などの外出中に起こることもあるので、犬を支えたり運んだりするグッズを持ち歩いておくのも良いかと思います。
治療方法
直接的にナルコレプシーを治す治療方法はありません。
獣医師と相談し、症状に応じた対症療法や神経に働く薬の投薬、生活環境の見直しといった手段で、症状を和らげます。
生涯続くことが考えられる症状なので、病気を理解して、地道に症状と付き合っていくことが必要です。
まとめ
睡眠障害ナルコレプシーについてご説明いたしました。
ナルコレプシーは命に関わるものではないですが、急に転倒したり動けなくなったりするため、注意して犬の様子を見てあげなければなりません。
また、家具や床材など、ちょっとしたことが怪我に繋がることもあります。
クッション性のある床材やラグを敷いたり、角があったり鋭利な形をしていたりする家具は置かないなど、何かあったときのための安全面を工夫しておきましょう。
ナルコレプシーは長期的に付き合っていかなければならない病気です。
万が一発症した場合は、病気をよく理解し、犬の行動をサポートしてあげてください。
睡眠障害があっても、愛犬が快適に毎日を過ごせるよう工夫したいですね。