犬にも貧血が起こることをご存じでしょうか?
貧血は軽く見がちですが、身体はかなりだるさや辛さを感じるものです。
また、犬の場合には大きな病気が関わります。
症状を見逃さず、適切なケアを行うことが必要となります。
ここでは、予防や早期対処のためにも、犬の貧血について詳しくご説明して参ります。
貧血とは?
血液は、全身に酸素を運ぶという重要な役割を担っています。
これは具体的には、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが行う働きですが、貧血とはこの赤血球が、正常よりも少なくなってしまった状態のことです。
貧血になると、血液だけの問題ではなく全身に酸素不足が起こるため、全身にあらゆる弊害が起こるのです。
犬にも貧血は起こる?
犬にも人間と同じように貧血が起こります。
赤血球の生産が減少しているケース、赤血球が壊されているケース、赤血球が出て行ってしまっているケース、の3パターンがあり、貧血を症状とする大きな病気も存在します。
貧血の原因は?
貧血の一部の原因は犬も人間も同じですが、感染症や中毒など犬特有の原因もあります。
主な原因は以下のようなことが挙げられます。
- タンパク質や鉄分の不足
- 出血
- 感染症
- 寄生虫
- ネギ類などを食べたことによる中毒
- 病気
- 薬の副作用 etc.
貧血時に見られる症状
- 呼吸、鼓動が速くなる
- 疲れやすくなる
- 運動を嫌がる
- 食欲が落ちる
- 元気がなくぐったりする
- 粘膜部分が白っぽくなる etc.
ちょっとした変化でも、見逃さないように気をつけましょう。
対処方法
基本的に貧血に気づいた時点ですぐに病院に行きましょう。なぜ貧血になったのか、その原因をさぐることが非常に重要になります。そのため、勝手な判断でご家庭で食事などを変更したりなどするのではなく、必ず獣医師の指示に従って行いましょう。
ご家庭で
なぜ貧血になっているのかその原因にもよりますが、貧血に対処するためには、食生活が大きな役割を果たすこともあります。
鉄分や葉酸、ビタミンB12を含む食品を意識して摂取させましょう。
特に犬にはレバーがおすすめ。
ただし、レバーはコレステロールが高いので、与える量や頻度、与え方には気をつけましょう。また、レバーをあげてもいいのかかならず獣医師に確認してから行いましょう。
葉酸やビタミン類については、サプリメントを利用するのも良いでしょう。
動物病院で
病院では原因に応じて、内科的治療、外科的治療を行います。
症状が重い場合は、輸血を行うことも。
元となる病気が見つかることもあるので、ただの貧血と思わず病院にかかることが必要です。
「免疫介在性溶血性貧血」について
免疫介在性溶血性貧血とは
貧血をおこす病気の中でも代表的な病気の一つ、免疫介在性溶血性貧血。
これはただの貧血ではなく、免疫に関わる病気です。
具体的には、血液中の抗体が赤血球を攻撃し破壊することで、赤血球の数が大幅に減少、もしくはなくなってしまうというもの。
命に関わる病気であり、早期発見、早期治療が求められます。
原因
具体的な原因は不明。好発犬種があり、遺伝による要素が大きいと言われています。
症状
上記の貧血症状に加え、血尿や黄疸が出ることがあります。
貧血症状はひどく、死亡に至る場合もあります。
治療
投薬による治療が主となりますが、すぐに治るものではないため、長い目での治療が必要となります。また、再発の可能性も。
まとめ
犬の貧血についてご紹介しました。
症状には気付きにくい部分もありますが、何かおかしいと思ったらすぐに病院にいきましょう。
貧血はかかった犬自身はかなり辛いものです。
無理に動かさず安静にさせ、適切なケアを行ってください。