気づいたらなっているかもしれない「趾間炎」
散歩の後に脚を拭く時、シャンプーの最中、仰向けになって寝転んでいる時、皆さんは愛犬の肉球をよく観察していますか。肉球は敏感な部分である為触られるのを嫌がる犬もいますし、犬種によっては間を毛が覆っているのでよく見えなかったりと、細かな部分まで見れていないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、普段地面を踏みしめているのは肉球側。固いものを踏んだり走ったりして、異常をきたしていることもあるかもしれません。ここでは、指、肉球や指の間に出る症状「趾間炎(しかんえん)」について、原因や症状、対処方法などをお伝えしていきます。
肉球の間が赤い?
愛犬の肉球の間や指と指の間、溝となる部分がなんとなく赤っぽいなと気づいたことはありませんか。または、その部分の毛が赤茶色くなっていたり、できもののように腫れていたり、犬が肉球の同じ部分を頻繁に舐めていたり。そのような症状が見られた時は、「趾間炎」という皮膚病を疑いましょう。
趾間炎とは?
趾間炎とは、指と指の間に炎症をおこしてしまう病気のことです。
指と指の間の水かきのような部分や肉球の間にも炎症は起こり、見た目にも赤くかぶれたようになります。趾間炎はかなり痛痒いようで、犬は頻繁に患部を舐めたり噛んだりするようになり、そのせいでなかなか治りにくい皮膚炎でもあります。赤く腫れるだけでなく、酷い時には膿んでしまうことも。
原因
趾間炎の原因は様々で、大きな病気が隠れている場合もありますし、踏んだものによる怪我やアスファルトでの火傷、ストレスやシャンプーの洗い残し、アレルギーなどを発端とするものもありますが、「細菌の増殖」によるということです。
犬は気になる部分があるとその部分を舐めてしまいます。肉球の部分を舐めてしまうと、乾きにくいじめっとしたままの状態がつづき、また舐めることで細かい傷がつき地面に直接触れる部分でもあるため細菌が繁殖しやすいのです。また、肉球は犬の身体の中で唯一汗をかく部分。人間と同じく、汗をかいたまま放っておくと細菌はみるみる繁殖し、炎症の原因となります。
趾間炎を未然に防ぐには
とにかく清潔に!
趾間炎の対処方法としては、とにかく「清潔で乾いた状態」を保つことが重要となります。散歩の後は丁寧に脚を拭くことは勿論、拭いた脚は湿ったままにせず冷風で乾かしてあげるのが理想です。
ただし、散歩の度にシャンプーで脚を洗うのは×。皮膚のバリアがなくなり、ガサガサになって乾燥しやすく、細菌の侵入をしやすくしてしまいます。
肉球や指の間の毛は短く
肉球や指の間の毛は、肉球による滑り止めの役目の邪魔をするのと同時に、肉球の溝やサイド部分を清潔に保つのが難しくなる為、短く刈っておくのが理想です。
トリミングや動物病院でもカットしてくれますが、すぐ毛が伸びてしまう為、一台バリカンを持っていると便利かもしれませんね。ただ、うちの愛犬は写真のように肉球周りの毛が伸びっぱなしで、これが趾間炎の原因となってしまいました。
犬が嫌がって逃げたり暴れたりしてしまう為カットができずにいたのです。バリカンやカットには小さな頃から慣らしておくのが理想ですね。また、怪我をさせないよう、一人が注意を外らせながら一人がバリカンをかけるというように、二人掛かりでやるとスムーズに行うことができます。
肉球や指の間の状態チェック
毎日一度は肉球や指の間をチェックしましょう。知らない間に犬の肉球が傷ついていたり、爪が折れていたりするかもしれません。これを放っておくと炎症に繋がります。毎日続けることで犬が足先を触られることに慣れていき、ケアも簡単に行えるようになります。
趾間炎になってしまったら
趾間炎になってしまったら、自己判断はせず、まず動物病院にいき症状を診てもらいましょう。内服薬を処方される場合が多いようです。
内服薬と併せて、患部に塗る外用薬や、薬用シャンプーなどを処方されることも。場合によってはカラーの着用を指示されることもあります。また、患部の皮膚組織や毛を採取して、原因を特定してくれる病院もあるそう。薬をもらったからといってすぐに治るものではなく、再発も多い為、根気強く様子を見ることが大切です。
チェックを欠かさずに!
趾間炎についてご紹介しましたが、ご自身の愛犬は大丈夫でしょうか。炎症は見えにくい隠れた部分に起こっていることが多いので、よくチェックしてあげましょう。
犬は言葉をしゃべることができません。飼い主が様子をよく見て、変わった症状がないか注意してあげるしかないのです。また、日頃からの丁寧なケアが病気を防ぎます。愛犬が辛い思いをしないよう、毎日のチェックとケアを欠かさず行い、健康で快適な毎日を送らせてあげたいですね。