氷食症ってどんな病気なの?
氷食症(ひょうしょくしょう)とは、氷が無性に食べたくなってしまう病気のことを言います。一般的には食生活の乱れによって、鉄分が不足してしまっていることや、ストレスが原因なのではないかとされています。
しかし、人間の場合は明確な原因はわかっていません。
では、犬の場合はどうなのでしょうか。犬も氷食症になってしまうのか。犬が氷食症になってしまう原因は何なのか。犬への氷の与え方なども一緒にご紹介しましょう。
犬も氷食症になってしまうの?
犬も人間と同じように、氷食症になってしまうことがあります。しかし、犬が氷食症になってしまう原因は、人間の場合とちょっと違います。
先ほども言った通り、人間の場合は食生活の乱れによって、鉄分が不足してしまっていることやストレスが原因なのではないかとされています。
犬が氷食症になってしまう原因とは?
犬が氷食症になってしまう原因は二つ考えられます。一つは飼い主さんが氷を与え過ぎてしまったことです。もともと犬は、自分から氷を食べようとはしません。飼い主さんが氷を与えなければ、食べることはありません。
お散歩や運動の後、暑がっている様子だと氷を与えたくなると思います。夏の暑い日には、氷を食べてクールダウンしてほしいですよね。
適度に氷を与える分には全く問題ありません。氷1個2個食べたくらいでは氷食症になることはありません。問題なのは氷を与え過ぎてしまうことです。
もう一つの原因は鉄分不足や貧血です。このことを裏付けるラットの文献があります。貧血のラットと正常のラットに、水と氷を与えます。正常のラットは約45%の水分を氷から摂取しますが、貧血のラットは96%の水分を氷から摂取しました。しかし、貧血状態が改善するにしたがってこのような症状は改善し、貧血が完全に回復した後は氷には見向きもしなくなりました。(Woods SC & Weisinger RS:Pagophagia in the albino rat.Science,169:1334-1336,1970)
この結果より、人の場合と同様に鉄分不足や貧血が氷食症の原因の可能性があります。
犬の氷食症の症状
飼い主さんが氷を与えたことがきっかけで、愛犬が異常に氷を欲しがるようになってしまうことがあります。
人間の場合の氷食症の主な症状は、氷を無性に食べたくなってしまうことなのですが、犬にも全く同じ症状があらわれるのです。
うちの子、氷が大好きで、お散歩の後は冷蔵庫の前で氷がもらえるのを待ってるんです!もしそのようなことがあれば、氷食症である可能性を疑っても良いかもしれません。病気ではなく散歩から帰れば氷を食べるというのが犬にとっての習慣になっていることも考えられます。愛犬の氷食症を疑う場合は、かかりつけの病院で診察を受けてみましょう。
犬の氷食症の治療方法
犬の氷食症の直接的な治療方法は明確にはありません。飼い主さんが、氷を習慣的にあげてしまっているならば、氷を与えないようにすることが最も効果的な治療方法なのではないでしょうか。
もしも、血液検査の結果貧血が確認されたのであれば、鉄分を補うなどして治療を行うことがあります。
犬に氷を与えるときの注意点
犬に氷を与えることで、お散歩や運動の後の熱くなったカラダをクールダウンさせることができます。
しかし、お腹を壊してしまったり、カラダを冷やし過ぎてしまったり、氷食症になってしまう可能性があります。与え過ぎないように注意しましょう。1個や2個与えれば、十分なのではないでしょうか。
また、氷を与えなければクールダウンさせることができないわけではありません。冷蔵庫で冷やしておいた水を飲ませることでも、クールダウンさせることができます。しかし、よく冷えた水でお腹を壊してしまうことがあるので、これもまた注意が必要です。
風の通りが良い場所で休ませてあげる。エアコンの効いた部屋で休ませてあげる。ひんやりマットを与えるなど、カラダを冷やし過ぎてしまわない方法で、クールダウンさせてあげると良いのではないでしょうか。
まとめ
お散歩や運動の後、夏の暑い日など、パンティングがあまりにも続くようであれば、1個2個の氷を与えても良いと思います。氷は犬にとって日常的に食べる必要があるものではありません。
犬も氷食症になってしまうことがあります。あまりにも欲しがる時には、病気が隠れている可能性もあります。必ず、動物病院で診察を受けてください。氷は適切な量を与えるようにしましょう。