犬の肝炎の症状
- 食欲不振
- 嘔吐
- たくさん水を飲む
- 頻繁に尿をする
- 痩せてくる
- 元気がなくなる
- 疲れやすくなる
- 白目、耳の中、歯茎が黄色っぽくなる(黄疸)
- 軟便や下痢が続く
- 痙攣(悪化後)
- 脱水症状(悪化後)
- 口からアンモニア臭がする(悪化後)
肝臓は人間もそうですが、犬にとっても摂取した栄養素を分解して体に蓄えたり、必要なときに有益な成分に作り変えて活用したり、体に入った毒素などを分解したりもする大変重要な内臓です。
そのような体の栄養素を蓄え、活用し、毒は分解する働きをする肝臓ですから、この機能が衰えたり異常を起こしたりすると様々な問題が体に発生します。しかし肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど、症状が進まなければ病気が発見しにくい部分と言われています。
犬の肝炎には慢性肝炎と急性肝炎があり、症状としては、食欲不振、嘔吐、とてもたくさん水を飲みたくさん尿をする、痩せてきている、元気がなく疲れやすい、白目、耳の中、歯茎が黄色っぽくなる、軟便、下痢が続くなどで、症状が悪化すると痙攣、脱水、口からアンモニア臭がするなどの状態となり、最悪の場合、その後、肝性脳症という意識障害になり命を落としてしまうこともあります。
また、犬の肝臓の状態を見るものとして肝臓の数値があり、ALT(GPT)AST(GOT)などと表されます。これは肝臓細胞にある酵素のことです。
数値が高いというのは、この肝臓の酵素が異常により血液内にもれ出すことで量が多くなる状態のことです。肝臓の病気は早期発見しにくいですが、ふだんの犬の状態やうんちの状態、病院での定期的な診断や数値などを参考にすることで見つけやすくなります。
犬の肝炎の原因
犬の肝炎に関しては慢性肝炎と急性肝炎がありますが、慢性肝炎は、長い間の偏食や食品添加物などの摂取により肝臓に負担がかかり症状が出てくるものです。
急性肝炎は、その名前通りに急に肝臓が炎症を起こすことで症状が出るものであり、ウイルス、ブルセラなどの細菌、ヒストプラズマ、ブラストミセスピシウムなどの真菌、フィラリア、肝吸虫(かんきゅうちゅう)などの寄生虫などに免疫が反応し起こる急性肝炎と、注射や傷、胆管炎、糖尿病など外傷や他の疾患などから肝臓が化膿して起こる化膿性肝炎に分けられます。
また、肝炎にかかりやすい犬種がいるのかどうかということに関しては、食習慣などが大きく影響するため、全ての犬種にお起こりうる病気と考えておいた方がいいでしょう。
ちなみに犬種ではありませんが、肥満もまた犬の肝炎を悪化させる大きな要因とされていますので、年齢的に運動不足になりがちなシニア犬などに肝炎は発症しやすいとされています。
犬の肝炎の治療
犬が肝炎になってしまった場合、多くは生涯にわたって、肝臓の治療や食事コントロールを獣医さんと相談しながら行っていくことになります。
病院では犬を安静にし、与える療養食の内容などを飼い主に伝えます。また、肝炎ごとの投薬治療、肝性脳症の原因となるアンモニアを抑制するなどの処置がなされます。
肝炎になってしまうと犬はつらい長期の闘病が必要になり、飼い主にも病気に対する知識や食事内容の変更が求められます。早期発見・早期治療を行うことが大切です。
犬の肝炎の予防法
犬の肝炎の予防に関しては、まず肝炎の大きな要因となっている食習慣の偏りに注意しましょう。添加物や、脂肪は犬にとって必要ではあるものの、余りにも高脂肪だったりするものは避けましょう。
肝炎にならないためには肝臓に負担をかけすぎないこと、または肝臓に良いバランスの取れた食事をすることが大切です。例えば肝機能を助ける、たんぱく質を作るにはアミノ酸が必要です。
このアミノ酸はアミノ酸スコア100と呼ばれる食品を取ることで得やすいです。アミノ酸スコアとは食品のたんぱく質とアミノ酸の数値がバランス良く含まれ、数値において100に達するものです。
アミノ酸スコア100の食品は鶏レバー、豚肉、馬肉、アジ、カツオ、イワシ、牛乳、卵、ヨーグルト、ゴマなどの特定の食材が挙げられます。また、この他にも犬に必要な3大栄養素、脂質、炭水化物、たんぱく質のバランスの偏りがないことも大切です。
ちなみに脂質は必要ですが、控えめにしましょう。この他にも肝機能をサポートするアルギニン、亜鉛、ビタミンB群なども取ると予防に効果的です。他にも急性肝炎などの場合はウイルスや細菌感染、寄生虫などが関わってきますので、予防接種や定期的な病院での健康診断が肝炎の予防には非常に大切です。
まとめ
いかがでしたか?犬の肝炎は死に至ることもある恐ろしい病気です。予防するには毎日の食習慣や犬の健康状態の観察の他、病院での定期的な健診がとても大切なものとなります。肝炎は怖い病気なので、予防が一番ですが、定期健診で早期発見できるようにしましょう。