狂犬病のこと
三本の矢のお話をするまえに、恐ろしい狂犬病のことを聞いてください。
子犬を飼ったら、生後三ヶ月になると、市役所や町村役場へ登録をしますね。
それから保健所から通知があったら、狂犬病の予防注射を受けてください。
たくさん犬が集まる指定の場所より開業獣医さんのほうが、皮膚病やディステンパーなどの感染を心配しなくていいでしょう。
狂犬病は犬が罹(かか)る恐ろしい伝染病で、狂犬病にかかった犬にかまれると人間にも伝染します。
犬は罹ると100%死にます。
登録して狂犬病の予防注射を受けてください。
さて:
第一の矢:回虫
犬の繁殖家は、犬が生またら1〜2ヶ月の間に駆虫をすることになっており、たいていは大丈夫なのですが、少しでも残っていると、子犬の命が脅かされますから、念には念を入れてください。
回虫は5〜12センチの白い線状の虫で、母犬からもらってしまうか、生まれてから虫卵が口から入るか、どちらかで感染します。
回虫がいると子犬は:
- 吐き気があったり
- 石をかじったり
- 貧血して口の中が白っぽくなったり
- 腹ばかり大きくなり
- 腰を丸くして歩くようになります。
これが回虫の特徴ですが、寄生が多いと、石油のような口の臭いがつき、これを放っておくと下痢をしたり吐いたりして衰弱して、食欲も元気もなくなり、治療が遅れると死んでしまいます。
回虫は恐ろしい。
後でお話するクル病を誘発する原因にもなり、ジステンパーに罹れば抵抗力がないので最悪の事態になります。
回虫の駆除
回虫の駆除は適量でなければ効果はなく、量が過ぎたら副作用で子犬を死なすこともあります。
「乱暴な駆虫は回虫より怖い」と昔からいいます。
元気のよい時に体重を測って、専門家の指示にしたがって行います。
回虫がいなくなっているか、確かめること。
一度すっかり取ってしまえば、後はほとんど心配いりません。
第二の矢:クル病
体の骨が柔らかくなる病気で、生まれて2〜3ヶ月頃におこります。
子犬の前肢の手首あたりを見てください。
太くなったり、肱(ひじ)が開いてその下が外側に曲がっているようなことはありませんか。
その辺りの様子で気がつくことが多いのです。
昔から「大きくなる犬は前肢が太い」と言われ、たしかにそうなのですが、クル病だったら大変です。
原因
原因の第一は栄養です。
不十分か偏(かたよ)っていて、ビタミンAとカルシュームが足りない、母乳が少なかったり、離乳が早すぎたりすれば罹りやすいのです。
第二の原因は日光不足と運動です。
ご馳走ばかりやっても、日当たりの悪い場所に繋(つな)ぎっぱなしにしたり、狭い部屋に閉じ込めたままで運動が足りなければ、クル病になりやすい。
室内の小型犬など、危険が一杯です。
予防と治療
総合栄養食と書かれた子犬用のドッグフードを食べることで予防は可能です。サプリメントをくわえたりすると余計に栄養が偏り栄養性疾患が起こることがあります。 専門家の指示を仰ぎましょう。
第三の矢:ジステンパー
恐ろしい!ジステンパーという言葉だけでゾッとします。
死亡率が60%にもなる恐ろしい犬の病気です。
乳歯と永久歯が生え替わる時期、生後4〜5ヶ月の子犬たちが一番危険です。
ジステンパーは命に係わる伝染病で、命が助かったとしても神経症状などの後遺症が残ります。
原因
ジステンパーは伝染病です。
犬から犬へ伝染するばかりではなく、患者、じゃなくて患犬に触れたものや衣服、手などからも伝染ります。
近い距離だったら空気伝染もします。
年齢が若いほど、症状が重いのが特徴です。
予防と対策
でも、いまはジステンパーの予防ワクチンがあり、予防が可能になりました。
生後3ヶ月ごろにワクチン注射を受けてやってください。
日頃の対策は、ひとこと、常に健康状態においてあげること、子犬をほかの犬と接触させないことです。
少なくとも、子犬の時代は庭の枠内で育ててください。
まとめ
人間の赤ちゃんと同じように、子犬は守ってあげなければいけません。
必要なチェックは細かくすること、とくに回虫をきれいにしてあげること、その後健康でいられるように、注意をしてください。
良質な食事と適度な運動、これがまず子犬の健康の絶対条件です。