クッシング症候群の概要
「クッシング症候群」とは、別名「副腎皮質機能亢進症」と言われる病気で、腎臓のちょうど真上にある副腎と言われる臓器が異常にホルモンを分泌してしまうことによって起きる病気です。ちなみに、クッシングの由来はアメリカの外科医の名前から取られています。
副腎はホルモンを分泌する内分泌器官の1つで、副腎皮質と副腎髄質の2つから構成されています。副腎皮質からは体内で糖を蓄積する際に使われる糖質コルチコイドと、体内のナトリウムやカリウムなどの金属イオンの濃度バランスを調節する鉱質コルチコイド、性成熟を促すとされている性ホルモンが分泌され、髄質からは興奮した際に分泌されると言われるアドレナリンが放出され、体のストレス反応の調節を行っています。
主にこの副腎は脳下垂体と言われるホルモンの量を調節しているとされる部位からの刺激を受けて働くといった受動的な器官です。
クッシング症候群はこの副腎の働きが異常になって過剰にホルモンを分泌されてしまうことによって引き起こされてしまう病気で、患ってしまうと水をがぶがぶ大量に飲んでしまったり、最悪の場合、糖尿病を併発してしまう場合があります。
では、犬がクッシング症候群を患ってしまう原因について紹介していきます。
犬がクッシング症候群になってしまう原因とは?
クッシング症候群は他の免疫疾患と異なり原因がしっかり解明されており以下の事柄が挙げられますので意識してあらかじめ原因を排除しておきましょう!
1.年齢
クッシング症候群は幼齢期の犬では起こる頻度はまれで多くは8-12歳の老犬にもっとも頻繁に発症する傾向があります。
2.犬種
1982年に行われた調査1000頭のうちこのクッシング症候群に患っている犬は1-2頭と発生頻度は低いですが、これでも犬の発生率は猫や人間よりも格段に大きいとされています。
その中でもプードルやダックスフンド、ポメラニアンなどの小型犬からボクサーなどの大型犬まで断定的にクッシング症候群にかかりやすいイヌの種類まで現在の調査で判明しています。
3.副腎に腫瘍ができてしまった
腫瘍は腫瘍がある部分の臓器の細胞が異常に増殖してしまうことによってできてしまう病気で、機能として異常に反応したり異常に分泌をしてしまうことが主な特徴です。
クッシング症候群はこれまで述べてきたように、副腎が異常にホルモンを分泌してしまうことによって起きてしまう病気で、副腎に腫瘍ができてしまった場合、通常時よりも過剰にホルモンが生成され、発症してしまいます。
副腎は脳の下垂体からの情報によってホルモンを分泌するかしないか決まりますが、下垂体からの情報によってかどうかで病名が少し変わります。下垂体からの情報を受け取ってしまうことによっておこってしまうクッシング症候群を「ACTH依存性クッシング症候群」、そうでない場合を「ACTH非依存性クッシング症候群」と言います。
4.下垂体に腫瘍ができてしまった
「副腎にホルモンを分泌しろ」という情報を送る器官である下垂体に腫瘍ができてしまった場合、副腎が受け取る情報は多くなってしまいます。その情報を処理しようとして副腎が頑張ってホルモンを分泌してしまうため、クッシング症候群が発症してしまいます。
クッシング症候群のほとんどはこのパターンが多く、クッシングの症状が出た時はまずこちらを疑いましょう。
また、これが原因で起きてしまうクッシング症候群はACTH非依存性のクッシング症候群に分類されます。
5.薬の副作用
時に病気を治す薬が病気のもととなってしまう場合があります。これを「医原性」と言います。
副腎皮質ホルモンを注射しすぎると、医原性クッシング症候群という病気が起こります。皮膚に石灰が沈着する「石灰沈着」という症状が現れ、皮膚の下に白いごつごつした塊ができます。この部分は非常に痒みが強いのが特徴です。
まとめ
今回は犬のクッシング症候群の原因について紹介しました。
- 年齢
- 犬種
- 副腎の腫瘍
- 脳の腫瘍
- 医原性
クッシング症候群は1度でも起きてしまうと一生共に生きていかないといけません。
クッシング症候群の原因は以上のように様々ありますが、医原性を除き予防が難しいです。飲水量が多い、お腹が膨らんできたなどの症状があれば早めに受診し検査を受けるようにしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 HA&LU
今回の記事もダックスのミックスを飼っている身としては、大変気になる生地となりました
が、3年前?のデータを引用されると記事自体の信憑性が低く感じてしまいました
今後も参考にさせていただきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します