犬の肝臓の数値が高いことについて
健康診断で「肝臓の数値が高いから、お酒は控えてくださいね」なんて言うことを聞いたことありませんか?実はワンちゃんも同じように健康診断で肝臓の数値が引っかかることがあります(もちろん、お酒で引っかかるわけではありません)。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、障害があってもなかなか症状には表れず、見た目にはその障害がわからないため、見逃されることが多い臓器です。なのでなかなか「肝臓が悪そうだから検査しましょう」とはなりづらいため、少しでも肝臓をケアしていくためには、定期健診が必要です。
犬の肝臓の数値が高くなるのはなぜ?
では、実際に肝臓にはどのような問題が起こりやすいのでしょうか?
私の病院では、ワンちゃんやネコちゃんには年に2回の健康診断をお勧めしています。
そして、その健康診断では、一見健康そうに見えるワンちゃんの実に40%に何かしらの異常が見つかっています。その中でも多いのが、血液検査での肝臓の数値の異常です。
まず、肝臓関係の数値では、ALT (またはGPT)、AST (またはGOT)という項目(さらにはALPやGGT (γGDP)といった項目を見ることもあります)で評価されることが多いのですが、これらは元々肝臓の細胞内に存在している物質(酵素)です。
それが血液中で数値が高くなっているということは、何かしらの原因で、肝臓が障害を受けている、つまり肝臓の細胞が何らかの原因で破壊され、細胞内のALTやASTが血液中に出てきてしまっている状態と考えられるのです。
犬の肝臓の数値が高い時の原因
では、その肝臓を障害する何らかの原因にはどういったものがあるのでしょうか?犬の肝臓数値が高まる原因として下記が考えられます。
- 肝嚢胞
- 肝臓の腫瘍
- 肝臓がん
- 肝炎
この中でもワンちゃんの肝臓数値が高くなる原因に多いのが、「二次性肝炎」と呼ばれる肝臓が間接的に障害を受ける病態です。特に歯周病による二次性肝炎が発症しやすい傾向にあります。
歯茎には血管が豊富です。歯周病とは、歯や歯茎に歯垢・歯石の中の細菌によって引き起こされる病気であるため、細菌が歯茎血管に入り肝臓を始め全身の臓器を侵食します。ほとんどは体免疫機能でしっかりと処理されますが、歯周病重度の場合、肝臓などの臓器に悪影響を及ぼします。
犬の肝臓の数値が高いと言われたら?対策法も
これは個人的な経験なのですが、肝臓の数値が高いワンちゃんの中には、おやつをやめるだけで肝臓の数値が下がるケースがあります。
これは実際のところ、おやつがどんな風に肝臓に負担をかけているのかはわからないので、はっきりしたことが言えないのですが、もし健康診断で肝臓の数値が引っかかるようでしたら、おやつをやめてみても良いかもしれません。
以上のように、血液検査で肝臓の数値をチェックするだけでも、体のいろんなことがわかります。さらに肝臓は、手遅れに近い形になるまで、症状には表れないため、気になる方はぜひ動物病院でチェックしてみてください。
特に春の時期には、みなさんフィラリア検査で採血する機会がありますから、その時に一緒に調べてもらうと、ワンちゃんには負担なく検査できますのでオススメです。
もちろん、血液検査だけでは体の全てのことがわかる訳ではありませんので、全身チェックしたい場合にはワンちゃんドックを受けるようにしてくださいね。
まとめ
肝臓は毒素の分解、栄養の貯蔵、消化のサポートなど様々な役割を担います。人間同様、犬にとっても重要な臓器のひとつです。一方で沈黙の臓器と呼ばれるほど、肝臓は異常が起きたとき目立った病変が現れにくいです。
肝臓の異変により食欲不振や嘔吐、多飲多尿、歯の黄ばみなどが症状として現れますが、いずれも気付くのが困難です。病気の早期発見が難しく気が付いた時には、病気が進行していたケースも少なくありません。
犬の肝臓を守るうえで重要なのは、定期的な健康診断です。こまめに検査数値を把握することが肝臓病から犬を守るうえで重要となります。後々、後悔しないためにもこの機会に飼い犬の肝臓数値をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ユーザーのコメント
20代 女性 ゆん
歯周病の犬は、中高齢になってくると目立ってきます。歯のケアをしていないと、歯石が貯まり、歯肉に炎症を起こします。
軽度であれば問題ないですが、細菌が歯にとどまらず、肝臓や他の臓器に炎症を起こしたり、最悪敗血症を起こしたりすることもあるのです。健康診断で内臓に関する血液検査を定期的に行うと共に、普段のデンタルケアも大事にしたいですね。
30代 女性 TIKI
20代 女性 小夏
健康そうなワンちゃんの40%に何かしらの異常が見られるって…こわいですね。
大きな病気であれ、小さな病気であれ、なんでも早期に発見できたらそれだけで愛犬の負担も減りますし、定期検診はできる限り受けさせてあげたいですね。
20代 男性 サトウ
女性 匿名
1ヶ月前ぐらいから目の周りが荒れて少し腫れていて、年末におやつあげ過ぎてアレルギーかなって注射で痒みを止めて様子を見ていたんですが、薬が切れるとまた荒れて痒いみたいだったんです。
もしかして歯石の中にアレルギー物質が溜まった状態かもしれないと歯石取りをする事になり取ってもらったんですが、たった2ヶ月でこんなに変化するものなんでしょうか?
20代 女性 コナ
正常範囲内だったのですが、この年齢の犬にしては高めだと獣医さんに指摘され、食事について聞かれました。
手作り食だったので、それが良くなかったのかなと相談したのですが、内容に問題はなさそうでどうしてだろう、とモヤモヤしたまま数カ月。
判明したのが、主人が私に内緒で愛犬にジャーキーのおやつをあげまくっていました。
普段トレーニングやお留守番のご褒美以外ではおやつを極力与えないようにしていたのに、冷蔵庫のジャーキーがみるみるなくなっていくことに気が付いて獣医さんに「お肉あげすぎじゃない?」と言われたことばが蘇り、主人に問い詰めたら判明しました。
検査の結果で正常範囲内でも、年齢によってちょっと高めだと気が付いてくれた獣医さんに感謝です。
30代 女性 nico
40代 女性 てと
50代以上 女性 an
40代 女性 クータン
避妊手術の時6ヶ月目に血液検査をした時に肝臓数値が正常範囲をやや超えていまして( 17〜78の範囲が115 )経過観察でしたが、それより8ヶ月後フィラリアの検査の時に調べた血液検査では、更に肝臓数値
が正常範囲を大幅に超えて( 18〜93の範囲が、153 )でした。やや肥満傾向で
ダイエットを勧めれました。ほんの少し
ですが、バナナやりんご さつまいも
ボーロ など ほんとに少しだけでしたが
(・・;)今は医者に注意され 気をつけています。この数値と朝30分でも朝食が遅いと黄色い胆汁をよく吐きます。関係があるみたいですが、大丈夫ですか?
食事も胃に負担かけないよう 3回に分けて
夜は8時朝は9時前にあげています。
胆汁と肝臓を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。どなたか情報をお知らせ下さい。
女性 もふころ