犬の脳震盪とは
脳震盪(のうしんとう)とは、頭に何らかの強い衝撃が加わってしまったことによって、脳が激しく揺り動かされ、引き起こされる脳障害のことです。
犬が頭を強く打ってしまったときに、比較的起きやすい症状です。
犬が脳震盪を起こすよくあるケース
愛犬を落としてしまった
例えば、「愛犬を抱っこしていたら急に暴れ出して、自宅のフローリングに頭を強く打った」というケースや、「お散歩中のアスファルトに頭から落下してしまった」というケースがあります。
どちらも飼い主さんの不注意ではありますが、「誤って愛犬を高い所から落としてしまった」というケースはとても多いようです。
転んでしまった
子犬や成犬の場合、走り回っているときに勢い余って転んでしまい、頭を強く打ってしまうことがあります。
老犬の場合、手足がフラついて転んでしまい、頭を強く打ってしまうことがあります。
とくに老犬の場合は転んでしまうことが多く、飼い主さんが見ていない間に頭を強く打ってしまっているケースが多いです。
犬の脳震盪の症状
- フラフラする
- ヨダレを垂らす
- 嘔吐
- 麻痺
- 失神
頭をぶつけた後に、このような症状が起きている場合は、脳震盪を起こしている可能性があります。また、とても危険な状態である可能性が高いため、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
頭のどの部位を強く打ったのか、その際のダメージの大きさはどれくらいだったのかなどによって、症状の有無や状態には違いがあるので、たとえ軽い症状であったとしても獣医の診察が必要です。
犬の脳震盪が恐ろしい理由
頭を強く打ったにも関わらず平気そうに見えることもありますが、元気に過ごしている場合でもすぐに獣医さんに診てもらいましょう。
脳震盪の恐ろしいところは、「後から容態が急変する可能性が高い」というところです。
数日後の症状があらわれることもあり、あっという間に昏睡や麻痺などの危険な状態に陥ることがあるんです。
軽症で済んでかのように見えて、数日経ってから最悪の結果になってしまうこともあります。
脳震盪の症状があらわれていないだけで、脳はとても深刻なダメージを受けている可能性がありますので、素人判断はせず、必ずすぐに動物病院へ連れて行ってください。
犬の脳震盪の治療法
脳震盪を起こしている場合、脳の炎症を抑えるための薬や、脳圧を下げるための薬を使う場合があります。また、内科的な治療によって経過観察が行われる場合もあります。
重症である場合には、MRI検査などの精密な検査が必要な場合もあります。
犬の脳震盪の対策
自宅での落下事故を対策
自宅のフローリングで滑って転んでしまった、抱っこしていたら暴れて落下してしまった、階段から転げ落ちてしまったなど、頭を強く打ってしまった原因のほとんどは飼い主さんにあると思います。
フローリングで滑って転んでしまわないようにマットを敷いたり、階段の昇り降りをさせないようにするしつけや、対策グッズを準備したり、しっかりと対策するようにしましょう。
トリミング中の事故を対策する
最近よく耳にするのが、「トリミングの最中に台から落下して頭を強く打ってしまった」という話です。
トリミング中の事故の話はよく耳にしますが、台から落下して頭を強く打ってしまったにも関わらず、症状が無かったことからそのままトリミングを続けてしまうこともあります。
頼れるトリマーさんにお願いして、が起きた場合の対応や連絡先などを伝えておくことも大切です。
犬の脳震盪 頭をぶつけた場合の注意点
脳震盪頭の原因は、頭を強く打つ事が多いですが、頭を強く打った場合、脳へのダメージも考慮すべきです。
そのため、犬が頭を強く打ってしまったときは、獣医さんに状況を説明するためにも、そのときの様子を詳しく把握するようにしましょう。
強く打ってしまった部位やダメージの大きさによって、様々な症状が起きると考えられるので、詳細な状況を把握する事で、脳へのダメージを予想する事ができるので、とても重要です。
何に頭をぶつけたのか
コンクリートの地面なのか、芝生の地面なのか、自宅の壁や家具なのかなど、頭を何にぶつけたのか把握しておきましょう。
何をして頭をぶつけたのか
転んで頭から落ちたのか、走っていて障害物に気づかず頭をぶつけたのかなど、頭をぶつけた時の場面を把握しておきましょう。
頭をぶつけた箇所・部位
頭頂部なのか、後頭部なのか、前頭部なのか、側頭部なのかなど、頭のどの箇所をぶつけたのかを把握しておきましょう。
まとめ
犬が頭を強く打ってしまったときは、とにかく冷静に判断することが大切です。元気にしていても、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
脳震盪は後遺症にも注意する必要があるため、早期治療が必要です。症状が軽い場合も、症状が全くない場合も、必ず病院へ連れて行きましょう。