犬連れのお出かけで注意したいあれこれ|準備したい事やよくあるトラブルを獣医が解説

犬連れのお出かけで注意したいあれこれ|準備したい事やよくあるトラブルを獣医が解説

春になると気候も暖かくなり、お出かけをするわんちゃんも増えるかもしれません。楽しいお出かけイベントでも実はトラブルが潜んでいます。どんなことに注意した方が良いのかお話をさせていただきます。

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麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

お出かけの際に準備したいあれこれ

水分補給中の犬

寒い冬が明けて、お出かけが好きなわんちゃんにとっては活動しやすい季節がやってきました。

お出かけベテランのわんちゃんも、今年こそはお出かけしてみたいというわんちゃんも、お出かけの際には準備が大切です。

どんなものを準備する必要があるのでしょうか。

車移動の場合の対策

車に直接乗ってもらう場合、車酔いをしてしまったときの処理や、事故に遭った場合の安全を確保するためにも、わんちゃん用のシートやキャリーバッグの準備をするのがおすすめです。

初めてのお出かけの際に、車という全く知らない環境に乗せられて、見知らぬシートやキャリーケースの中に入れられると不安になってしまうことがあります。

まずはお家で、シートやキャリーバッグに慣らすと良いでしょう。その場所でお気に入りのおやつを食べたり、お気に入りのおもちゃで遊んでも良いと思います。

飼い主さんが大好きなわんちゃんであれば、飼い主さんと一緒にシートやキャリーケースを使ってみるだけでも安心感が違う場合もあります。

車に乗る場合の安全性が一番大切ですが、ストレスにならないよう、慣らすことまでが準備として大切です。

車酔いをしやすいわんちゃんは、酔い止め薬などを事前にかかりつけの先生にもらっておくと安心かもしれません。

最低限のわんちゃんグッズ

どんな場所に出かける場合でも、わんちゃんの健康を害さないためにお水や少量のフードなどを持ち歩いておくと安心です。

お外でのトイレが苦手なわんちゃんは、ペットシーツも持ち歩いておくと良いでしょう。

環境や周りの方への配慮も欠かせません。排泄をした際の流すための水や、排泄物を取るための袋などは必ず持ち歩く必要があります。他にも、持病があるわんちゃんはお薬や保険証など持っておくと安心です。

万が一のトラブルが起こる可能性もあるため、ワクチン接種の証明書や狂犬病の予防接種の登録観察なども含め、持っておくと良いでしょう。

起こり得るトラブル

散歩中の犬

お出かけの準備として、どんなものを持っておく必要があるかというお話をさせていただきました。必要なものも、起こり得るトラブルによって変わってくる可能性が高いです。

おうちのわんちゃんの性格などを考慮して、特に起こりそうなトラブルには備えておく必要があります。

わんちゃん同士のトラブル

ドッグランなどで起こり得るのがわんちゃん同士のトラブルです。

じゃれ合いから喧嘩に発展してしまったり、警戒心の強いわんちゃんの場合は他のわんちゃんに対して攻撃的に接してしまう危険性もあり、相手のわんちゃんや飼い主さんなどにけがをさせてしまう場合もあります。

けがをさせてしまった場合に、狂犬病の摂取の有無を証明する必要や、咬傷事故の報告などをする必要性が生じます。

すぐに提示できるように、鑑札や証明書を携帯しておくと安心です。

目を離したすきに!

イベントやおでかけで飼い主さん同士が楽しんでいる間に目を離してしまい、わんちゃんにトラブルが起こることも良くあります。

食べてはいけないものを食べてしまったり、脱走してしまったりということも起こり得ます。

まずは目を離さないようにすることが大切ですが、普段から飼い主さんの目が離れていても、いたずらや誤食をしないようにしつけをしておくとトラブルのリスクが減らせる可能性があります。

また、脱走防止のためにGPSのような首輪やもし逃走先で保護された場合に飼い主さんがわかるように迷子札を着けたり、マイクロチップを挿入しておくことは大切です。

外部寄生虫が感染しちゃった

とくに山間部などの自然が多い場所では外部寄生虫にも注意が必要です。

普段予防をしている子も、予防をしていない子もお出かけイベントに合わせて、予防する必要のある寄生虫の種類に適した予防薬を投与しておくことをおすすめします。

また、皮膚炎に関連する外部寄生虫などに感染してしまう恐れもあるため、お出かけから帰ってきたら、体もシャンプーをしたりブラッシングをしてきれいにすると安心です。

マダニなどは付着がわかった時に、無理やり抜こうとすると口の部分だけ皮膚に刺さった状態で残ってしまうことがあります。

その場合は動物病院を受診するようにしましょう。

万が一で困らないために

獣医師と犬

トラブルは起こらないでほしいものですが、どんな子でも起こってしまう可能性はあります。

トラブルも思い出の一つと後から思えるように、悪い結果につながらないようにするためにも万全の対策をしておくと安心です。

近くの動物病院の診察時間など探しておこう

お出かけ先の近くの動物病院や診察時間を把握しておきましょう。飼い主さんの応急処置で済む場合は良いですが、動物病院の受診が必要になる可能性も高いです。

情報がわからないために、受診を見送ったことで治療のタイミングが遅れてしまう危険性もあります。手遅れにならないために、そしていざという時に慌てないために、下調べをしておくと安心です。

起こり得る可能性のある病気の常備薬などは持っておくと安心

わんちゃんの体質によって、下痢を起こしやすい子、吐きやすい子など様々だと思います。

よく起こる病気でよく使うお薬など、飼い主さんの判断で任されている場合は、かかりつけの先生にお話して少し余分に常備薬として持っておくと安心です。

普段見られないような症状なのであれば、きちんと受診をして原因をはっきりさせたうえで処方してもらう必要があります。

予防は確実に行って

お出かけ先のわんちゃんも泊まれるホテルや、ドッグランなどではルールとして定められていることも多いですが、混合ワクチンなどの病気の予防や、外部寄生虫、フィラリア予防など、他のわんちゃんにも病気をうつしてしまう可能性があることは飼い主さんのマナーとしてもきちんと予防をおこないましょう。

おうちのわんちゃんが感染をして、健康を害してしまう危険性もありますが、他のわんちゃんにうつしてしまって、他のわんちゃんを危険な状態に陥らせてしまう危険性もあります。

保険証や持病の説明などのノートは欠かさず持ち歩こう

一時的なトラブルであれば問題ありませんが、持病があるわんちゃんの場合、お出かけで楽しんだ疲れや気候、環境の変化で状態が悪化する危険性もあります。

かかりつけでない先生の場合、現在の治療の状態や、元々のわんちゃんの状態は把握できないため、使用しているお薬などによっては併用禁忌などの兼ね合いで使えないお薬も生じる可能性があるため、お薬や検査結果などをノートにまとめておくと安心です。

受診時に窓口で保険が使える場合もあるので、保険加入されている場合は、保険証も忘れずに持ち歩くと安心です。

まとめ

楽しいお出かけイベントですが、どんなに万全に対策をしていてもトラブルは起こってしまうこともあります。

あのときこうしておけばよかったという後悔が残らないように、起こり得るトラブルを予測したうえで、対処法を考えておきましょう。

たくさんの飼い主さんとわんちゃんがトラブルも乗り越えて、楽しい思い出をたくさん作れると良いですね。

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