狂犬病とは
狂犬病とは、感染して症状が現れれば致死率100%の恐ろしい病気で、現在のところ治療法はありません。 狂犬病という名前から、犬だけ感染する病気だと誤解されがちですが、人、犬、猫、ネズミ、コウモリなど全ての哺乳類が感染するウイルス性の伝染病です。
狂犬病に感染すると脳がウイルスに冒され、潜伏期間を経て様々な症状を発症し段階を踏んで死に至ります。人と犬それぞれ狂犬病に感染した場合に発症する症状を説明します。
狂犬病に感染した人間の症状
人が狂犬病に感染した場合、発症するまで約1か月近くかかります。最初は、熱や咳などの風邪に似たような症状から始まります。傷口から入ったウイルスが体の細胞を食い荒らし、高熱が出て体の様々な臓器を弱らせていきます。
感染動物から噛まれてできた傷が治りかけた頃、再び傷が痛み出し体に麻痺が出始めます。不安で憂鬱な気分がそれから2日ほど続き、理由もなくイライラして音や臭いに敏感になります。その後、喉が詰まったように感じ呼吸が苦しくなります。
ウイルスが脳にまで達すると触覚や聴覚がやられてしまい、「恐水症」と呼ばれる症状を引き起こします。喉がとても渇きますが、水を飲み込むと喉が痙攣し苦しくなってしまうために水が異常に恐く感じ、水のことを見たり考えただけで体が痙攣してしまいます。水が飲めないために脱水症状にもなってしまいます。
顔に風が当たっても痙攣が起きてしまうために「恐風症」と呼ばれる風に対しても恐怖を感じ風を避けるようになります。進行していき末期になると精神錯乱を起こし幻覚も見始めます。その後、激しい痙攣発作や脳や全身の筋肉が麻痺していき、呼吸不全で死亡します。
狂犬病に感染した犬の症状
犬も人が感染したときと似たような症状が出ます。
前駆期
- やたらと不安がり食事を摂らなくなる
狂躁期
- 遠吠えをする
- 無意味にウロウロ歩きまわる
- 攻撃的になり見境なく噛み付く
- 壁すらも噛む
- 水を恐れ飲み込めなくなる
- 吐く
麻痺期
- 下顎に力が入らなくなり舌が出っぱなしになる
- 大量のヨダレを垂らす
- 足腰が弱くなりよたよた歩く
- 平衡感覚がなくなる
- やがて昏睡状態になり死亡する
狂犬病の原因
狂犬病ウイルスに感染した動物の唾液には、大量のウイルスが含まれており、咬まれたり舐められたりすることで傷口から体内に入り込み感染します。
狂犬病の治療と予防方法
治療
狂犬病に感染し症状が現れた場合、残念ながら現時点では有効的な治療法はありません。もし、人が海外で動物に咬まれてしまったら、速やかに病院へ行き、暴露後ワクチン(暴露後接種)を受け発症を防ぎます。
予防方法
日本では、生後3か月経った犬は
- 犬の登録
- 狂犬病予防接種
が義務付けられています。登録と注射は動物病院ですることができ、登録の手続は市役所でも可能です。きちんと登録をしている方には、毎年3月頃に市から狂犬病予防接種のお知らせの案内が届きます。
4~6月までに動物病院で予防接種を済まします。また4月中であれば、決められた日時に会場を獣医師がまわる集合注射があります。そこに愛犬を連れて行って予防接種を受けることもできます。
近年では、室内飼いだからと犬の狂犬病予防接種を受けていない方が非常に増えています。ペットショップから買ってきて、登録もせずにそのまま室内飼いだと国も把握できずにいます。
もし、日本に狂犬病が入ってきた場合、予防接種を受けていない犬を飼っていれば、飼い主さんが一番に危険にさらされてしまいます。そうならないために、きちんと予防接種を受けることが重要です。
海外で犬に咬まれたときの対処法
以下の対応を速やかに行ってください。
- 傷口を石けんで洗う
- 消毒をする
- 暴露後ワクチンを打つ
海外で狂犬病に感染しないための予防策は、狂犬病危険地域に行く場合は渡航前に狂犬病ワクチンを摂取すること、そして大事なことは安易に動物へ近寄ったり触れたりしないことです。
まとめ
日本では、狂犬病の予防接種が義務付けられ、徹底的な野良犬管理がされているおかげで1957年以降、日本では狂犬病は絶滅したと言われてきました。しかし犬以外の飛ぶコウモリや野生動物では予防の仕様がありません。
また、海外からの野生動物の侵入などで、いつでも狂犬病ウイルスが広がる危険性があります。もし、日本に狂犬病が入って広がってしまうと、愛犬ももちろん飼い主さんも危険にさらされてしまいます。そうならないためにも、年1回の狂犬病予防接種をきちんと受けること、また海外へ行った際にはむやみに動物に触らないように気を付けることが大切です。
ユーザーのコメント
40代 男性 ひろ
50代以上 男性 メロン
大手メディアによると、狂犬病予防接種を受けさせている飼い犬は、ここ20年程で71%にまで落ち込んでいるというデータもあり、未届けの犬まで合わせるともっと数値は下がるだろう。日本での狂犬病が発見されたのは、1956年が最後とされており、危機感が薄らぐのは仕方がないのかもしれないが、狂犬病予防接種の習慣が広まっていないアジアをはじめ世界各国では、かつての日本と同様に今も死者を出しているのである。
狂犬病は、ウイルス性の人獣共通感染症である。海外から輸入された動物等から狂犬病が広がるリスク、人を噛まずとも愛犬自身を苦しませるリスクを、飼い主が増幅させるのはナンセンスではなかろうか?
「発症すれば致死率100%」が狂犬病という病気であるが、噛まれたら即死亡ではなく、噛まれてから発症するまでの手当て(暴露後ワクチン)で発症を抑えられる可能性が非常に高まることを知っておきたい。
また、狂犬病予防接種は法律で定められた義務である。それがどうしても気に入らないのなら、犬を飼わないか、法律を変える運動を起こし実現させて欲しいと思う。(尚、狂犬病予防接種は種類として強い注射のため、闘病中やシニア期の場合は獣医に相談して書類を提出すれば、免除可能である)
30代 女性 38moto
今の日本には狂犬病ウィルスは存在しないといわれているので安全ですが、全ての哺乳類に感染することから、どこからそのウィルスが入り込んでくるかわからない点では安心ではありません。
犬でも人でも感染してしまうと有効的な治療法はなく致死率100%の恐ろしい感染病です。発症してしまった犬は安楽死をさせなくてはなりません。これは飼い主にもダメージが大きいと思います。
日本では狂犬病ウィルスが存在しないことからそういった症例が少ないせいもあり、狂犬病予防接種の重要性はわかっているのに、義務だと思っている人は少ないのではないかと思います。かく言う自分もそこまで危険なものだと思っていませんでした。認識を改めようと思います。
50代以上 男性 匿名
30代 女性 すず
昔は野良犬が多かったものですから、決して野良犬へ近づいたらいけないと親から言われていたのですが、今では野良犬なんて見かけませんもんね。
狂犬病、この名前からすると犬がかかる病気だと勘違いされている方もいますし、犬からしかうつらないと思っている方も。
実際はすべての哺乳類に感染する恐れのある大変恐いウイルスなのに、そう勘違いされている方がいることが恐ろしいです。
特に日本はさておき、海外アジア圏ではいまだに狂犬病で亡くなっている方が毎年いらっしゃいます。旅行先で野犬に手を出したりしないよう、気を付けなくてはいけません。
20代 女性 シーナ
女性 Sato
女性 コロ
特に日本は清浄国なので、認識が少々甘い気もしますね。犬だけではなく人や他の動物にも感染する病気なら、予防ワクチンも犬だけではなく他の動物にも必要なのでは?と思います。
50代以上 女性 てと
女性 しめさば
男性 バグジー
女性 世界一周
50代以上 女性 匿名
残念ながら体のアレルギー疾患などで運悪くワクチンを摂取した為に愛犬を亡くされた方は本当に辛い思いをされたかとは思います。
しかしながらウチの愛犬の犬友のわんちゃんはたまたま費用がかかるからと、頑なにワクチンをしないで居るわんちゃんに噛まれたことが原因で次の日には亡くなってしまいました。
しかし噛まれた方は小型犬のミニチュアダックスで噛んだ方の柴犬は気強に威嚇してこられ仕方なく噛んでしまった感じで、どちらにも罪は問え無い状況です。
しかし、せっかくご近所で、威嚇したりライバル心が有るわんちゃん同士でも仲間意識が有るから闘争心も芽生えるわけで、片方のわんちゃんがワクチンさえしていれば亡くなってしまう事は無かったのではないでしょうか。
動物病院では確実に噛まれた事が原因で有ると言われたにも関わらず、噛んだわんちゃんの家庭にはご近所間で気を悪くされると嫌なのでそれを知らせる事が出来ずに放置状態です。
そうなると、うちも柴犬とチワポメか居ますので噛んだ柴犬ちゃんにはうちの気強のチワポメはなるべく距離を置くしか有りません。
まさか、「狂犬病のワクチン接種して無いなんて事有りませんよね」とうちが聞いていくのも筋違いの気がしますし。
やはり、雄のわんちゃん同士は恋の季節など気荒になりますし、絶対安心、絶対大丈夫などと素人判断でワクチンを接種しておられ無いわんちゃんには、近づかせるのは怖いです。
仲良しだと、クンクンしたり、ペロペロしたり、顔を近づけたりしますから、、、。
ペットトリミングでも作業が他のわんちゃんと同時進行の為、6種、7種、などの証明を出さ無いといけない現在の状況で、私は狂犬病の接種をされて無い方が多くいらっしゃる事を知り、何らかの事情がお有りとしても、なんとも言えない気持ちしか有りません。