犬にNGな秋の食べ物を知っておきましょう
現在は輸送技術の発達や栽培技術の進歩により、旬に関係なく一年中いろいろな食材を手に入れることができます。とはいえ、やはり旬のものを旬の時期にいただくのが一番美味しいですよね。
9月に入ると秋の味覚が豊富に出回り始めますが、「美味しい秋の味覚を愛犬にも味わわせたい」と思う飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。でも、ちょっと待ってください。秋の味覚の中には、犬に食べさせてはいけないNGな食べ物があるのをご存知ですか?それを知らずにNGな食べ物を与えてしまうと、愛犬が体調を崩したり、中毒を起こしたりする可能性があります。
愛犬がつらい思いをしないように、この機会に犬にNGな秋の食べ物を知っておきましょう。以下から、4つご紹介していきます。
犬にNGな秋の食べ物①ぶどう
ぶどうにはデラウェアや巨峰などさまざまな品種があり、品種ごとに収穫の時期が異なります。そのため、早いものは6月頃から店頭に並び始めますが、一般的には8月~10月頃がぶどうの旬と言われています。
甘くてみずみずしいぶどうは、ポリフェノールを豊富に含み、がんや動脈硬化の予防に効果があることで知られています。人の健康には良い効果をもたらしてくれるぶどうですが、犬には危険な食べ物です。犬がぶどうを食べると、下痢や嘔吐といった中毒症状を起こすことがあります。重症の場合は腎不全になり、死に至るケースも。中毒症状は、生のぶどうだけではなく、ぶどうを干したレーズン(干しぶどう)でも引き起こされます。
現在のところ、ぶどうやレーズンのどの成分が犬に毒なのかは解明されておらず、犬がぶどうをどのくらい摂取すると中毒症状を起こすのかについてもはっきりしていません。たった1粒でも中毒を起こすことも考えられますので、愛犬にぶどうは与えないようにしましょう。
犬にNGな秋の食べ物②いちじく
いちじくは花が咲かずに実がなるように見えるため、漢字で「無花果」と書きます。しかし、花は実の中で咲いており、いちじくの果実の中にあるつぶつぶが花です。いちじくは収穫期が夏と秋の2回あり、7月~10月頃が旬になります。
いちじくは、古代ローマでは「不老不死の果物」と呼ばれたほど、昔から人の健康に良いとされていました。しかし、いちじくの皮や葉、果肉には「ソラレン」や「フィシン」といった犬にとって毒となる物質が含まれています。そのため、犬がいちじくを食べると下痢や嘔吐、口内の炎症、よだれといった症状が引き起こされることがあります。人の健康に良いからと言って、愛犬にいちじくを与えるのはやめたほうがいいでしょう。
犬にNGな秋の食べ物③ぎんなん
ぎんなんの旬は10月~11月頃です。茶碗蒸しなどに1粒入っているだけでうれしくなるぎんなんは、β‐カロテンやビタミンCなど感染症を予防する成分が多く含まれており、風邪を引きやすい秋にぴったりの食材です。
しかし、犬に与えるのはNGです。ぎんなんにはメチルピリドキシン(ギンコトキシン)という中毒物質が含まれており、嘔吐や下痢、呼吸困難、けいれんなどの中毒症状を引き起こします。人間でもぎんなんを食べ過ぎると中毒を起こすことがあり、特に解毒能力が低い幼児には与えないほうがいいと言われています。人間ですら中毒を起こし得るのですから、犬も中毒を起こす危険があると考えていいでしょう。
紅葉シーズンは、いちょうの木のそばに落ちているぎんなんを愛犬が拾い食いしないように気をつけてくださいね。
犬にNGな秋の食べ物④アボカド
ビタミンやミネラルが豊富で、栄養価の高いアボカドは「森のバター」と呼ばれています。スーパーなどに並ぶアボカドはほぼ輸入物ですが、和歌山県や愛媛県などで生産されている国産のアボカドは、11月頃に旬を迎えます。
アボカドには「ペルシン」という殺菌作用のある毒性物質が含まれており、人間が摂取しても通常は問題ありませんが、犬が摂取すると嘔吐や下痢などを起こすことがあります。アボカドにはいくつかの品種があり、品種によってペルシンの含有量が異なるため、犬が食べても大丈夫なアボカドと中毒を起こすアボカドがあると言われています。しかし実際のところ、正確なことは分かっていないようですので、愛犬にアボカドは与えないほうが安心と言えるでしょう。
また、犬がアボカドの種を誤飲すると喉に詰まらせたり、腸閉塞を起こす危険があるので、うっかり種を床に落としたりしないように注意しましょう。
まとめ
秋の食べ物は美味しいものばかりで、愛犬にもおすそ分けしたくなりますが、ご紹介したようなNGな食べ物は与えないように気をつけてくださいね。
もしNGな食べ物を愛犬が口にしてしまった場合、飼い主さんが自己流で食べたものを吐かせようとすると誤嚥などの危険があります。速やかにかかりつけの動物病院に連絡して、獣医師の指示を仰ぎましょう。
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女性 匿名