犬の歯磨きシートの効果やメリット
犬は虫歯ができにくいのですが、歯周病や歯槽膿漏を予防するためにも歯磨きはとても大切です。歯茎から細菌が入り込み、心臓病や腎臓病などの重大疾患を発症してしまう可能性もあるのです。ただ、歯磨き初心者の方や、口周りを触られることに慣れていない犬だと、歯ブラシを使っての歯磨きはなかなか大変だと思います。
その点、歯磨きシートは短時間で効率よく歯磨きを行うことができるので、歯ブラシに移行する前のステップとしてもおすすめです。まずは、歯磨きシートの効果やメリットについて見ていきましょう。
歯ブラシよりも磨きやすい
歯磨きシートは、シート越しに歯の表面に指を当ててなでるように磨くだけで、表面の歯垢を取り除くことができるので、手軽に利用することができます。また、飼い主が手に持っていることが分かりづらく、警戒心を持たれず犬の口の中に入れやすくなり、犬のストレス軽減にもなります。
口腔内の異変に気付きやすい
直接歯や歯茎に触れることができるため、口の中の異変に気づきやすいこともメリットです。歯ブラシだと気づきにくい、歯茎の腫れや歯のキズなどの異変を見つけやすいので、歯周病や病気のリスクを減らすことができます。
フレーバーシートで抵抗感を減らす
無香料シートが主流ですが、中にはチキンやミルクのフレーバーシートもあり、初めて歯磨きをする犬も匂いに興味を惹かれ、さほど抵抗感なく歯磨きをさせてくれるメリットがあります。
しかし、歯磨きシートの成分として界面活性剤、PH調整剤などの添加物が含まれているものは、長期間使用することを考えるのであれば、避けたほうが良いでしょう。歯磨きシートに慣れてもらうことを目的として、できる限り短期間の使用に留めたほうが安心ですね。
犬用歯磨きシートの選び方
たくさんある歯磨きシートは、どのような基準で選んだら良いのでしょうか。ここでは、ぜひ取り入れてほしい選ぶ基準となる項目をいくつかご紹介します。愛犬の衛生・健康管理のためにもぜひ参考にしてください。
使われている成分の安全性を確認する
前述したとおり、歯磨きシートの成分の中には添加物が使用されている場合もありますが、食品由来成分など安全性の高い成分もあります。愛犬の口の中に入れるものですから、できる限り無添加で安心安全な商品を選んであげたいですよね。成分について不明な場合は、メーカーに問い合わせたり、獣医師におすすめの商品を聞いてみるのもよいでしょう。
飲み込まれにくく丈夫な素材を選ぶ
歯磨きシートの大きさも小さなものから手のひらサイズまで様々です。小さなシートは一見使いやすそうですが、誤って食べた、飲み込んだといった誤飲の可能性も出てきてしまいます。指にしっかりフィットし、飲み込まれにくい大きめのサイズがおすすめです。
また、破れにくい丈夫な素材の商品を選びましょう。柔らかく破れやすいシートでは、誤飲の可能性はもちろん、小さく破れてシートを飲み込んでも飼い主が気づかない場合もあるので注意が必要です。
フレーバーシートを活用する
犬の好きな香りで安心させ、手軽に使えるフレーバーシートも活用しましょう。歯磨きを好きにさせる効果も期待できるので、歯磨きシートを選ぶ基準の一つとなります。ミルクやチキンフレーバーは好きな犬が多いと思いますが、柑橘系やミント系は苦手と感じる犬もいるため、愛犬に合ったフレーバーシートを選んであげましょう。
指サックを使ってみる
口周りを触られることに慣れていない犬では、嫌がって歯磨きシートが破れたり取れてしまうかもしれません。そんな時は、スポッとはめるだけて使用できる指サックがおすすめです。表面に凹凸があり汚れを絡めとってくれます。力加減がしやすいことも魅力です。歯磨きシートを嫌がる犬は、一度指サックを使ってみてはいかがでしょうか。
犬用歯磨きシートのおすすめ7選!
たくさんある歯磨きシートの中からどのような商品を選べばいいか迷ってしまうと思います。ここでは、様々な特徴のあるおすすめ歯磨きシートをご紹介します。きっと愛犬にぴったりの商品が見つかると思いますよ。
ライオン:ペットキッス(PETKISS) 歯みがきシート
歯の汚れを浮かす成分が配合されており、ストライプ構造のシートがしっかり汚れをふき取った後、キレイになった歯をコートします。カインズなどホームセンターや量販店に陳列されていることが多い商品ですので、手軽に継続して使うことができるので人気の商品です。
ライオン:Newベッツドクタースペック デンタルシート
抗菌作用のある明日葉ポリフェノールや歯石の沈着防止効果のあるポリリン酸ナトリウムが配合された商品です。どちらも食品に由来する添加物成分なので安心して使用できます。ミクロの網目が汚れをきっちり絡めとり除去します。前述した“ライオン:ペットキッス(PETKISS) 歯みがきシート”のワンランク上の商品なので、歯磨きシートにも慣れ、より効果を実感したい飼い主さんにおすすめです。
マインドアップ:犬口ケア 歯みがきウェットシート
緑茶エキス配合のノンアルコールシートで安心して使用でき、犬の好きなミルクフレーバーが特徴です。メッシュタイプの特殊シートが汚れを絡めとり除去してくれます。人・犬・猫全般のオーラルケアメーカーなので、信用性が高いことも魅力です。
ふしみ和紙アート研究所:ワンコ歯石トルン
歯石を吸着する効果のある天然鉱石ゼオライトを配合し、犬にも環境にも配慮した歯磨きシートです。また、肌触りが優しい和紙でできた歯磨きシートは、脱臭効果も期待できるので、口臭予防の面からもおすすめです。
スーパーキャット:らくらく歯みがきシート プレミアム
天然由来のグレープフルーツ種子抽出エキスを使用、また爽やかな緑茶フレーバーで、パラベンやアルコールも含まれていないため、安心安全に使用したい方に人気の商品です。特殊構造のメッシュシートが歯の汚れをしっかりに取り除いてくれます。
トーラス:歯垢トルトル プラケアシート
シートの水分は富士山の天然水を使用しており安心です。また、業界では初めて研磨剤(炭酸カルシウム)を配合しており、短時間でしっかり歯垢を落とすことが可能です。短い時間でも効果を実感できるので、歯磨きがあまり得意ではない犬にぴったりです。
メイドオブオーガニクスフォードッグ:オーガニック コットンシート
100%オーガニック素材(無農薬栽培)のみならず、防腐剤や接着剤も一切使用していないことが最大の特徴です。口周りを触られることに敏感な犬や、刺激の少ない商品を探している方におすすめの商品です。
犬用歯磨きシートの使い方やコツ
歯磨きシートはいつからどの程度の頻度で行えばいいのでしょうか。乳歯が生えそろう生後2~3ヶ月頃から始めることが好ましいですが、成犬になってからでも遅くはありません。できれば毎日行うことが理想ですが、無理せず継続することが最も大切です。毎日続けられるよう、歯磨きシートの使い方の手順やコツを見ていきましょう。
手順1:口周りを触る
まずは犬の口周りを手で触ることに慣れさせましょう。“口周りを触る=おやつをあげる”ことで触れても構いません。慣れてきたら歯並びや歯の形状などの口腔内の様子を確認できればベストです。シートで磨くときにスムーズに行えます。
手順2:歯磨きシートは先端を尖らせて巻く
シートを下から上へくるくると指に巻きつけ先端を尖らせます。そうすることで、細部までしっかり磨くことができます。誤飲を防ぐためにも、きつめにしっかりと指に巻きましょう。
手順3:前歯から順に奥へ進む
犬の視界に入りづらいよう口横からそっと指を入れ、前歯から順に奥歯のほうへ進みながら磨いていきましょう。ゴシゴシ力を入れすぎると歯茎から出血してしまう可能性もありますので、優しくこするイメージで行います。奥歯が届きにくい場合は、ピンポイントで当たるように犬の頬側から指を入れると良いでしょう。
手順4:歯の裏も磨く
前歯から奥歯へと磨き終わったら、次は歯の裏です。歯の表面や隙間ほど汚れは溜まりづらいですが、磨き残しが蓄積されると歯垢になってしまいます。あまり時間はかけずサッと優しく磨いてあげましょう。手順3・4を行うことで、歯全体を磨いてあげることができます。
犬用歯磨きシートを使う際の注意点
歯ブラシに比べ手軽に使え、歯磨き初心者の方にも人気の歯磨きシートですが、使用する際に気を付けなけれをならないこともあります。注意点をしっかり確認し、安心安全な歯磨きタイムを設けましょう。
犬が歯磨きシートを噛んでしまう
シートをしっかり指に巻き付けていないと、ひらひらして犬がシートを噛んでしまいます。食べた、飲み込んだといった誤飲に繋がる恐れがありますので、使用方法に沿った使い方をすることが大切です。万一、誤飲してしまった時はすぐに動物病院へ連れていきましょう。時間が経つにつれ対処に時間がかかることもあります。
奥歯まで指が届かない
前歯や犬歯は磨きやすい位置にありますが、奥歯はなかなか指が届きづらいと思います。犬の口の端はよく伸びるので、口を閉じた状態から片方の手指で横に広げ、シートだけを巻き付けたもう片方の手指を入れてあげると奥歯に届きやすくなります。ただ、目視で奥歯を確認することは難しく、犬が誤って飼い主の指を噛んでしまいケガする恐れもありますので注意が必要です。
歯磨きシートだけでは不十分
歯磨きに慣れていない飼い主や犬にとっては非常に使いやすい歯磨きシートですが、歯の表面を磨くのみでは完全に歯垢や歯石を除去することは難しいのが現状です。歯磨きシートに慣れたら、次のステップとして歯ブラシに挑戦することをおすすめします。歯の隙間や歯と歯茎の境目までしっかりブラシでこすることができるので、よりキレイになり口の中を清潔に保つことができます。
子犬や老犬は慎重に行う
やんちゃ盛りの子犬や疲れやすい老犬は、歯磨きシートをするタイミングに気を付けましょう。子犬は散歩や遊びで体を動かした後、落ち着いている状態のほうが歯磨きしやすいと思います。老犬は体調が良いときではないと疲れて負担になってしまいます。無理にしてしまうと歯磨き嫌いになってしまいますので、その時々の愛犬の状態をみて行いましょう。
短時間で終わらせる
歯磨きシートに慣れてきたらより丁寧に時間をかけて行いたいと思いますが、長時間の歯磨きはやめたほうが良いでしょう。慣れてはいるものの、歯磨きが好きな子はあまりいませんので、長時間やるよりは短時間で頻度を増やして行ったほうがベストです。犬が好きなおやつなどのご褒美と歯磨きをセットで行うことも有効です。
▼「犬の歯磨きの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
3歳以上の犬の8割程度が、歯周病もしくは歯周病予備軍といわれています。愛犬に健康で長生きしてもらうためにも歯磨きはとても大切です。歯ブラシへ移行する前のステップとして歯磨きシートはとてもおすすめです。慣れるのには時間がかかりますが、根気強く行い、ぜひ習慣化していきましょう。愛犬とコミュニケーションを取りながら、楽しい歯磨きタイムを送ってくださいね。