犬がマーキングをする理由とは?
縄張りを意識している
室内でマーキングをするときは、飼い主さんに対する自己主張が原因の場合があります。家の中で犬が優位な立場になると、家の中が自分の縄張りであることを誇示するために、マーキングをしやすくなるのです。
その他にも、マーキングをすることで嫉妬や寂しさ、異常などを飼い主さんに伝えようとしているという考え方もあります。
ストレスを感じている
ストレスを感じている時にもマーキングすることがあります。犬は人間の言葉を話せないため、別の方法で感情を相手に伝えようとします。それがマーキングです。
ストレスの原因はさまざまで、散歩に行けなかった、飼い主がかまってくれない、といった小さなことから、引っ越しで生活環境が変わった、などの大きな変化の場合もあります。
マーキングは犬からのメッセージだと捉え、何かストレスを感じていないかチェックし、生活環境の見直しを行いましょう。
病気の可能性も
昨日までは普通にトイレで用を足していたのに、急にお部屋のあちこちでオシッコし始めることがあります。ここから考えられるのは、膀胱炎などの病気です。
膀胱炎は、細菌や結石により膀胱の粘膜が炎症をおこす病気で、排尿時の痛みや、残尿感などの症状があります。
実際にはオシッコは溜まっていないのに、残尿感から何度もトイレに行ったり、少量のオシッコをまいたりします。猫のように急激に悪化することは少ないと言われますが、急に粗相するようになったら病気を疑い、獣医師の診察を受けましょう。
発情期によるもの
発情によるマーキングは、オスとメスのどちらにも見られ、特に未去勢のオスや、避妊手術を行っていないメスに多いです。
一般的にはメスが先に発情し、オシッコに含まれるフェロモンに惹きつけられる形でオスが発情します。メスはおよそ半年に1度発情するため、その時期になるとしきりにマーキングするようになるのです。
オスの場合は、発情中のメスの匂いを感じとると、ご飯も手につかなくなり、マーキングを繰り返すようになります。メスを追い回したり、遠吠えしたりと、普段とはまったく違う行動をすることもあるので、発情中の愛犬の行動には十分注意しましょう。
外でのマーキング
犬は本能的に自分の存在を他の犬に示して、縄張りを守ろうとします。マーキングはそのための行動の1つで、通常の排尿とは違い量も少量です。散歩中にマーキングをする時、犬はできるだけ高い場所におしっこをかけようとします。
これは他の犬に対して、自分が大きくて強い犬であることをアピールしたいからです。特に発情期のマーキングは、異性の犬に自分の存在や力を知らせる意味合いが強いと考えられています。
犬のおしっこの中には犬の情報がたくさん入っており、性別やおおよその年齢、健康状態、発情の時期などを判断することができると言われています。
犬のマーキングはいつ頃から始まる?
マーキングが始まる年齢には個体差があり、生後4〜5ヶ月で始まる子もいれば、まったくしない子もいます。もっとも一般的なのは生後6〜8ヶ月頃です。
この頃までに去勢・避妊手術を行えば、ほとんどの場合マーキングは予防できます。将来、子犬を望まないのであれば、獣医師と相談して、早めに去勢・避妊手術を行いましょう。
また、飼い主さんの中には「マーキングしてもトイレトレーニングをやり直せばいい」と考えている方も多いようですが、実際はそう簡単ではありません。子犬の頃のようにスムーズに覚えてくれることはなく、部屋や外出先のあちこちでオシッコしてしまうでしょう。
特に、マーキングが癖になっているような犬は要注意です。マーキングはホルモンが関係する本能的な行動のため、犬は自分をコントロールできません。一度マーキングをし始めた犬をトイレトレーニングで元に戻すのはとても難しいのです。
もし、トイレトレーニングをやり直す場合は、「粗相しても絶対に叱らない」「上手にできたらたくさん褒める」などを、子犬の頃よりも意識して根気強く続けましょう。
犬のマーキングをやめさせる方法
ハウスのしつけを徹底する
犬のサークルやケージを決まった場所に設置し、犬が安心して過ごせるようにトレーニングを行いましょう。「自分のテリトリー=ハウスの中」と認識させることで、他の場所でマーキングをしたいとう気持ちを落ち着かせることができます。
飼い主さんの「ハウス」のコマンドで、サークルやケージに入ることができるまでしっかりとしつけを行いましょう。
飼い主さんとの関係性を見直す
家の中でマーキングをする場合、飼い主さんは犬との信頼関係をもう一度見直してください。家の中は飼い主さんと犬が一緒に生活する場所であって、縄張りを主張する場所ではないことを意識させることが必要です。
飼い主さんとの信頼関係ができているにも関わらずマーキングをする場合は、犬がストレスを感じていることも考えられます。犬がどのようなタイミングでマーキングするのかを日常生活の中でいつもと変わった様子がないかなどよく観察して、問題を解決していきましょう。
外でのマーキングはしそうな場所から離す
散歩中にマーキングをしようとした時はリードをしっかりと引き、その場所から離れるなどの工夫が必要になります。他の犬がマーキングをした場所を通るとにおいに刺激を受けてマーキングをするようになるため、そのようなコースを避けることも効果的です。
しかし、犬の散歩中のマーキングを完全にやめさせることは簡単ではありません。マーキングは犬の本能的な行動なので、やめさせるためにしつけを行うことには賛否両論あります。
犬が公共の場で、家の壁や電信柱などにおしっこをかけることを迷惑に思う人もいます。周囲の人を嫌な気持ちにさせないように、マーキングをした所を水で流すことは飼い主としての最低限のマナーです。散歩に出かける時は、水を入れたボトルを携帯することを忘れないようにしましょう。
犬のマーキングの防止策
マーキング防止スプレー
家の中でのマーキングがやめられない場合は、犬にとって不快なにおいがするマーキング防止スプレーを使ってみるのもおすすめです。マーキングをしてほしくない場所に吹きかけるだけでマーキング防止効果が期待できます。
また、犬がマーキングをした後は消臭スプレーでしっかりとにおいを消しましょう。犬はにおいが残っていると、においに誘導されて同じ場所にマーキングすることが多いようです。においを消しておくことで、マーキングを減らすことができます。
マナーベルトやオムツ
来客時や散歩中など、どうしてもマーキングを避けたい時に便利なのがマナーベルトやオムツです。マナーベルトやオムツをしていれば予測不能な犬のマーキングで起こるトラブルを予防することができます。お出かけ先や友だちの家に遊びに行った時などの対策としてもおすすめです。
去勢・避妊手術を行う
一時期に集中して犬がマーキングをするようになった場合、発情期によるものが原因と考えられます。去勢・避妊手術を行い発情期をなくすことで、マーキングが減ったというデータもあるようです。
しかし、すべての犬に効果があるとは言い切れないため、犬のマーキングを予防するためだけに手術をするべきかどうかは難しい問題です。
手術を行うことで、予期せぬ妊娠を防いだり病気を予防したりするメリットもありますが、全身麻酔をしなければならないなどのデメリットもあります。マーキングで困っている飼い主さんはそのことを頭に入れた上で動物病院に相談してみるとよいかもしれません。
犬のマーキング防止スプレーやおすすめグッズ
リッチェル お散歩ハンディシャワー
ペットボトルに取り付けることができるハンディーシャワーです。受け皿の向きを変えることで、犬のマーキングを洗浄するためだけではなく、給水器としても使用することができる2WAYタイプになっています。
金属のリングが付いていて、バッグやリードに引っかけることができるので散歩中にも邪魔になりません。
マーキング防止+消臭クリーナー
マーキング防止機能に消臭効果を併せ持ったスプレーです。粗相をされたくない場所に吹きかけるだけで、犬のマーキングを防止、予防する効果があります。洗浄効果も併せ持っており、おしっこだけではなくうんちのにおいや汚れも取り除いてくれます。
ジョイペット 天然成分消臭剤
緑茶消臭成分から作られた、犬のマーキングのにおいを消してくれる強力な消臭剤です。除菌成分が含まれており、においの元となる菌の繁殖も防ぎます。
ノンアルコールタイプなので、フローリングだけではなくカーペットなどにも幅広く使用できます。消臭成分は100%天然の植物抽出物からできているので犬が舐めても安心です。
しつけるウォールトレー
背面部の壁に高さがある犬のトイレ用トレーです。足を上げて高い位置にマーキングをする犬でも、おしっこがこぼれにくいため飼い主さんの後片付けの負担を減らすことができます。
背面側におしっこシートをセットすることができるよう、シートを留めるクリップがついているのでずれる心配もありません。
ペットプロ マナーベルト
消臭効果のある生地で作られた犬のマーキング防止用マナーベルトです。マーキングによるアンモニア臭を抑え、手洗いによる洗濯も可能なのでいつでも清潔な状態で使用することができます。マジックテープ式で脱着の手間もかかりません。シンプルなドット柄のデザインなので外出時にもおすすめです。
マナーウェア 犬用おむつ
洋服感覚で使用できるおしゃれなデザインが特徴的なマナーウェアです。体にフィットする柔らかい素材で作られているため犬の動きが制限されません。
約6時間分のおしっこを吸収することができ、漏れ防止のギャザーもついているためしっかりとマーキングをガードしてくれます。
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まとめ
犬のマーキングにはさまざまな理由がありますが、原因を見つけて周囲の人の迷惑にならないように防止しなければいけません。
犬の本能的な行動であるマーキングを完全に抑えることは難しいため、散歩中のマーキングは水で流すなど、飼い主さんのマナーが大切になります。家の中でのマーキングについては、飼い主さんとの信頼関係ができているか、犬にストレスが溜まっていないかなどをもう一度確認する必要があります。
マーキング防止グッズを生活の中に上手に取り入れて、犬や飼い主さん、周囲の人みんなが気持ちよく過ごせるように対策を取りましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 まゆみ
飼い主を見下していることも原因の一つとはまさか思いませんでした!
これに当てはまる気がするので、我が家もリーダーウォークを実践して行こうと思います!
20代 女性 なっちゃん
一回すると癖になって繰り返しますし…怒ったら隠れてするようになってしまいます。
我が家の子はトイレが汚くなったりして気に入らない時にマーキングして知らせたり…
お気に入りのおもちゃにもマーキングしたり…もう大変!!!!
知らない間になくなっていましたが…
「自分の物!!!」と伝えたくておもちゃにマーキング。なにか不満があるときにマーキング…それぞれ意味のあるマーキングなんですね。きっと意味のないマーキングはないと思うので、飼い主さんもきちんと愛犬の様子を見てあげていたら気づくこともあるとおもいます!
対処すればマーキングも無くなることもありますよ!
50代以上 女性 フーガ
記事にもあるように、単純に叱ってしまうのはよくないことだとわかっていますが、これからは少しずつ解決策を考えていこうと思います。
30代 女性 ブルー
30代 女性 ロン
しつけが行き届かなかったせいだと思っていましたが、ストレスなどが原因になることもあるのですね。マーキング以外の問題行動はなかったし、飼い主の言うこともよく聞く子だったので、さみしさや退屈が原因だったのかも……と、この記事を読んで思いました。
当時は女の子と一緒に飼っていたので、子どもを作らせないように去勢しましたが、マーキングも発情行動もなくなりませんでした。去勢でマーキングが防げるのは、個体差があるようです。または、子犬のうちに去勢するほうが、マーキング対策としてはいいのかもしれません。
40代 女性 Connie
女性 pipi
女性 ゴン吉
マーキング用の尿は通常のものと違い匂いがキツイので、できるならしつけでどうにか収めたいところですが、今のところ一番効果的なのは去勢手術しかありません。手術後、うちの愛犬も家の中ではマーキングをしなくなりました。外では他の犬の匂いに対抗してしまうこともあるので、マーキングのことを意識していないわけではなさそうです。
去勢手術以外で対処するとなると、いつもマーキングをしてしまう場所を中心に、ビターアップルやわさびなど噛み癖を防止できるものをこまめに塗布しておくことです。噛み癖防止のアイテムですが、犬は匂いを嫌がるので近寄らなくなります。ただその場所にはしなくなっても違う場所でマーキングを始めてしまうこともあり、いたちごっこです。
子犬を考えている予定もなく、マーキングに悩んでいるようなら早いうちに手術を考えてあげると、今後の病気のリスクも減少しストレスもなくなると思います。
女性 アガベ
40代 女性 せんちゃん
40代 女性 goo
愛犬グーはトイレをすぐに覚えて、賢い子だなぁ、なんて言っていたのに油断していました!1才を過ぎてから脚をあげておしっこをするようになり、あっという間にマーキングを覚えてしまいました。(ちなみに去勢手術は月齢6か月で行っています)
どうやらペットホテルへ4日ほど預けた際に、他のわんちゃんを真似して覚えてしまったようです。
脚上げおしっこ、マーキングがとても楽しかったようで、覚えたての頃は家の中でもところ構わず脚をあげておしっこをしては嬉しそうにしていました。
それまで完璧だったトイレでのおしっこはところてん式にスコーンっとなくなってしまったかのようでした。
それ以来、徐々に不満なことがあったり、家の外に犬が歩いていたりすると、嫌がらせのおしっこや興奮を鎮めるためかマーキングをするようになってしまいました。これが制御不能で、根気強く頑張ったつもりですが、2年ほどで折れてしまい自宅でもマナーベルトを巻くようになってしまいました。
現在6才、これからでもトイレトレーニング再開した方がいいのかな…と悩みます。
女性 セロリ
室内でのマーキング行為が直せず、困り果てています。
玄関に宅配便できた段ボールを置いておくと、そそくさとやってきておしっこをかけていくような状態です。
カバンなんかも床に置きっぱなしにしているとおしっこをかけられてしまいます。冬のこの時期はロングブーツなんかも、玄関に出しっぱなしにしているとかけられます。
現行犯ならすぐに声かけをしてやめさせることが出来るのですが、いつも発見が遅れてしまって。
確かに最近やたらと主張を押し通すようになってきたように感じていました。散歩でも行き先が気に入らないと座り込んで抗議するし、フードも気に入らないと口にしません。
主従関係の見直しから心を入れ替えてやっていかないと!
女性 ラテ
まずは、思い切ってカーテンやじゅうたん、ソファ、犬のおしっこがかかった布物はすべて処分し、新調しましたよ。
おしっこのニオイを失くすことも目的でしたが、これだけのものを買い替えて、飼い主のやる気も相当マジになります(笑)。
犬が脚をあげたら、すかさずその瞬間に声をかけて脚をあげきる前、おしっこが出る前に動作を止めます。はじめはちょろっと出ちゃうときもあったけど、この動作を止めて私と目が合ったら思いっきり褒めて(隣近所に聞こえるほどに!)大好きなおやつを与えます。
これを地道に地道にコツコツやり続けていたら、家の中では脚をあげなくなりました。
室内でのマーキング行動がはじまって、なかなか治らず、治らないどころか習慣になってしまったときにはどうしようかと思いましたが、飼い主の粘り勝ちです。
女性 金魚
脚を上げておしっこをすることを覚えてから、あっという間にマーキング癖がついてしまいました。
散歩中の脚上げおしっこはOKで、家ではダメ、というのは教えられないですよね?
せめてトイレシートでだけやってくれればいいのですが、うちの犬はトイレシートでもする、といった状態になってしまいました。
家具の角や、床に置いていあるものなど、ちょっと目を離すとおしっこがかけられています。もう1日中トイレットペーパーと消臭スプレーを持ち歩いているよな状態です。
去勢はとっくに済んでいて、散歩も朝晩1時間、家でもたっぷり遊んであげてますし、お留守番は滅多にさせません。飼い主が舐められているのかしら。
最近は諦めてマナーベルトを巻いてしまう日もありますが、今2才の愛犬、この先まだまだ長い生活を考えるとやはりトイレトレーニングを再びしないといけないなぁと考えているところでした。
女性 ポロ
愛犬は散歩から帰って1時間後にはマナーベルトが巻かれています。しかも、マナーベルトを巻いてくれと言いに来るダメな飼い犬です。おしっこをしてマナーベルトが気持ち悪くなるのでしょう、交換してくれとも言ってきます。その姿がとても愛おしくて、ついにはマナーベルトを愛犬オリジナルサイズで手作り、私の髪飾り(シュシュ)もおそろいの布で作っておそろいを楽しんでしまっているようなダメな飼い主です。
マナーベルトはしていても、いちおうトイレは設置しています。理性が働くときは、そこできちんとおしっこをしているのですが、興奮状態に陥るとところかまわずマーキングをしてしまうので、やはりマナーベルトが必須となってしまっています。
女性 トット