老犬になってから吠えるようになった!原因や止めさせる方法

老犬になってから吠えるようになった!原因や止めさせる方法

老犬の急な無駄吠えや夜鳴きには、原因や理由がちゃんとあります。認知症・視力の低下・聴力の低下などについてご紹介しています。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

老犬が急に吠えるようになる理由とは?

ミニチュアダックスフンド

ほとんど吠えることもなく大人しかった愛犬が急に無駄吠えや夜鳴きをするようになってしまった、というケースがとても多いです。今まで吠えない子だったのになぜ?と飼い主さんも不思議に思ってしまいますよね。

老犬が急に吠えるようになったら、認知症を疑う

老犬になってから急に無駄吠えや夜鳴きが増えた場合、「認知症」を患ってる可能性が考えられます。うちの三代目わんこも15歳になってから急に無駄吠えが増え、それまで全く吠えない子だったので、どこか痛いんじゃないかと病院へ急いだところ、認知症と診断されました。

認知症になると、なぜ無駄吠えや夜鳴きをするようになるのか?

老犬のゴールデンレトリバー

認知症になると、昼と夜の感覚が狂ってしまう事が無駄吠えや夜鳴きの原因になるとされています。認知症を患っている老犬のほとんどは、単調にとても大きな声で鳴きます。

認知症のチェック項目

  • 昼と夜が逆転している(昼に寝て夜は起きている)
  • 無駄吠えや夜鳴きが多くなった
  • 物にぶつかるようになった
  • 同じ場所でグルグル回っている
  • 立ったまま一点を凝視したまま動かない
  • 水の飲む量が増えた
  • トイレの失敗が増えた

認知症の症状は様々ですが、このような症状があらわれることが多くあります。

認知症の原因

老化によって、脳細胞の一部が死滅してしまったことや萎縮してしまったことなどが主な原因です。認知症によって死滅してしまった脳細胞や萎縮してしまった脳は、再生困難です。

認知症による夜鳴き・無駄吠えの改善方法

昼と夜の感覚が狂ってしまっていることが原因であるため、昼と夜のバランスを上手く戻してあげることによって、無駄吠えや夜鳴きを減らしてあげることができます。

お仕事をされている方はなかなか難しいかもしれませんが、朝しっかり起こしてあげ、昼間はお散歩に行ったり家の中で遊んだりして過ごし、夜はしっかり眠るようにする、こうすることで昼と夜の感覚を保つことができます。

認知症の予防方法

愛犬の認知症を予防するためには、少しでも脳や脳細胞の老化を予防してあげることが必要です。いろんな場所へ連れて行き、いろんなものを見せてあげ、新しい刺激を与えてあげることが効果的であるとされています。

また、死滅や萎縮してしまった場合でも、残された健康な脳や脳細胞が少しでも衰えてしまわないようにしてあげることによって、今以上に認知症の症状が悪化しないようにすることができます。

その他の理由や原因とは?

ロングコートチワワ

認知症によって無駄吠えや夜鳴きをするようになってしまうケースがほとんどなのですが、その他にもいくつかの理由や原因を考えることができます。

視力が低下している

視力が低下してしまったことにより、物にぶつかるようになってしまったり、行きたい場所に上手く行くことができなくなってしまったり、飼い主さんに助けを求めるように鳴くようになることがあります。白内障の可能性もあるため、診察を受けてみることをおすすめします。

聴力が低下している

呼んでも反応しない場合や反応が鈍くなってしまった場合、聴力が低下してしまっている可能性があります。飼い主さんの声が聞こえなくなってしまったり、飼い主さんがどこにいるのかはっきりわからなくなってしまうことで、犬はとても不安になってしまい、飼い主さんを探すように鳴くようになることがあります。

まとめ

犬の眼差し

  • 視力が低下しているからだ
  • 聴力が低下しているからだ
  • 認知症のせいだ
  • 老犬だからだ

犬は、そう理解することができず、なぜ飼い主さんの姿が見えないのか、なぜ飼い主さんの声が聞こえないのか、大好きなお散歩なのになぜ上手く歩くことができないのか、わからずにとても不安なのです。

犬は人間の7倍のスピードで年を取ると言われていますよね。10歳を過ぎると老年期に入りますし、見た目はとても若く見えてはいても、耳が聞こえにくくなったり、目が見えにくくなったり、お散歩の距離が短くなったりなど、少しずつ老犬らしさが見えてきます。

老犬と暮らす飼い主さんの悩みの多くは介護に関することですが、夜鳴きに困っているという方がとても多いようです。老犬の夜鳴きによってご近所から苦情がきてしまったという方もいらっしゃるようです。

イライラして叱ってしまい申し訳ない気持ちになってしまったという方もいらっしゃるようですし、寝不足が続いて体調を崩されてしまったという方もいらっしゃるようです。

今まで無駄吠えなんてひとつもなく、ほとんど吠えない犬だったのに、老犬になってから急に無駄吠えするようになってしまった、夜鳴きで困っている、とお困りの飼い主さんが多いようなのですが、ちゃんと理由があります。

愛犬の夜鳴きや無駄吠えの理由をしっかり理解してあげることで改善してあげることができます。「無駄吠え」とよく言いますが、無駄なことなんてひとつもないんです。ちゃんと理由があります。

私たち人間も、カラダを思うように動かせないとき、イライラしてしまいますよね。人間はその原因や理由を自分で理解することができますが、犬はできません。

老犬の無駄吠えや夜鳴きを少しでも改善してあげたい場合、昼と夜の時間のズレを戻してあげること、そして少しでも不安を取り除いてあげることが必要なのではないでしょうか。

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