スタンダードプードルとは
プードルという犬種は古くから存在していて、起源は不明な点が多いと言われています。そのプードルの中で一番歴史が古いものがスタンダードプードルです。スタンダードプードル鳥猟犬として作出・飼育されてきた犬種で、泳ぎが得意な犬種です。元々は水辺での猟の際撃った鳥を泳いで取ってくる回収犬として用いられていました。
現在では作業犬ではなく愛玩犬としての位置づけがされていますが、スタンダードプードルは日本では介助犬として、海外では盲導犬としても活躍していることから猟犬であった祖先の潜在能力の高さを感じることが出来ます。また、プードルは大きさ(体高)により以下の4犬種に区分されており、スタンダードプードルは体重16~25kgの「大型犬」に値します。
ちなみにスタンダードプードルと同じ種類でもある他のプードル達は、大きさこそ違いますが特徴はほぼ一緒だと言われています。
もっとも日本でポピュラーな犬種である日本で最もよく見られる「トイプードル」トイプードルより少し大きい「ミニチュアプードル」、ミニチュアプードルより少し大きい「ミディアムプードル」そしてプードルのオリジナルサイズである「スタンダードプードル」という順番で大きくなっていきます。
スタンダードプードルの性格
- おおらか
- 繊細
- 聡明
- しつけがしやすい
- 頭の回転が早い
- 威厳がある
スタンダードプードルの性格は、一般的に知られているトイプードルよりも落ち着きがあり、おおらかな性格と言えるでしょう。プードルらしい繊細さやデリケートさも持ちあわせており、聡明で時に威厳すら感じます。スタンダードプードルは活発で元気があり、冒険心に富んだ一面を持っており、何より人と関わるのが大好きな犬種です。
スタンダードプードルはトイプードル同様、賢さや頭の回転もかなりのもの。その知能の高さは全犬種の中でボーダーコリーに次いで2番目である、という研究結果も発表されているほどです。
「頭が良い」ということは、スタンダードプードルは「しつけがスムーズに行える」ことでもあります。何事もすぐに覚えてくれる頭脳を持っていますが、故に、ずるがしこいことも覚えてしまいやすいので、少し注意が必要です。
スタンダードプードルはお手入れが大変な犬種ではありますが、性格だけをみると大変飼いやすくオススメの犬種でもあります。またその聡明さやトレーニングのしやすさから災害救助犬として活躍するなど、ペットだけではなく使役犬としても大変活躍をしている犬種なのです。そんな性格を考えると世界中で人気が高いというのにも納得できますね。
スタンダードプードルの大きさ
スタンダードプードルの大きさは大型犬サイズで、その平均体重は16〜25Kg、平均体高は45〜60cmほどとなっています。同じプードルでも私たちのよく知るトイプードルの平均体高が24〜28cmであることを考えるとかなり大型で、大きな体をしていることがよくわかります。
スタンダードプードルは体長と体高がほぼ同じスクエア型をしており、手足が細く頭が小さいのが特徴的です。スタンダードプードルの赤ちゃんは、トイプードルのような見た目をしていますが、成長過程で手足が細長くなっていきます。耳が目と同じくらいの高さにあり垂れ耳なのも可愛らしい顔を作り上げている理由となっています。
また、大きさがトイプードルよりもあるため、可愛らしいトイプードルの印象よりもエレガントで気品が溢れる印象を与えてくれるのも、スタンダードプードルならでは。可愛い犬よりも気品が漂う犬種がいい方はおすすめです。
スタンダードプードルの毛色と毛質
スタンダードプードルの魅力の一つとして挙げられるのが、その愛くるしくも美しい「容姿」です。大きく愛らしく、優雅さも感じる佇まいには誰もが目を留めることでしょう。
毛色
- ホワイト
- ブラック
- シルバー
- グレー
- シルバーグレー
- クリーム
- カフェオレ
- ブラウン
- ブルー
- レッド
- アプリコット
- ベージュ
- シャンパン
スタンダードプードルは毛色の種類も実に多彩です。JKC(ジャパンケネルクラブ)の公認カラーは、上記のように数多くのバリエーションがあります。
毛質
また、毛質は抜け毛少ないので、室内で飼育するのにも適している犬種だとして人気を集めています。ただし、抜け毛は少ないですが、毛玉になりやすい毛質をしているためブラッシングを定期的に行わないとすぐに毛玉だらけとなってしまいます。そのため、定期的にお手入れをする必要はあります。
スタンダードプードルの寿命
スタンダードプードルの平均寿命は12年ほどと言われています。大型犬の平均寿命から考えてもそこまで短い寿命ではないことがわかります。また、この寿命に関しては個体差によるところが大きく、健康管理をしっかりと行っている個体であれば、12歳になっても元気に駆け回っているような子もいます。
逆に健康管理をしっかりと行われていない個体の場合、平均寿命前であっても老犬のような姿になっていることも珍しくはありません。愛犬に少しでも長生きをしてもらうためには、普段から健康管理をしっかりと行うのと同時に食事管理、適正な運動、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。
近年ではドッグフードの品質の向上や動物医学の発展と共に犬の寿命も延びている傾向にあります。しっかりとした健康管理を行えば平均寿命よりも長生きする可能性は十分にありますので、ぜひ普段から健康を心がけましょう。
トイプードルの寿命は平均何歳?老化のサインから長生きするコツまで
スタンダードプードルの価格の相場
スタンダードプードルは価格相場は「16万円~40万円程度」と様々です。血統、遺伝的疾患などにより大きく変わり、珍しい毛色(JKC非公認カラー含む)であれば、さらに価格がプラスされます。
またスタンダードプードルは人気犬種であるにも関わらず、ペットショップで販売されることが少ない犬種でもあります。そのためか、時期によっては子犬の値段が高騰することもあります。それが高値の付きやすい個体であればさらに値段は高くなり30万円は優に越すことも珍しくはありません。
しかし、価格が高いから絶対に良いスタンダードプードル、というわけでは決してありません。あなたに合う、合わないというのは、正直なところ「飼い主次第」になってきますので、可能であればあまり値段を気にせずに「直感」を大事にして、スタンダードプードル選びをしていただきたいものです。
スタンダードプードルの里親になるには
スタンダードプードルは価格も高くブリーダーから直接迎え入れる必要があるため、里親として募集がかかることは少ないのですが、スタンダードプードルは思っているよりも大きくなりやすい犬種であるため、無責任な飼い主によって捨てられてしまったり、飼えなくなったからと保健所に持ち込まれることもあります。
また、飼い主様の事情によって飼えなくなったため里親募集サイトに「譲ります」という文字と共に掲載されることも。そのようなスタンダードプードルの命を救うためにも、里親制度はぜひ利用していただきたいものです。
ただし、前述した通りスタンダードプードルはなかなか保護犬として募集がかかることがありませんし、人気の犬種であるため募集が開始されると応募者が殺到してしまいすぐに締め切られることもあります。里親としてスタンダードプードルを飼いたいならば、ぜひ里親募集サイトや保護犬団体のサイトを小まめにチェックをしておくようにしましょう。
スタンダードプードルをブリーダーから迎えるには
スタンダードプードルは人気の犬種ではありますが、ペットショップに並ぶことはほとんどありませんのでブリーダーから直接迎え入れる方法が主流となります。スタンダードプードルのブリーディングを行っているブリーダーは決して多くはありませんが、ネットで検索するといくつかの犬舎を見つけられます。
スタンダードプードルを家族に迎え入れたいのであれば、まずはブリーダーの口コミや情報を集めて信頼できると思ってから連絡を取るようにしましょう。ブリーダーの中には利益のことしか考えず、無理な繁殖を繰り返すような悪質ブリーダーも存在しています。
そのようなブリーダーの片棒を担ぐようなことがないように、そのブリーダーがどのようなブリーディングを行っているのか、実際に犬舎を見学し、周りの口コミなどを考慮しながら迎え入れる子犬を決めるようにしてくださいね。
スタンダードプードルの飼い方
散歩
スタンダードプードルの飼育で重要なのが散歩です。気品漂うお上品な見た目をしているため、運動量はそこまで必要ないように思われるかもしれません。しかし、元々は猟犬ですから十分な体力を消費できる毎日の散歩と運動は欠かすことはできません。
室内で遊ばせるときも、簡単なゲーム的な運動や好奇心を刺激するような体を動かす遊びを考えてあげることが大切です。また可能であるならば、水泳をさせてあげるのも大変喜びます。また、散歩の時間は30〜1時間程度の散歩を1日2回行ってあげるのが理想的です。
お手入れ
抜け毛が少ない犬種であるスタンダードプードルですが、トリミングを定期的に行わないと毛玉が多くなり皮膚疾患の原因となることもあります。トリミングはセルフカットを行うと安く済ませることはできますが、慣れていないと大変ですし、個体によっては暴れてしまい素人ではカットが難しい場合もあります。
もし自身がなかったり、可愛いスタイルにしたいと思うのであれば無理をせずにトリマーにお願いをしましょう。カットの頻度は3〜6週間程度を目安に行うのが理想的です。さらに被毛が絡まりやすく放置をするとフェルト状になってしまいますので、毎日にブラッシングも欠かさないようにしましょう。
そのほかにも涙やけをしやすい犬種であるため、顔を優しくふいてあげる習慣をつけてあげると良いでしょう。耳も垂れ耳で外耳炎になりやすいため定期的に拭いてあげるほか、汚れや臭いがないか耳の中をチェックして耳の異常にはすぐ気がつけるようにしておきましょう。
餌
スタンダードプードルは体も大きく筋肉質な体をしているため、普段から高たんぱく質なドッグフードを与えるのと同時に、添加物が多く含まれているような安価な物を与えないことをおすすめします。肥満のことを考えて、できれば高たんぱく質、低カロリー、高品質な商品を選び、適正量を1日2回に分けて与えてください。
また、玉ねぎのように犬にとって中毒症状を引き起こすような食材は与えないようにし、盗み食いをされないように犬が接触できる場所には置かないようにしましょう。
スタンダードプードルのトリミング
スタンダードプードルであるがゆえに、出費がかさむのはトリミング代ということを頭に入れておきましょう。プードルの毛は放っておくと伸び続け、またその毛質は大変絡まりやすいものです。頻度としては、最低でも月に1回の定期的なトリミングが必要とされます。
費用は店によって違いますがシャンプー、カットで30,000円~程かかります。 長時間かかり重労働であるスタンダードプードルのトリミングを断る店もあるため、飼う前にサロンに確認しておいても良いでしょう。
また、スタンダードプードルのトリミングはトリマーの学校にお願いするということも可能です。トリミングするのは学生なので、カット料金はプロの店よりも安価で済むことでしょう。学校によっては募集をしていない所もあるのでこれも確認が必要ですが、一つの手段として抑えておきましょう。
スタンダードプードルのカットスタイル
スタンダードプードルの魅力はなんといってもカットスタイルの多さです。愛玩犬となった現在ではその豊富な毛を活かして様々なカットが考案されており、カラーリングも積極的に取り入れられ、各々個性的なカットやカラーを楽しむことが出来ます。
またプードルという犬種は体臭も少なく、季節による換毛も見られないのでアレルギー体質の家庭で飼うことも出来ます。季節を気にせず様々なカットスタイルに挑戦できるという点は、スタンダードプードルの魅力であり、実際に犬のカット集をみればスタンダードプードルのカットの種類に驚かされるでしょう。今回はそんなスタンダードプードルのカットスタイルを一部ご紹介します。
コンチネンタルクリップ
プードルといえばこれと想像する人も多い独特のカットスタイルです。頭頂部や上半身に豊かな被毛を残し下半身は刈り上げる独特のスタイルは、ドッグショーでも思わず釘付けとなってしまいます。この変わったカットスタイルは元をたどると水辺での猟の際、作業をよりスムーズに進めるため考案されたものとされているためです。
冷たい水の中で心臓や肺を守るため胸毛を多く残し、推進力を高めるためと関節の保護のために足に丸くカットした毛を残す、ポンポンと呼ばれるしっぽの毛を残す事で水の中でもどこに居るか知らせるための目印にし、他は水の抵抗を受けにくいよう刈り込む、などあの「コンチネンタルクリップ」には意味があるのです。
テディベアカット
スタンダードプードルでもやっぱり可愛くなくっちゃ!そんな考えを持っている飼い主様におすすめのカットスタイルです。トイプードルが小ぶりなテディベアならば、スタンダードプードルは大きなテディベア。思わず抱きつきたくなるようなそのカットスタイルはスタンダードプードルを飼育したらぜひ一度は挑戦したいカットですね。
ライオンカット
頭の頭頂部の毛を伸ばして耳まで繋ぐことで、まるでライオンのたてがみのような姿になるカットスタイル。丸くカットされているので大変小顔になります。一部では太陽のようなカットスタイルともいわれ人気を集めているようです。
アフロ
スタンダードプードルの醍醐味はその豊かな被毛!そこでぜひ挑戦していただきたいのがアフロカットです。頭頂部だけを残してカットすることで、まるで爆発したかのようなカットスタイルに大変身できます。頭をより際立たせるために、体の被毛を短くするのがポイントです。
スタンダードプードルの歴史
スタンダードプードルは他のプードルの原種として古くから人々の生活に密着して生きてきた犬種です。プードルの原産国はフランスですが、その祖先にあたると考えられる犬はフランスに渡るはるか昔に東西ヨーロッパ全体に生息していたと考えられています。
現在ではロシアや中央アジアに生息していた犬が長い時間をかけてヨーロッパを横断し、ドイツからフランスに入るときに現在の形になったと言われています。
16世紀ごろまでは、使役犬として活躍をしており荷車を引いたり、水猟犬として活躍をしていたようです。しかし17世紀に入ると、スタンダードプードルをもとに作られた、トイプードルがフランス上流貴族の間で愛玩犬としてブームとなりました。
その結果、スタンダードプードルも様々な場面で活躍をするようになり、持ち前の賢さを活かしてサーカスのショーで活躍をしたり、トリュフ探しをしたりするようになっていったようです。現在では足腰の強さや訓練性能の高さから災害救助犬として活躍をするようになり注目を集めています。
スタンダードプードルのおすすめブログ
くろしろまめむぎ
3匹のスタンダードプードルと2人のお孫さんのことを愛情いっぱいに綴っていらっしゃるブログです。最初にお迎えした空ちゃんの成長記録をつけたいと始めたブログですが、あれよあれよというまに人数が増えていった歴史の深いブログで、過去から遡ると大変面白いです。また、スタンダードプードルの飼い方やリアルな日常を垣間見えることもできるので、飼いたいと思っている方にはおすすめのブログです。
もずくの成長日記
スタンダードプードルのもずくちゃんがとっても可愛い!一時期独特な座り方で話題を呼んだわんちゃんなのでご存知のかたもいらっしゃるのではないでしょうか?もずくちゃんの普段の生活がみれる他、インスタグラムもやっておられるので、可愛い姿に癒されたい方はぜひのぞいてみてはいかがでしょうか?
まとめ
スタンダードプードルは近年じわじわと人気が出てきている犬種です。しかし可愛いから、人気があるから、という安易な理由で簡単に購入する前にトリミングや毎日の散歩等、飼ってからのことをよく考える必要があります。
特にスタンダードプードルは手入れやしつけ、散歩等飼い主側の努力も求められる犬種であるといえます。しかし、努力を惜しまない覚悟を持って家に迎えれば、きっとスタンダードプードルはあなたのかけがえのない唯一無二のパートナーとなることでしょう。
スタンダードプードルの魅力はなんと言っても聡明な性格と愛嬌、そして飼い主を信頼する姿勢です。愛犬からの期待に応えられるように、毅然とした態度とメリハリをつけたしつけをしっかりと行える方は、ぜひ気品に溢れるスタンダードプードルとの生活を考えてみてはいかがでしょうか?
ユーザーのコメント
30代 女性 Chappy
20代 女性 小夏
40代 女性 TIKI
30代 女性 きい
20代 女性 まろん
女性 サチコ
40代 女性 グーグルぽち
その子はおしとやかで、でも遊ぶのが大好きで、私の愛犬にもすごく優しくしてくれて、おおらかな性格というのも納得です。フランスが原産国というプードルの気品を感じさせられます。
どの犬種も出費はつきものですが、確かにスタンダードプードルはケアに出費がかさみそうですね。
そんなことは気にならず、実は海外ではスタンダードプードルの方がトイプードルやミニチュアプードルなどに比べて人気のようです。トイプードルはスタンダードプードルが原型犬となるので、まだ少ないのでしょうか。イギリスではトイプードルをいまだに1匹しか見たことがありません。またジャイアントシュナウザーとスタンダードプードルをミックスした、シュヌードゥルという犬もいるようです。
最近は日本でもスタンダードプードルの人気が出てきているとききます。今後多くのスタンダードプードルがあちこちで見られるかもしれませんね。
40代 女性 匿名
女性 colo
体は大きいけれど明るく温和で、多頭飼いでも問題のない犬種です。ただとても寂しがり屋です。
被毛はとても特徴的なクセ毛を持つので、ブラッシングやトリミングは必須です。ですが、シャンプーやトリミングにとても時間がかかるので、バリカンで短くすることも多いですね。個人的には長めの方がより大きいぬいぐるみらしくて好きですが。
寒さに弱いので、冬は長めに残しておいてあげるといいですね。
バリカンをせずに被毛を残すと、中に人が入っているんじゃないかと思うくらいシルエットが人間くさいです。そこもまたユニークなところです。
スタンダードプードルは運動も必要です。一日2回1~2時間ほど必要になります。とても賢いのでアジリティなど障害物のある運動も好みます。
スタンダードプードルを飼うには、広いスペースがないと厳しいです。もちろん室内飼いになりますので、ストレスにならないよう、部屋には余裕を持って落ち着ける場所を確保してあげると良いと思います。
女性 ももなん
女性 匿名
24時間つけっぱなしになります。電気代も(汗) でも 可愛すぎる。一緒に寝ると抱き枕(笑) まさにかわいい動くぬいぐるみ
女性 ザブトン
30代 女性 かゆことぷとし
60代の母が主にお世話しています。
お店でのトリミングは年に1〜2回、あとは母が器用なのでバリカンで刈ったり、お風呂も家で入れています。
16〜25キロとありますが、うちの子は6歳女の子2頭で28キロと30キロです。
賢くて、おイタもしないのでケージには入れておらず、家の中を好きにさせてます。お留守は2頭で遊んでいるようです。
30代 男性 K.W
なるほど…初心者でも大丈夫な代わりにサロンにトリミングは体の大きさに伴い費用がすごいですね。…セレブの犬って感じですね。